講演レポート:第73回「慶應義塾大学の夏野剛氏が語る!ビッグデータで変貌する社会に生き残る日本企業の未来 」 |システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。
ビッグデータから従来にない価値を生み出し、マーケティング活動の強化や競合他社が追随できない新規事業の創出などをする企業が相次いでいます。ビッグデータの活用により競争優位を築いた企業が勝ち残る時代になりつつあり、まさにデータが競争力の源泉になると言えるのではないでしょうか。しかし、そのような変化の中でもデータをどう活用すればいいのか分からないという声が多くあります。そして、様々な活用方法が模索されている反面、本来の目的を見失い成果に結びつかない事例も多くあります。本フォーラムでは、改めてビッグデータから価値を生み出すための本質を捉え直すという観点で議論を進めました。
基調講演には慶應義塾大学の夏野剛氏をお招きし、ビッグデータにより変貌する社会を概観し、変わるべき企業の姿についてご講演いただきました。また、日立ソリューションズからは、ビッグデータ分析の根底の課題でもあるデータの集積方法から着目し、真に価値を生み出す分析方法を考察しました。
そして今回は特別講演として、世界90ヶ国以上、6,400社のビッグデータビジネスの実績を持つSplunk社から、IT運用の現場で活用されているビッグデータの事例についてご紹介いただきました。
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ビッグデータで変貌する社会
~企業はどう変わるべきか~
慶應義塾大学大学院
政策・メディア研究科
特別招聘教授 夏野 剛 氏
講師プロフィール
1988年早稲田大学卒、東京ガス入社。95年ペンシルベニア大学経営大学院(ウォートンスクール)卒。ベンチャー企業副社長を経て、97年NTTドコモへ入社。99年に「iモード」、その後「おサイフケータイ」などの多くのサービスを立ち上げた。2005年執行役員、08年にドコモ退社。現在は慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特別招聘教授のほか、ドワンゴ、セガサミーホールディングス、ぴあ、トランスコスモス、グリー、トレンダーズなど複数の取締役を兼任。特別招聘教授を務める慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科では「ネットワーク産業論」をテーマに講義する。2001年ビジネスウィーク誌にて世界のeビジネスリーダー25人の一人に選ばれる。著書「ケータイの未来」「夏野流 脱ガラパゴスの思考法」「iPhone vs.アンドロイド」「なぜ大企業が突然つぶれるのか」「ビジョンがあればプランはいらない」等多数。
基調講演では、夏野氏が変貌する社会構造と必要となるITのあり方について考察した。
ビッグデータという言葉が登場した背景には、コンピュータが大容量データの高速処理を可能にしたことや、計測機器の性能が向上し安価になったこと、世の中に普及したスマートデバイスからデータが収集されるようになったことなどが、この5年の間に同時に起こってきた変化があるという夏野氏。
「ネットワークやインターネット、スマホなどからさまざまなデータが収集できるようになった現在、意図を持ってデータを収集しているのではなく、特別な調査手段を用いなくてもデータが集まるようになったことがビッグデータの特徴だ」と語る。
15年前の1999年頃は、職場で一人1台もパソコンはなかった。iモードが登場したのが1999年2月で、それまでは携帯電話でメールは使えなかった。その後、携帯メールがコミュニケーションの主流となり、同時にADSLの普及によってPCでのインターネット利用が急増してアプリケーション市場が活性化。航空券のインターネット予約やイーコマース、インターネットトレードなどもこの15年の間に普及した。
夏野氏は、この15年で3つのIT革命が起こったと定義する。
第1が「効率革命」。産業革命以来となる格段の効率化が起こっているという。コンピュータとインターネットで武装することで1人がこなせる仕事量は格段に増加し、ビジネスのフロントラインがネットへと展開した。また、1個850円の高級鶏卵がネットによって全国に販売できるようになった例を挙げ、リアル市場とネット市場が融合し、顧客接点の大変貌が起きていると指摘する。
