第26回 いま改めて事例から学ぶ!「データ活用 」の可能性と乗り越えるべき壁|Prowise Business Forum in KANSAI|株式会社日立ソリューションズ

株式会社 日立ソリューションズ

Prowise Business Forum in KANSAI 第26回

いま改めて事例から学ぶ!「データ活用 」の可能性と乗り越えるべき壁

 2019年7月4日(木)に「Prowise Business Forum in KANSAI 第26回」が大阪市北区の大阪新阪急ホテルで開催され、多くの方々にご参加いただき盛況のうちに終了しました。
 今回は基調講演に一般社団法人日本スポーツアナリスト協会の代表理事で、世界で初めてiPadを用いた情報分析システムを考案・導入した渡辺啓太氏をお迎えし、スポーツ界でのICT活用とデータ分析の実践例について語っていただきました。また、ウイングアーク1stセッションでは、同社のBI事業を牽引してきた島澤甲氏にご登壇いただき、データの収集・活用・共有に加えてそれを行動につなげるポイントをユニークな視点でご紹介いただきました。
 最後の日立ソリューションズセッションでは、自然言語処理AIを用いた「活文 知的情報マイニング」による業務文書からの情報発見や、問い合わせ対応業務の効率化などの活用事例をご紹介いたしました。

開催概要

日時 2019年7月4日(木)14:00~16:45(13:30受付開始)
会場 〒530-8310 大阪府大阪市北区芝田1-1-35
大阪新阪急ホテル 2階 花の間
主催(共催) ウイングアーク1st株式会社、株式会社日立ソリューションズ

【基調講演】
ICTを活用したスポーツ情報戦略

渡辺啓太氏
一般社団法人日本スポーツアナリスト協会
代表理事 渡辺 啓太 氏
【講師プロフィール】

「ITをスポーツに活用すること」を志して専修大学ネットワーク情報学部に入学し、独学でバレーボールのデータ分析を始め、在学中の2004年からバレーボール女子日本代表チームに抜擢される。卒業後は日本初の日本代表チーム専属アナリストを務める。世界で初めてiPadを用いた情報分析システムを考案・導入し2012年のロンドン五輪では28年ぶりとなる銅メダル獲得に貢献した。2014年には競技の枠組みを超えたスポーツアナリストの連携強化及び価値向上をめざして日本スポーツアナリスト協会を設立。現在は桐蔭横浜大学で日本初のスポーツアナリスト養成カリキュラムの構築に取り組みながら、バレーボール女子日本代表チームディレクターを務める。主な著作に『データを武器にする』(ダイヤモンド社)『なぜ全日本女子バレーは世界と互角に戦えるのか』(東邦出版2012)などがある。

 基調講演では、女子バレーボールを中心にスポーツ界におけるICTとデータ分析の取り組み事例について、数多くのケースが紹介された。

iPadを駆使する「IDバレー」で全日本女子バレーが復活

 渡辺氏は、2014年に競技の枠組みを超えたスポーツアナリストの連携強化および価値向上をめざして日本スポーツアナリスト協会(JSAA)を設立。長年全日本女子バレーボールチームのアナリストとして活躍し、現在もチームディレクターとして2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて鋭意準備中だ。

 スポーツアナリストとは、競技の試合中にデータを収集・分析して選手が有利に競技を進められるようサポートするデータ分析者のこと。試合経過は全てデータ化され、1試合で2000行にもおよぶコードを基にさまざまな分析を実施して戦術立案や試合管理に役立てるという。

 日本の女子バレーボールは1964年の東京五輪の際に正式種目となって以降、常に表彰台に立ち続ける強豪だったが、80年代から次第にメダル圏内から離れ、2000年のシドニーオリンピック最終予選で初めてオリンピック出場権を逃してからは低迷を続けた。

 一方、世界ではイタリアDATA PROJECT社のバレーボール分析ソフトウェア「データバレー」が普及し、有力チームでは複数のデータアナリストを大会に帯同するまでになっていた。日本でも2008年に真鍋政義氏が代表監督に就任すると、2010年からiPadでデータを駆使する「IDバレー」を取り入れるようになった。それを支援したのが渡辺氏だった。そこから全日本女子バレーは次第に復活し、2011年のワールドカップは4位、2012年のロンドン五輪では28年ぶりの銅メダルを獲得するなど調子を上げていった。

