講演レポート:第1回 対応急務!令和3年度版 電子帳簿保存法Q&A(一問一答)徹底解説 |日立ソリューションズ Forum|株式会社日立ソリューションズ

株式会社 日立ソリューションズ

Prowise Business Forum 第1回

対応急務!令和3年度版 電子帳簿保存法Q&A(一問一答)徹底解説 ~国税庁OB が語る、これからのペーパーレスとDXとは?~

2021年8月23日に、「日立ソリューションズ Forum 第1回」がウェビナー形式で開催され、多くの方々にご参加いただき盛況のうちに終了しました。これまでのProwise Business Forumからリニューアルした本フォーラムでは、「情勢や業界の動向を読み解き、未来へつなげる」をキーワードに、参加者の皆さまとのコミュニケーションを重視したプログラムを通して、お客様のビジネスのヒントとなる内容をこれからもお届けして参ります。
初回となる今回は、「対応急務!令和3年度版 電子帳簿保存法Q&A(一問一答)徹底解説 ~国税庁OBが語る、これからのペーパーレスとDXとは?~」と題し、いよいよ2022年1月に迫る改正電子帳簿保存法の施行に向けて、本格的な対応をご検討されている企業様に役立つプログラムを用意しました。
基調講演には、国税庁OBで、税理士・SKJ総合税理士事務所所長の袖山氏にご登壇いただき、今回の法改正の背景や、現行の制度との変更点、実務の見直しに留意すべき点などについて解説いただきました。
続く、日立ソリューションズからは、電子帳簿保存法対応をはじめとするペーパーレス化の取り組み方法を提案いたしました。
最後のパネルディスカッションでは、国税庁が公開している「令和3年度版電子帳簿保存法Q&A(一問一答)」の解説も含め、参加者からのご質問を徹底解説。リアルタイムアンケートも同時に実施しました。

開催概要

日時 2021年8月23日(月)14:00~15:35
会場 Webセミナー
主催 株式会社日立ソリューションズ

【基調講演】
国税庁 OB 袖山氏が解説!令和3年度 電子帳簿 保存法改正後の電子化検討方法

袖山 喜久造
SKJ総合税理士事務所 所長 税理士
袖山 喜久造 氏
【講師プロフィール】

税理士・SKJ総合税理士事務所所長。中央大学商学部会計学科卒業。平成元年東京国税局に国税専門官として採用。都内税務署勤務後、国税庁、国税局調査部において大規模法人の法人税等調査事務等に従事。国税局調査部勤務時に電子帳簿保存法担当情報技術専門官として納税者指導、事務運営等に携わる。
平成 24 年 7 月に退職し、千代田区神田淡路町にSKJ総合税理士事務所を開業。税務コンサルティングのほか、企業の文書電子化コンサルティングを行っている。著書に「詳説 電子帳簿保存法 実務のポイント」(税務研究会出版局)など。

スキャナ保存や電子取引のデータ保存が改ざんされた場合は重加算税が付加

 基調講演では、令和3年度税制改正の電子帳簿保存法の概要について解説しました。今回の改正は、大きく5つのトピックに分かれていると袖山氏は列挙します。

 第1は、承認制度の廃止。電子帳簿保存法4 条で規定される国税関係帳簿書類の保存方法の特例について、これまでは電子保存開始する日の3ヵ月前までに所轄税務署長へ承認申請書を提出し、審査を受けた後に承認を得ないとデータ保存することができませんでしたが、この承認制度が廃止され、電子保存の準備ができ次第開始することができるようになりました。ただし、施行日は帳簿と書類では異なります。帳簿では令和4年1月1日以降開始する事業年度分から適用されるため、令和4年の12月決算から申請は不要となります。書類は令和4年1月1日以降保存を開始するデータからスキャナ保存の承認が廃止されます。なお、スキャナ保存は、令和4年1月1日以降に保存を開始するスキャナ保存から適用されます。
 第2は、罰則規定の強化。国税関係帳簿書類に係るデータ及び電子取引データを電帳法の要件に従った保存がされていない場合には、税法上保存義務がある帳簿書類として取り扱われないことになります。また、スキャナ保存や電子取引のデータ保存が改ざんして不正な経費計上などで税務申告した場合には、税務調査で仮装隠蔽とされれば重加算税が課税されます。通常の重加算税は追徴税額に対して35~45%が賦課されますが、データ改ざんの場合はさらに10%が加重に賦課されることになるなど罰則規定が強化されています。