第2は「検索革命」。大学の卒業論文はGoogleが登場した1998年以降に格段に品質が高まっているはずだという夏野氏。膨大な時間と労力をかけて文献を調べていた手法を検索エンジンがガラリと変えたように、個人の情報収集能力が飛躍的に拡大し、高度な情報が容易に入手できる研究開発プロセス革命が起こっているという。また、東日本大震災以降に原発技術に詳しい人が増えたことは、検索は"にわか専門家量産システム"ともいえるだろうという。
そして第3の革命が「ソーシャル革命」。日本企業が従来得意としてきた業務改善運動などは、個人の気づきや発見を共有・蓄積し、世代を超えて伝承するという膨大な作業を経て行われていたが、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアの登場によって個人の情報発信能力が飛躍的に拡大し、情報を一瞬にして拡散・共有できるようになった。それはまた社会運動につながるような大きな力を持つという。チュニジアを発端とする「アラブの春」などがその一例だ。
「3つのIT革命によって、関心とお金が集まる技術分野は一気に進化する世の中になった。それなのに5年前、10年前と同じビジネススタイルを企業は続けていないだろうか」と警告する夏野氏は、3つのIT革命がもたらしたものとして次のような変化を列挙する。
1つは「複雑系的知識ネットワークの現実化」。複雑系とは時間的に変化する力学によって予測不可能な混沌とした変動が現れる状況のこと。特定のスペックを持った人が集まり議論することで仮定した通りのアプトプットが導き出される要素分析的手法とは全く異なる発想で、衆知のアグリゲーションによる創発や、自己組織化の現実化を行うことが重要だという。「常にネットワークに接続され他者との関係性を維持している現代人は、常時複雑系の中に生きている」(夏野氏)
2つ目は「個人能力の最大化」。3つのIT革命によって個人が組織と同等の情報収集能力を持つようになったことから、個人能力の最大化を真剣に考えるべきだという。
「企業が成長を維持するためには、従来の『和』よりも『個』を重視し、他社がやっていないことに取り組むしかない。
それを経営層がリスクをとって許すのが企業にとってのイノベーションになる」と夏野氏は強調する。
100人の平均的な人材よりも1人のオタクが重要になる時代。オタクは24時間/365日興味のある分野に精力を費やす天才と同じであり、オタクを何人雇用しているかが組織力につながっているという。
3つ目は「多様性社会へ」。多様性は二乗、三乗と乗数的に多様性を呼び、相互的に依存していることから、情報を得るために収集するデータも膨大になる。ゆえにビッグデータが注目されているのだが、夏野氏は「ビッグデータで何かを導きだそうとするのは誤り。ビッグデータを持っているだけではイノベーションは生まれない。何らかの価値観や哲学、信念、仮説をビッグデータで検証するという使い方が正しい」と注意を促す。
こうした考察から、夏野氏はITによって社会システムは変化を強要されていくと論じる。組織体制はフラット化せざるを得ない構造となり、終身雇用、年功序列、新卒の一括採用なども無意味なものになって、個人力を最大化する組織が必要とされるようになるという。
また、平均値議論は意味を失い、平均が高いことよりも突き抜けた人材の活用や、多様性を前提とした教育システム、ゆとり教育の必要性が議論されるだろうと予測する。
さらに、リーダーの役割も変化すると指摘。個人の情報収集能力が拡大したことで、従来の利害調整型よりも進むべき方向を自分なりの哲学で判断する率先垂範型のマネジメントが求められている。そのために、ビッグデータ時代のリーダーの役割はより重く、より辛いものになっていくという。
「日本はこのように課題が多い国だが、一方で大きなポテンシャルを持っている」と夏野氏。1600兆円を超える個人金融資産を抱え、世界トップレベルのITインフラや教育水準、労働意欲を持ち、企業には上場企業だけで300兆円の内部留保、そして隠れた技術もある。
「語学能力の低さ、個性軽視、予定調和好き、どこか他人事でも許されるぬるい社会という甘えをリーダーから排除すれば、まだまだ伸びる余地はある。人口が減り始める2020年までに、後世に残るような効率革命を起こせるかが、今後の日本の50年を決める」と断言する夏野氏は、それまでにビジネスチャンスを掴むための全ての仮説をビッグデータで検証すべきで、残された時間は限られていると語り、基調講演を終了した。