 渡辺氏がデータアナリストとして全日本女子バレーチームから伝えられたミッションは大きく2つあった。1つは日本代表チームを表彰台に上らせるためのデータ分析による支援と、もう1つは日本におけるスポーツデータアナリストの育成および価値向上だったという。

 「柔道やレスリング、バドミントン、卓球、バスケットボールなどさまざまな種目でデータアナリストが集まるようになったことから、スポーツアナリストやスポーツ分析という分野を今後どのように国内で発展させていくべきか考えるためにJSAAを立ち上げ、競技の垣根を超えて活動を始めました」と渡辺氏は振り返る。

 次世代の選手の育成や、競技運営、コンディショニング、ファン・メディア対応などにも貢献するため、ハイパフォーマンススポーツ領域(チームの強化)と、スポーツビジネス領域(収益を得るためのスポーツデータの活用)の2面でプラットフォームを構築。そこに蓄積した属性データをどのように活用し、集客につなげて発展させるのかを考える学生コンペティションなどもJSAAでは主催している。

データとICTをフルに活用し失点の少なさで世界をリード

 次に渡辺氏は、スポーツの現場でおこなわれているデータやテクノロジー活用の事例をいくつか紹介した。近年はスポーツもショーアップされ、TV放送やインターネットのストリーミングなどではデータをコンテンツとして視聴者に楽しんでもらう機会が増え、Webでは次の試合の展望や試合の振り返りなどがおこなわれている。また、サッカーやテニスなどではVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー。ビデオ判定を担当する副審判員)の導入が一般化している。10台ほどのビデオカメラが選手やボールの動きを自動的にトラッキングし、ボールがラインに着弾した直後にコンピュータがインかアウトかを判断する。審判や観客を納得させるため精密にグラフィック化しているのも特徴だという。

 バレーボールの世界では、2010年にiPadが発売されたことで、監督はリアルタイムにデータを閲覧し、選手のコンディション把握や戦略の見直しが容易になった。全日本女子バレーチームでは、2011年から選手全員にiPadを配布して、今日の自分のパフォーマンスや明日の対戦相手の情報などをワンストップで確認できるようにした。それにより、データに対する距離感が一気に縮まったという。

 また、前出の「データバレー」の進化版として、映像を撮ってサービスにアップロードすると、24時間以内にコード化してフィードバックしてくれるサービスなども出始めており、サーブ、レシーブ、トス、アタックまでが関連して可視化できるようになっている。さらに、相手チームのセッターの身体の構造を解析してトスを上げる癖を予測することができる取り組みなどもおこなわれている。

 外部からの情報伝達を禁止している競技も多い中で、バレーボールは情報伝達に関する規制やルールが比較的少なく、スポーツ情報戦略活動が展開しやすかったと渡辺氏はいう。バレーボールはアタックで攻撃するまでにレシーブやトスで守るという時間的猶予があり、戦術を組み立てやすく分析もしやすいという特徴がある。また、試合時間の8割はボールが動いていない(プレーが止まっている)。それを有効活用することで、日本は世界との差を縮めることができるという。

 「世界と日本では、高さとパワーに差があり、力技によるアタックやブロックで勝つのは難しい。しかし、データとICTをフルに活用することによって世界のトップレベルとも互角に戦えるところにもっていくのが日本」と渡辺氏は確信をもって話す。

選手に信頼されることがスポーツアナリストとしての条件

 一方で、選手を数字で評価することは難しいという。そのため適切な評価指標を用いて目標設定や基準値を明確にし、その目標への達成度を細かいサイクルでチェックすることがポイントとなる。スポーツ情報戦略の活動は、スポーツの現場で意思決定者が適切な判断や決断をするために情報を収集・加工・分析・評価して組織的に活用していくことだが、注意しなければならないのが、自分の経験や勘、信念によって解釈を誤ってしまうことだという。

 「データを受け取った時に自分の予想とは異なる数値だった場合、サンクコストバイアス(投資した埋没費用を切り捨てられずに生じる誤った判断)や、現状維持バイアス(変化よりも現状維持を望む心理作用)が働いていないかを常にチェックし、ゼロベースで立ち返ることが重要です」と渡辺氏はアドバイスする。