確定申告書の提出までに電子帳簿保存法対応を完了しておくことが必要

 第3は、電子取引データの厳格な保存。これまでは、「所得税及び法人税の保存義務者が電子取引を行った場合には、データを保存しなければならない。ただし、これらのデータを出力することにより作成した書面を保存する場合はこの限りでない(書面保存があればデータ保存は不要)」となっていました。これが令和3年度改正では、「書面による保存」の記載が崎所され、所得税及び法人税の保存義務者が電子取引を行った場合は、電子取引に係る取引情報に関するデータを保存しなければならない(書面保存は不可)となりました。つまり、令和4年1月1日以降に行われる電子取引がデータで保存していない場合は、税務調査で指摘される可能性があり、進行事業年度の確定申告書を提出する頃までには、電子帳簿保存法対応をおおむね終了しておく必要があります。

 第4は、国税関係帳簿の要件の緩和。国税関係帳簿の作成及び保存の要件が緩和され、これまでの帳簿を作成するシステム側の要件を満たさなくても、システム等で作成された帳簿データを保存期間中きちんと見られる状態にしてダウンロードすることができれば、これらの帳簿についてデータで保存することができるようになりました。また、優良電子帳簿制度が導入され、税法で保存が必要とされる全ての帳簿を優良電子帳簿として備付け保存がされる場合には、事後の税務調査等による過少申告加算税が5%減免されるという改正がされています。優良電子帳簿では帳簿の作成システムの要件として、訂正・削除の履歴が残るシステムを使って帳簿のデータを作成したり、帳簿が作成されるシステム間において相互関連性が図られるようなシステム構成にしたりするなど、厳しい要件がありました。

 第5は、国税関係書類のスキャナ保存の要件緩和。スキャナ保存における機器とシステムの要件については、タイムスタンプによるデータの真正性が担保されているなどと同等の結果が得られるサーバで保存できる場合はタイムスタンプ付与に代えることが可能となりました。また、検索項目の要件も緩和され、「取引年月日」「取引金額」「取引先名称」の3項目に限定されるようになったほか、ダウンロードにより検索可能な場合は範囲指定や2項目以上の条件設定要件などの検索機能が不要となりました。

 それから、スキャナ保存の運用に関する要件では、変更点が主に3つあります。1つ目が、入力の期限。これまでの重要な書類の入力期限であった「速やかに(概ね7営業日以内)」、「業務サイクル後速やかに入力(約67日以内)」はそのままですが、「特に速やかに入力・自署(概ね3営業日以内)」という入力期限の要件は廃止されました。2つ目が、適正事務処理要件の廃止。令和3年度の改正では、「相互けん制体制(二人以上の体制で入力すること)」、「定期検査体制(第三者が定期的に検査を行って適正入力を確認し、検査後は原本廃棄可能)、「改善体制(不備が発覚した場合の報告・原因究明・再発防止の体制)」が廃止されました。3つ目は、申請書作成・提出が不要になったこと。これまでの、「所轄税務署に電帳法承認申請書を提出」、「申請期限は電子保存を開始する日の3ヵ月前」、「みなし承認後は電子保存開始」といった手続きが廃止されました。

クラウドを活用した取引書類授受とDXの検討も電子化の重要な要素

 次に、電子取引により取引情報を授受した場合のデータの保存義務について、電子化検討のポイントを解説しました。袖山氏は、「令和4年1月1日以降は電子取引データの書面による保存が廃止されたため、電子データについては必ずデータで保存することが義務付けられるようになりました。データで送ったもしくは受け取った書類などのデータを全て電子データで保存できる仕組みの導入が必要となります。また、電子取引情報だけではなく紙で受け取った請求書をスキャンしたデータもあわせて保存し一元的に管理できるシステムが電子帳簿保存法対応では重要です」と語ります。その1例として、日立ソリューションズの文書管理システム「活文 Report Manager」を紹介しました。活文 Report Managerはスキャナ保存や電子取引データを保存する場合の電帳法要件に対応し、なおかつ帳簿データも一緒に保存ができるため、スキャンした書類データや電子取引データを、その書類ごとに関連する帳簿のデータとの間で関連付けして保存することができます。