経営戦略に活用すべきデータはどこにあるのか
~ソーシャルメディアにも存在しない真のデータを活用する方法とは~
株式会社日立ソリューションズ
プロダクト拡販推進部
主任技師 松本 匡孝
顧客ニーズを経営戦略に活かすためにデータをどのように入手し、経営戦略に活用することができるのかをテーマに、パートナーとのWin-Winの関係を構築することで顧客接点の情報を引き出し、経営戦略の策定に成功した事例を交えて紹介した。
「インターネットにはソーシャルメディアやウェブデータ、企業内にも業務データがあり、社会インフラにもセンサーデータなど、世の中にはさまざまなデータが存在する。こうしたデータを解析することでいろいろなことが見えてくる」と語る松本。
例えばiPhone5Sの評判を調べるには、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアを分析することが考えられる。ただし、データが膨大であり自社で収集するのは困難なため、ソーシャルメディア分析を専門としているベンダーのソーシャルメディア分析サービスを利用する方法を推奨する。時系列分析やポジネガ分析、共通語分析、影響力分析などが可能になる。
また、同じiPhone5Sでもキャリアが自社で販売しているiPhone5Sの不具合を調べるケースでは、テクニカルサイトへのアクセスログや問合せデータ、販売情報(POSデータ)、CRMなどの社内システム内のデータを元に分析するのが一般的だ。
では、キャンペーンを実施してリアルタイムに効果を測定するにはどうするか。フロントのソーシャルメディアを使ってキャンペーン情報を流し、アクセスログやPOSデータなどの社内情報とマッチングさせて分析する方法が考えられる。膨大なPOSデータも分散処理基盤の登場によって迅速に収集・分析が可能になってきた。
「ここで、損害保険会社のケースについて考えてみたい」という松本は、自動車保険の契約更新時に他社への切り替えを防ぐために自社の自動車保険商品の評判について調べた損害保険会社Aのケースを例示。A社はソーシャルメディアを検索し自社商品に関するユーザーの書き込みを収集したものの保険商品という特性から、インターネット上には自社商品に関する評判については少なく統計的に必要な情報量が足りない。そこで更新や営業を行っている代理店が持つ顧客接点情報に注目したという。
「しかし顧客接点の情報は代理店にあり、一般的には保険会社がアクセスすることができない。そこでこの保険会社は代理店にある顧客接点情報を取得し経営戦略に活用する方法を模索した」
その方法について、松本はさらに詳しく事例として紹介した。
前述のA社は他社との経営統合を機に、ユーザー30万人を管理する代理店(7万社)を含めた全社システムの更改を実施。それにより、代理店とのコミュニケーション強化による顧客接点情報の共有と顧客ニーズへの対応、さらには代理店が使いやすいシステムの提供により代理店業務の生産性向上に貢献。また、最新システムの導入による将来の拡張性やデータの戦略的活用などを実現することを目的とした。
そこでA社は日立ソリューションズのエンタープライズソーシャル「InWeave」(インウィーブ)を活用し、代理店ごとにアクセス権を設定したクローズドなコミュニティを構築してネット上での営業情報の共有を行うとともに、全代理店共通のコミュニティも作って共通的なサポートを実施。全代理店の問合せ履歴収集・分析して、最適な情報を提供できる仕組みを実現した。代理店側は便利だと考えて利用が進めば、情報が蓄積してさらにナレッジとして活用できるようになるといった好循環が成立しているという。
また、もう1つの事例も紹介した。入院患者の満足度を向上したいと考える病院Bは、医師と看護師および看護師間のコミュニケーション不足により増加している医療事故の防止と医療の高品質化が課題となっていた。しかし、電子カルテの普及によって情報が一元管理されたことが、かえって患者の全体像を把握することを疎かにした。特にスマホ世代の医師・看護師は患者との対話や他の医師・看護師とのコミュニケーションの必要性を感じていない傾向が明らかになったという。