 また、いくら長時間分析してもフィールドで選手がそのデータを活かしてくれなければ意味がない。分析結果を伝えるだけではなく、それを選手が噛み砕いて吸収してくれるよう、ディスカッションしたり、選手自ら分析したりすることが必要だ。そのためには、スポーツアナリストもスタッフの一員となり、遠征先までチームの荷物を運ぶなど、小さな貢献を積み重ね、選手たちに最も近い位置でサポートしているという信頼関係を構築することも重要だという。

 最後に渡辺氏は、2012年8月11日におこなわれたロンドン五輪の日本対韓国の3位決定戦で、1984年ロサンゼルス大会の『銅』以来、28年ぶりのメダルを獲得した時の話を披露し、「表彰式の後、選手たちは私たちスタッフにもメダルをかけ、その瞬間の喜びを分かち合ってくれたのです。データやテクノロジーは冷徹で、それだけでは人を変えることは難しいかもしれませんが、選手一人ひとりに対しフィードバックをして成長を助け、選手との信頼関係を作っていけば、心を動かすことは十分に可能だと考えています」と語り、基調講演のまとめとした。

【ウイングアーク1stセッション】
データを価値あるものへ。
~IoTの効果的な活用が、人の意思決定と未来のアクションを変える!~

島澤甲氏

ウイングアーク1st株式会社
執行役員CTO 島澤 甲 氏

 ウイングアーク1stセッションでは、データの重要性やデータの価値化、データを効率的にデリバリーする方法などを、同社のソリューションを用いたデモストレーションでわかりやすく解説した。

課題を解決するためには目的を持ってデータを扱うことが重要

 島澤氏はウイングアーク1stでBIダッシュボード「MotionBoard」や、集計データベース「Dr.Sum」の開発総指揮を務め、現在はCTOとして技術部門全体の責任者として日々活躍している。

 ウイングアーク1stは、データ活用のソフトウェア製品を中心に開発している企業で、帳票やセルフサービスBIの分野ではトップクラスのシェアを誇る。また、同社の企業理念は「The Data Empowerment Company」というものだが、Data Empowermentとはデータの価値を最大化し、ビジネスにイノベーションを起こすことで世の中を変革させ、新しい未来を作っていくという考え方に基づいている。

 データにはさまざまなものが存在します。当社はデータの力を何らかの形で数式化したいと考えており、今回は3つのキーワードを示しながらセッションを進めたいと思います」と島澤氏は語る。

 キーワードの1つ目は、「データそのもの重要性」。課題とデータの関係には、1)課題を解決するためにデータを必要とする方法と、2)データから課題を解決する方法の2つのアプローチがあると島澤氏はいう。「この中では、課題から始めるのが目的も明確で分かりやすい反面、データから何かを導き出すのは難しいといえるでしょう」。

 そのため、データは目的を持って扱うことが非常に重要だという。例えばIoTなどは課題と目的とが結びつきやすいテーマだ。ウイングアーク1stでは、CSRにおける障がい者雇用の拡大と人材活用のため、農園「わくわくファーム」を運営し、入社した8名の社員の自立と社会参加を応援する障がい者農業支援をおこなっている。そこでは、IoT技術やデータ活用のノウハウを応用し、島澤氏が開発したソフトウェアによって「農園×Data Empowerment」による実証実験を進めている。MotionBoard上で圃場のライブ映像のほか、ハウス内の温度、湿度、土壌温度、土壌pH、気圧、明るさなどを管理している。

 「MotionBoardにデータが蓄積し、作物ごとに過去のデータに遡って生育の仮説を立て、事実に基づいたアクションがとれるのはIoTならではのメリットで、それは農業にとって非常に重要なことです」と島澤氏は説明する。

人間が扱うには細かすぎるIoTデータは加工することで価値化を実現

 2つ目のキーワードは、「データの価値化」。センサーデータは紙とは反対にコンピュータと相性は良いものの、人には分かりづらい情報となっている。また最近はIoTでもデータ量が膨大なソリューションも増えている。例えば工作機械のコンマミリ単位のデータなどは人間が扱うには細かすぎるため、扱いやすいように加工することが必要となる。