 また、袖山氏は「文書を保存するだけが電子化ではありません。本当の電子化のメリットを享受するには、取引相手との間で授受する書類のデータを社内でどのように処理をするかが重要です」と話します。従来は、紙で書類を作成や受領して、社内承認処理用の文書を作成・押印後に持ち回りで承認を受けていました。それがコロナ禍でもテレワーク対応を困難にした側面がありました。「社内業務処理をデータで行えるようにし、取引書類のデータ保存も可能なように電子ワークフローを導入すること。そして、電子ワークフローやシステムに登録する際の入力作業を、AI-OCR(人工知能を活用した光学文字認識技術)やRPA(ソフトウェアロボットによる業務プロセスの自動化)を活用して効率化を図っていくことが本来の電子化の目的です」と袖山氏はアドバイスします。

 さらに、クラウドを活用した取引書類授受とDX(デジタルトランスフォーメーション)の検討も電子化の重要な要素になります。ポイントとしては、クラウド上で授受されたデータを全て保存し電子帳簿保存法対応できること、保存期間中はクラウドで保存し自社サーバへのデータ移管も可能にすること、取引データの入力や処理において、送受信データを活用することなどがあるといいます。
 最後に袖山氏は、経費精算の業務フロー例や、授受方法ごとの請求書処理フロー例などを紹介し、基調講演を終了しました。

【日立ソリューションズセッション】
対応急務! 「電子取引情報」の紙保存が NG に
改正電子帳簿保存法の対応を機に、今こそペーパーレス化を推進

成田 丈夫
株式会社日立ソリューションズ スマートライフソリューション事業部
ビジネスコラボレーション本部 主任技師
成田 丈夫

残された時間で既存の業務環境やシステムをどのように活用するかを考える

 日立ソリューションズセッションでは、電子帳簿保存法の各保存種別(帳簿・書類、スキャナ保存、電子取引情報)のうち、要件が厳しくなり対応が急務となっている電子取引情報の保存について解説を進めました。

 今回の電子帳簿保存法改正の電子取引情報におけるポイントは、検索要件の緩和、受領後タイムスタンプ付与期間の緩和などがありますが、特に書面出力保存措置の廃止が注目されています。取引先からメールで受領した請求書のPDFファイルを印刷し、その紙をファイリングして保存するといった、現行の法律では普通に行われていた書面出力保存の運用が2022年1月1日以降は認められなくなります。

 しかし、残された時間で大幅なシステム改修や別のシステムに入れ替えるのは現実的とはいえません。既存の業務環境やシステムをどのように活用するかを考えるべきだという成田は、「電子帳簿保存法に関連する証跡の保管を、業務システムとは切り離し、独立した保管庫を活用する方法が有効です」と話します。この方法では、業務システム側は証跡の長期保管を意識することなく、柔軟に入れ替えやバージョンアップを行うことができます。また、新規に保管庫を用意する場合でも、PDFなどの証跡ファイルを無造作に保存するのではなく、既存業務で使用している基幹システム経由か、受領書類の処理する専用のワークフロー環境を経由して保管庫に格納する形態を提案しているといいます。「これらのシステムと連携して保管庫に受け渡すルートを構築することで、保存する証跡ファイルに付与が必要な検索属性を効率良く用意することができるメリットがあります」と成田は指摘します。

 また、電子取引情報の対象はバリエーションが多く、実際には対処方法がケース・バイ・ケースになっているといいます。そのため、日立ソリューションズではお客様とのヒアリング内容から課題ポイントを精査し、ポイントごとの解決策を探っています。例えば、書類を登録する際に属性情報を取得して入力するのが面倒といったお悩みには、AI-OCRで書面内から属性情報を自動抽出する方法を提案。また、Web EDI 上の取引画面から、注文・請求情報の読取や、証跡保存(画面キャプチャ・データのダウンロード)が大変という課題には、RPAを適用して情報エントリ作業や証跡保存手順を自動化する手法を提案しています。

初動の要件整理からシステム導入まで電子帳簿保存法適用をワンストップで支援

 成田は、「こうしたシステムを組むことも大切ですが、限られた時間の中で電子帳簿保存法対応の準備を完了させるためには、最初の工程となる、対象の整理、要件の整理、現状の整理、課題の整理が重要です」と指摘します。業務観点から整理するか、文書観点から整理するか、自社の状況や対象数の見通しで判断することが必要になります。自社で判断できない場合は、専門家の分析やコンサルタントの活用、法対応支援製品・サービスや関連ソリューションの積極活用も有効だといいます。