入院患者の気持ちは、患者と日々接する医療スタッフが知っていると考えたB病院は、属人化して収集することが難しい患者のケア情報を可視化し、経営戦略に活用するためにInWeaveを導入。患者個人ごとにコミュニティを作成し、院内の医療スタッフにアクセス権を設定したクローズドな「看護日誌」として相談や情報提供、アドバイスを書き込む環境を構築した。また、蓄積したナレッジはタグやレコメンド機能により効率的に検索・活用できる仕組みを利用。そして蓄積した患者のケア情報を分析することで、患者ごとの特性の把握や、疾患のステージ別に患者が陥りやすい傾向、有益なケア方法等を解明し看護マニュアルの作成に役立てている。
また、日立ソリューションズでは脳科学に着目し、新たなソリューションの開発につなげようとしている。人には利き腕があるように「利き脳」が存在し、大脳新皮質の左右半球と辺縁系の左右半球の合計4つで脳優位性の型により思考パターンが異なるという。脳優位性を判別するには、専門会社による全従業員への思考特性調査を実施する必要があり、膨大なアンケート項目への回答など従業員への負荷も大きく、日本企業の多くは脳優位性の考え方を取り入れていない。
そこで、メールやファイルサーバ、文書管理システム、エンタープライズソーシャルなどの社内コミュニケーションデータを抜き出し、ビッグデータとして分析することで、従業員ごとに脳優位性を判別し、組織/チーム内のコミュニケーション頻度や親密度、情報流通のキーマンの特定、問題解決スピードなどを解析し、見えた課題をITにより解決する方法を検討しているという。
松本は、その脳優位性に対応するITのキーワードとソリューションを紹介した。
セキュリティについては「秘文」が対応。情報の持ち出しを管理し、ルールに基づいた適正な情報活用を支援する。
また、組織マネジメントや人材管理に対しては「リシテア」を活用し、個人の能優位性を含めたスキルや従業員満足度などから分析して組織のパフォーマンスを可視化する。
最後に松本は、「ビッグデータは有効なデータを見出すために前処理が重要ということが一般的に言われているが、そもそも有効なデータはどこにあるのか、それをもう一度考えていただきたい。有効なデータは自社にあるとは限らないので、前処理の前に“前々処理”により 必要なデータを取得することがより重要な場合もあると私たちは考える」と語った。
IT運用とビッグデータの意外な関係とは
Splunk Services Japan合同会社
チャネルセールスマネージャ
須田 孝雄 氏
ビッグデータというバズワードが登場して以降、Webアクセス分析や売上傾向分析、システムのキャパシティプランニングなど、流通や小売を中心としたマーケティング分野でビッグデータの活用が広がりつつあり、情報をいかに分析してリアルタイムに決断できるかがIT運用の重要課題になっていると須田氏は話す。
基調講演では、オペレーショナルインテリジェンスプラットフォーム「Splunk」(スプランク)の概要と、国内外の企業事例を紹介した。
Splunkは科学的探究心をもって洞窟を探検するspelunking(スペランキング)を社名の由来とし、企業のデータセンターを検索する目的で2004年にアメリカ・サンフランシスコで設立した。世界90ヶ国以上、6,400社を超える導入実績を持つ。2013年に日本法人を設立し、国内では150社が利用している。
Splunkは、クラウドやアプリケーション、インフラ、仮想環境、サーバー、ストレージ、ネットワークなどが継続的に発生させるマシンデータ全般を収集・インデックスし、価値ある形に可視化するためのソフトウェアだ。
「Splunkは、ある目的のためにデータを前処理してデータベースに入れるという考え方ではなく、データを一切加工せずに取り込み、データがもつ価値を引き出す為に、独自の検索言語を使い、データに対して耳を傾け、仮説・検証を繰り返す事が出来る」と須田氏。統合ログ製品やサーチエンジンと比較されやすいが、似て異なるものという。
Splunkは、マシンデータを取り込んだ後に、時系列データベース(インデックスファイル)を作る。データを分散して保持する事が出来、一括検索が可能である。よって、1台のコモディティサーバからスモールスタートして、取り込む容量やSplunkを利用するユーザの増加に従いスケールアウトする事が可能である。