 その解決策として紹介されたのが、ゴルフにセンサーデータを活用することを想定したデモだ。島澤氏自身がドライバーヘッドを加工してIoTセンサー(3軸加速度、ジャイロ、地磁気、温度・湿度など)を埋め込んだゴルフクラブを用い、それを遠隔地でスイングする。取得したデータはDr.Sumに連携させて、MotionBoardに可視化するという非常に凝った内容を披露した。各センサーからは合計1000個ほどのデータが送信されたが、それを集約して人が扱いやすい状態にして可視化している。取得した膨大なデータをDr.Sumが補完して精査した状態にしているが、その複雑な処理をシンプルなシステム構成で実現しているのがポイントだ。

データは可視化するだけではなく効率的に人にデリバリーできなければならない

 続く、3つ目のキーワードは、「動いた人数」。データをダッシュボードで可視化しても、それを逐一確認しなければならないのではBIに拘束されているようで効率が悪い。「データは可視化するだけではなく効率的に人にデリバリーすることが重要です」と島澤氏はいう。ウイングアーク1stではさまざまなビジネス上のイベントをチームに連携させ、チームはその内容を見て意思決定するシステムを来年リリース予定だという。それによりアクションが生まれる。アクションが自動化できれば効率化がアップする。これをプログラミングレスで実現するというわけだ。

 「業務は日々変化するため、組み替えやすさも重要です。数千万をかけた自動化の仕組みは簡単に廃棄することは難しい。そのため当社がコーディングレスの環境を提供することで、お客様の自動化を支援します。お客様は意思決定に集中できるようになり、生産性はより大きく伸びるはずです」と島澤氏は説明する。

 それをモデル化したデモもおこなった。島澤氏は自宅の猫におやつを自動で与えるシステムを考案。チューブ式おやつが8つ実装でき、チューブを切断するカッターや、半液状のエサを絞り出すアーム、使用済みチューブの回収箱などが装備されている。猫の位置検出用センサーや監視カメラも装備され、猫が来たらレーザーとカメラで測位し、猫の状態をディープラーニングで把握。条件が整えば自動でおやつを与えることができるというものだ。

 それを使ったデモでは、ビジネス向けに用意した「猫給餌許可証」を読み取り、チャットで決定権者(島澤氏)が意思決定したら、チューブ式おやつ1本が装填されるというビジネスプロセスに沿って実施された。結果は大成功だった。

 最後に島澤氏は、「ウイングアーク1stという会社は、このようにどのようなプロセスでも自動化できる可能性をもった、パワーのある企業であると覚えていただければ嬉しく思います」と語りセッションのまとめとした。

【日立ソリューションズセッション】
自然言語処理AIを用いた活文によるデータ利活用事例紹介
~現場部門、品質保証部門などでのテキスト情報活用~

今井孝洋

株式会社日立ソリューションズ
AI・デジタルソリューション部 グループマネージャ 今井孝洋

 日立ソリューションズセッションでは、自然言語処理AIを用いた「活文 知的情報マイニング」の特徴と、それを活用したいくつかの事例を紹介した。

AIは目的とKPIが明確で学習データが揃っていれば業務適用しやすい

 2017年にリリースした「活文 知的情報マイニング」は、2018年の1年間で約20社のお客様にPoC(概念実証)を実施した。

 「その約8割が製造業のお客様で、技術文書からノウハウを引き出したいと希望する設計・製造業のほか、不具合やクレームの傾向を分析したいという品質保証部門や、問い合わせ内容の傾向分析と対策をおこないたい社内業務などの用途も上位を占めました」と今井は語る。

 製造業の経営視点での業務課題は、QCD(品質・コスト・デリバリー)の向上や、フロントローディング(初期段階での品質作り込み)による市場投入のリードタイム短縮、設計(ECM)~生産(SCM)にまたがる標準化の推進などが多い。だが、最近は労働時間短縮(働き方改革)や、ベテランから若手への技術トランスファー機会の減少、コンプライアンスに関する問題(検査データ改ざん、無資格検査など)などの背景があるという。  そこには従来の設計・生産管理ツールでは解決できないような、短時間での大量の判定や、ベテランに代わるアドバイザーの必要性、品質判定の属人化の排除などで、AIへの期待が高まっているという。