 日立ソリューションズの「電子帳簿保存法対応支援ソリューション」は、電子帳簿保存法対応の製品群や、それらを構築するSIサービス、コンサルティングメニューなどをベスト・オブ・ブリードで提供しています。公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)から認証された「活文」を保管庫としてコアに据え、お客様の業務やシステムと連携して、帳簿・書類・電子取引・スキャナ保存をまるごと保管する仕組みを軸に各種提案しています。また、コンサルティングの一部については、SKJコンサルティング合同会社 (業務執行社員・税理士 袖山 喜久造氏)と連携し、初動の要件整理からシステム導入まで、電子帳簿保存法適用をワンストップで支援しています。

 そこで成田は、「電子帳簿保存法対応の検討推進の目処がついたら、次はそれを足掛かりに、一般的な電子保存・ペーパーレスの対象を順次拡大していきましょう」と推奨します。活文はお客様の各種文書保管の基盤としてステップアップさせることも可能です。国税関係帳簿書類のみならず、その他の法定文書の保管、社内で使用されている帳票・伝票・業務規定・報告書・設計書・企画書などの一般書類と、業務プロセスで発生したビジネスコンテンツ全般の保管と活用の運用範囲を広げることも可能にします。

 最後に成田は、「電子化・ペーパーレス化推進の目的は、“紙との共存”から、“業務コミュニケーションのデジタル化”へ対応をつなげていくことに他なりません。今後のDX戦略においてもペーパーレス化は必須です。その範囲を拡大することにより、業務環境の電子化を確実に推進していきましょう」と語りかけ、セッションを締めくくりました。

【パネルディスカッション】
電子帳簿保存法 Q&A (一問一答)を読み解く

●SKJ総合税理士事務所 所長 税理士
袖山 喜久造 氏

●株式会社日立ソリューションズ スマートライフソリューション事業部
ビジネスコラボレーション本部 主任技師 成田 丈夫

電子取引情報の保存の対応について「対応済み」は2%、「対応・検討中」が71%

 

 パネルディスカッションでは、国税庁が公開している「電子帳簿保存法Q&A(一問一答)」や、セミナーの申込時に皆様からお寄せ頂いた質問に対し、袖山氏と成田が答える形で令和3年度の税制改正についての理解を深めました。また、今回はリアルタイムアンケート機能を活用し、参加者のご意見も随時可視化していきました。

 冒頭で、さっそくリアルタイムアンケートを実施。1問目は、「令和4年1月1日以降の取引で授受した電子取引情報の保管方法に関する改正内容についてご存じでしたか?」という設問です。それに対する参加者からの投票は、「知っていた」(48%)、「聞いたことはある」(34%)、「知らなかった」(18%)という結果となりました。

 続く2問目は、「令和4年1月1日以降の『電子取引情報』の保存の対応について、検討状況はいかがでしょうか?」という内容。結果は、「対応済み」(2%)、「対応・検討中」(71%)、「対応予定なし」(2%)、「分からない」(25%)、「あきらめた」(1%)となりました。

電子帳簿保存法が未対応でもデータ保存はしておくべき理由とは

 次に、電子帳簿保存法Q&A(一問一答)に関する解説が行われました。【問12】「妻と2人で事業を営んでいる個人事業主です。取引の相手方から電子メールにPDFの請求書が添付されて送付されてきました。一般的なパソコンを使用しており、プリンタも持っていますが、特別な請求書等保存ソフトは使用していません。どのように保存しておけばよいですか」という問いに対し、成田は、「請求書保存ソフトウェアを使用していない場合の対応例として、PDFのファイル名に日付や取引先名などの属性を付けたり、Excelなどの簡易的な台帳で管理したりする方法が示されています」と説明します。

 また、【問31】「電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存に当たり、検索機能で注意すべき点はありますか」という質問について、成田は回答例に疑問を呈します。「回答には、税務職員による質問検査権に基づくダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には一部の検索要件が不要になるといった内容が書かれていますが、特にシステムを導入しなくても電子帳簿保存法対応が可能だという誤った認識を持たれるのではないかと少し危惧しています」と成田は懸念を示します。袖山氏も、「今回の電子帳簿保存法改正には、中堅・中小企業の電子化も促進するという目的があり、紙の書類と同程度にデータ保存がされていれば対応可能という内容も書かれています。ただし、中堅・中小企業でも取引件数が多い場合は、きちんと検索できるようにしておかないと税務調査対応も難しくなります。それも考慮してシステム導入を進めることが必要です」と指摘します。