「インフラ全体を俯瞰してパフォーマンスの追跡やユーザのトレンド、キャパシティプランニングなどを見える化し、問題箇所を迅速に把握することでITからビジネスに至るまで、リアルタイムな洞察を提供する」(須田氏)
さらに、Splunkはオープンなプラットフォームで提供されており、開発フレームワークが充実している。特定のデータソースに対するダッシュボードテンプレートなど450種類ほど用意しており、一部を除き無償でダウンロードして活用することができるのが特徴だ。Splunkは1日に取り込むデータ量で課金する方式だが、500MBまでなら無償で使い続けることができるというユニークな面もある。
ここで須田氏は、いくつかの国内導入事例を紹介した。
国内でセミナーの予約サイトを運営する企業C社では、見込客管理システムのパフォーマンス劣化によるピンポイント解析や、利用客が感覚的に感じている不満を数値化して分析できていないことが課題となっていた。
C社では、テクニカルサポート部門と開発部門でSplunkを活用。Apacheアクセスログにレスポンスタイムを追加し出力、パフォーマンス対策と潜在的クレーム対応に利用することで、不満を数値化して機会損失を防止するとともに、非エンジニアによるテクニカルサポート業務がスムースに提供出来るようになったという。
また、独立行政法人 理化学研究所(以下、理化学研究所)では、スーパーコンピュータ「京」から出力される1日あたり数百GBもの膨大なログの効率的な管理や、システムごとのログ管理と横断的なログ管理の両立、効率的なログの蓄積と高速な検索、柔軟な分析機能の確立などが課題となっていた。
理化学研究所ではSplunkを活用し、システムの横断的なログ監視システムを構築。それにより高い操作性で検索が容易になり、ログを蓄積する場所を分散化して高速な一括検索が可能になったという。また、Splunkによって利用者の権限設定が容易になったほか、REST APIによるアプリ連携も可能になったという。
さらに、海外での導入事例も紹介された。
米国のプリプロダクション専用のパブリッククラウドベンダー、Cloudshareは、SplunkをIT運用や開発、営業、マーケティングなどの部門におけるビジネスデータの分析に利用している。顧客の訪問動向の分析や、無償から有償サービスへの移行時のマーケティングキャンペーンをSplunkで実施。顧客ごとのインフラコスト、利用状況を検索し、サポート/開発部門での早期問題解決に役立てているという。
総合セキュリティプロバイダーのベリサインは、Splunkをプロダクションシステムや開発テストの両方に利用。証明書の配信事業の障害状況を分析して、障害発生時の問題解析時間を90%削減したほか、アプリケーションのトラブルシューティング、性能の監視、サービスレベルの維持、レポーティングに応用している。また、大規模なテストではJavaのエラーやデータベースのエラーを早期発見してアプリケーションの開発サイクルを2倍に高めたなどDevOps環境での活用も顕著だ。
無線の基地局を提供するCricket Communicationsでは、Splunk導入によってシステム障害の発生を15%削減。年間120万ドルの収益を確保した。運用効率も大幅に改善され、人件費を年間10万ドル節約できたという。
その後、実際にSplunkを使ったデモストレーションが行われ、目的に応じたアクセスログの検索や、リアルタイムなトランザクションの可視化、トラブルシューティングなどをダッシュボード上で実演してみせた。
「インフラを監視・分析することによる収益の拡大や、ダウンタイムの削減によるシステム継続性の実現、コンプライアンスレポート作業の効率化によるコスト削減などの事例でSplunkが活用されるケースが多い」(須田氏)
また、Splunkはコミュニティが活性化しており、「Splunkデベロッパー」には毎週3000人を超える訪問者があり、「Splunk Apps & Answers」には2万8000以上の日本語を含むQ&Aがやりとりされているという。
「Splunkはデータを簡単に取り込み、検索する事で必要な情報までいち早くたどり着く事が出来るツールだ。簡単に使い始めることができるので日立ソリューションズのWebサイトからもダウンロードし、ぜひ使ってみてほしい」と提案し、須田氏は特別講演を終了した。
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