 「昨年PoCを実施したお客様での中で、実際に業務適用に移行されたのは品質保証の分野が多かったのですが、技術文書からのノウハウ抽出については効果が計りづらく業務適用に進んだ企業は少ない傾向がありました」と今井は述べる。目的とKPIが明確で、学習データが揃っていれば、比較的短期間に業務適用へ移行しやすいという。

大量のテキスト情報から必要な情報を自動収集する「活文 知的情報マイニング」

 日立ソリューションズの活文シリーズは、トップクラスのシェアの電子帳票や企業間情報共有、世界50ヶ国で利用されている大容量高速ファイル転送、2000社超の実績を誇る文書管理など、トップレベルのコンテンツ管理関連商材をお客様のニーズに合わせて開発・提供している。

 中でも「活文 知的情報マイニング」は、Webやファイルサーバーなどにある大量のテキスト情報(集合知)に対して、必要な情報を効率よく自動収集するのが特徴だ。AIを用いることで、人手では処理できない大量の情報からでもキーワードや関連性をマッピングして学習し、検索・分類での情報マイニングによって有用な情報の発見や新たな気付きを促進する。事前のデータ整備や類語辞書の定義やメンテナンスが不要なほか、難しい検索・分析スキルも不要。また、RESTful API(分散型システムを連携させるRESTの原則で実装されているWebシステムのHTTPでの呼び出しインターフェース)で提供しているため、お客様の既存のシステムへの組み込みや連携が可能だ。

自然言語処理系AIを適用するには事前に十分なデータ量を準備すること

 続いて今井は、「活文 知的情報マイニング」の活用例をテーマ別にいくつか紹介した。

 活用例の第1のテーマは「関連文書の高度検索」。ある建設会社では建設工事の受注活動に時間がかかり、過去の提案事例も活用していなかった上に、提案内容も属人化しており、若手社員が必要な情報にリーチできないことが課題だった。「活文 知的情報マイニング」を導入し、過去の提案書を学習させることで、若手社員が要件を入力するだけで必要な情報を入手しやすくなったほか、提案書だけではなくインターネット経由での情報収集も容易になったという。

 活用例の第2は「FAQ回答のレコメンド」。ある企業の情報システム部門では、社内で利用しているITインフラに関する問い合わせに対応する業務をおこなっているが、同じような問合せが何度も寄せられ、かなりの工数がかかっていた。また、対応する担当者の入れ替わりが激しいため、応対品質もバラバラな状態だったという。「活文 知的情報マイニング」の対応履歴FAQを活用することで、過去の類似する応対履歴を経験の浅い担当者に70%以上もレコメンドできるようになった。

 活用例の第3は「傾向分析(トピック抽出)」。別のある企業の情報システム部門では、会員向けに提供しているサービスの保守・運用業務において、年間約2万件も発生する問い合わせの内容を分析し、サービスの改善を図りたいと考えていたが、問い合わせ件数が多すぎて分析に時間がかかることが懸案となっていた。「活文 知的情報マイニング」では大量の問い合わせ履歴をAIが傾向分析し、短時間で把握できるため、2万件の問い合わせの中からわずか10分ほどでトピックを抽出することが可能になったという。

 活用例の第4は「自動カテゴライズ」。ある企業の品質管理部門ではソフトウェアプログラムの品質分析業務をおこなっている。開発担当者が入力した判定結果を元に分析しているが、担当者のスキルにより判定結果にバラつきがあるほか、スキルを持った品質保証部の担当者がチェックしているものの件数が多く、かなりの工数が掛かっていた。「活文 知的情報マイニング」を導入することで、過去の判定結果を自動で学習・カテゴライズし、正しい判定結果を予測できるようになった。担当者は差異がある分類結果の故障票をチェックするだけになり、品質分析の精度を一定に保ちつつ、品質分析業務の工数が大幅に削減したという。

 最後に今井は、「自然言語処理系のAIを適用するにあたっては、解決したい課題を明確にすることが重要です。また、確立論的に誤りが許容される業務や、大量の学習データを高速に安定して処理する必要がある業務に適用することが望ましく、それには事前に十分なデータ量を準備しておくことが必要となります」とポイントをアドバイスし、セッションを終了した。

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