 さらに、【問42】「電子取引の取引情報に係る電磁的記録について保存要件を満たして保存できないため、全て書面等に出力して保存していますが、これでは保存義務を果たしていることにはならないため青色申告の承認が取り消されてしまうのでしょうか。また、その電磁的記録や書面等は税務調査においてどのように取り扱われるのでしょうか」という質問に対して、袖山氏は、「単に電子帳簿保存法対応ができていないだけの理由で、青色申告の承認が取り消されることはなく、他の要因も総合勘案して適用を判断するとしています。電子帳簿保存法対応がされていなくても、データ保存がされていれば、少なくとも取引の内容は確認できるので、ほかの要因がなければ経費の否認はされないでしょう。きちんと経費計上に関する審査プロセスは必要です」と述べます。成田も、「対応への時間も限られている中、日立ソリューションズでは電子取引情報を保管する環境そのものを月額制で提供するクラウドサービスの企画も進めています。詳細についてはお問い合わせください」と提案します。

ガバナンスを強化するならメールは控えてクラウドサービスに切り替える柔軟性も重要

 続いて、参加者からの質問がいくつか紹介されました。1つ目は、「スキャナ保存に関連して、令和4年1月の規制緩和によりクラウド系文書管理ソリューションの利用においては、タイムスタンプが必須要件ではなくなりましたが、オンプレミス系文書管理においては、状況が異なり、時刻を改ざんできない仕組みが前提条件になるようです。タイムサーバを導入することで条件をクリアできますか?」という内容です。それについて、袖山氏は「タイムスタンプ活用の目的には、取引書類などがその時点で存在していたという存在性証明や、その時点からデータが改ざんされていないという非改ざん性証明などがあります。今回タイムスタンプが廃止になったわけではなく、それと同様な結果が得られるサーバで保存している場合にはタイムスタンプの付与要件に代えることができます。オンプレミス環境でも同様です。ただし、オンプレミスサーバの時刻情報設定がNTPサーバ(ネットワーク上で現在時刻を配信するためのサーバ)と同期し変更できないこと、かつ、スキャナデータが保存された時刻情報がサーバの保存日時情報として確認できるなど、客観的にそのデータ保存の正確性を担保することが必要です」と説明します。

 2つ目の質問は、「法改正により、メールの添付ファイルにて請求書が送られてきた場合に、その電子データ(添付ファイル)には検索要件を満たした電子保存が求められるなど、規制が厳しくなっています。現行の日本企業が対応しようとすると負荷がかかり、実情として必須なのか気になります」という内容です。袖山氏は「メールは広く浸透し便利なツールですが、送受信者しか内容を把握できないため、内部統制の観点からは統制されたツールとは言い難い面があります。ガバナンスを強化した社内環境を作るのであれば、取引先とのメールによるやりとりは控え、クラウドサービスを利用するなど、考えを切り替えることもお勧めします」と答えます。

 3つ目の質問は、「紙を基本とした業務を継続しようと考えています。この場合に、令和3年度税制改正の電子帳簿保存法の影響を受けて変更せざるを得ないポイントはありますか?」という内容です。これについて、袖山氏は、「機械の処理になじまない業務もありますし、全ての社内業務を何が何でも電子する必要はありません。ただし、社内の処理を電子化すると、テレワーク対応や承認プロセスの適正性実現など大きなメリットがあります。今後日本が少子高齢化に進む事を踏まえると、現在の処理水準を維持するには電子化を進めるしか方法はなく、DX化が図れるようなデータの受け取り方や社内プロセスの作り方を検討する必要があるでしょう」と指摘します。

 最後に、袖山氏は、「電子化は電子帳簿保存法対応のためだけに取り組むのではありません。どのような目的で電子化するかによって、データの受領方法や活用方法が決まります。そのため、電子帳簿保存法に対応した文書の保管庫を決め、プロセスを検討していくという順番で電子化を進めれば効果が得られます。日立ソリューションズの活文シリーズなど、電子帳簿保存法対応に適したソリューションを活用することも有効でしょう」と語り、パネルディスカッションの結びとしました。

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