FutureStage 機械器具卸向け販売管理システムの導入事例
株式会社ミツハシ様精米、炊飯など米商品の卸売ビジネスを支える基幹業務システムにFutureStageを活用。
米穀の卸売をはじめ、炊いたご飯・酢飯の他、おにぎり、しゃり玉といった加工商品等の販売を手がける株式会社ミツハシ。同社は、約20年運用してきた基幹システムの老朽化による刷新に着手、新システムには日立ソリューションズのERPパッケージ「FutureStage」が採用されました。日立ソリューションズによる導入事例のご紹介です。

この事例に関するソリューション・商品
従来からの課題
レガシーシステムからのリプレースを機に基幹業務システムを刷新

酒井 勝史 氏
同社の基幹システムは、ホストコンピューターで約20年にわたり運用してきました。
「約5年前にリプレースの検討を開始しましたが、きっかけはシステムの改修、アプリ開発をはじめとする保守、運用にコストと時間がかかる点でした。業務アプリケーションの多くは内製されていましたが、開発当時を知る技術者もいなく、いわゆるスパゲティ状態で、各部門からの改修などの依頼も適切に管理、対応しきれていないという課題がありました。
今後の新たなサブシステムの開発、連携にも相当の時間と費用がかかることが懸念されたため、マスターの整備をしながら旧システムを引き続き活用することも検討したものの、費用対効果を精査した結果、基幹システムの刷新を決め、検討を開始しました」(酒井氏)
導入の経緯
パッケージの充実した標準機能と拡張性、業界に精通したSEの対応力が決め手

小林 克彦 氏
「日立ソリューションズとは、インフラ系、ネットワーク周辺の案件で約15年のつきあいがありました。開発ベンダー選定に際しては、基幹システムの経験値の高いベンダーに任せたいという点を重視し、大手の基幹システムを手がけた実績を重視しました」(酒井氏)
「システムの安定性、信頼性も考慮しました。システム刷新後は、業務を標準化するため、パッケージに業務を合わせることを念頭に置きました。もちろん、業務に合わせたカスタマイズはゼロではありませんが、『FutureStage』は充実した標準機能とカスタマイズの柔軟性を両立しており、周辺システムである伝票や帳票、実績データの抽出、BIなどとの連携も自在に行える点が決め手となりました」(山邉氏)
「SEの対応力も決め手となりました。要望に対する対応もスピーディで、スクラッチに近い機能要望に対しても、伝えきれないこちらの意図を柔軟に汲み取っていただき、安心してお任せできると感じました」(小林氏)
導入時の取り組み
連携するサブシステムの機能の作り込みに注力。カスタマイズにも柔軟に対応

大山 基樹 氏
新基幹システムに「FutureStage」が選定されたのが2013年8月。開発プロジェクトは2013年9月より開始し、2015年10月に本番稼働というスケジュールでした。
「注力したのは、サブシステムである統合EDI基盤や、工場の生産管理システム、そして帳票システムやBIシステムといった周辺システムとの連携部分です。とくに、統合EDI基盤との連携では、内製で開発したプログラムと、外部のパートナーに委託して開発してもらったプログラムを集約したので、小規模体制で開発を進める中で混在するプログラムを新しいやり方に統合、移行するのが大変でした。
基幹システム部分では、たとえば出荷指示書など、物流面での機能の作り込みに注力しました。炊飯事業ではお取引先様の商品によっては、注文から出荷までスピードが求められます。一般の販売管理のパッケージは、在庫から出荷を引き当てますので、時間単位の出荷に対応できません。
その点、炊飯商品については在庫がなくても帳票が出るよう柔軟に対応できるのが『FutureStage』の強みです。帳票の種類は取引先指定の帳票を含めると100種類ほどありましたが、帳票の開発には柔軟に対応していただきました」(大山氏)
「SEの方にレスポンスよく対応いただきました。スケジュール管理は特に重要視しましたが、朝礼、夕礼と密にコミュニケーションを取っていただき、その日のタスクと進捗確認をメンバー全員で可視化することができました。それでも紆余曲折ありましたがWBS(Work Breakdown Structure)に基づいたプロジェクトの進め方ができたのは日立ソリューションズだからこそだと思っています」(小林氏)
導入の効果
保守、管理の負荷軽減により保守要員の人員削減効果が。システム統合による業務改善も

山邉 恵一郎 氏
「導入後で大きく変わったのは、システムの保守要員が不要になったということです。旧システムの保守のために専任のプログラマーを4〜5名かかえていましたが、新システム導入後は、日立への保守契約に切り替えたことで運用費を圧縮することができました。また、それにより、情報企画課はシステム改修などに追われることなく、本来あるべき、システム活用などの企画系の仕事に時間を割くことができるようになりました」(山邉氏)
「これまでは、取引先ごとに受発注システムが構築され、伝票も取引先ごとに個別のプログラムが必要でした。これを、共通基盤を用いて『FutureStage』と連携し、システムの肥大化、ブラックボックス化を解消しました。また、これまでは事業ごとに販売管理システムが別々でした。それが同じシステムに統合され、受注、売上などのデータの取り出し、その後の活用がしやすくなりました」(大山氏)
「物流のコース作成も、ERP刷新により精米事業と炊飯事業で業務プロセスを統一しました。精米事業では受注のたびに取引先ごとにその日の配送コースを決めていたのですが、これを炊飯事業と同じように、あらかじめ社別に決まった配送コースで納品していくように変更したのです。これにより、毎日、受注のたびに紙で出力された納品指示書を集め、基幹システムにデータを入力してコースを設定するという作業がなくなりました」(山邉氏)
「稼働後の保守についても大変助かっています。印象的なのは、日曜日にサブシステムのマスター連携に不備があり、原料が投入できない状況になったときのことです。原料が投入できないと出荷できずに最悪の場合、欠品となってしまいます。工場から電話を受けたときに私は外出中で、日立ソリューションズの担当者も当然ながら事務所にいません。 そのときは、イレギュラーな対応という形で、SEの方にリモートからサポートいただき、私が持ち歩いていた環境で何とか対応することができました。24時間365日体制で動く工場の事業継続をサポートいただいているのはありがたいことです」(大山氏)
今後の展望
グループ全体で対応してくれる安心感、信頼感という強みを今後も発揮して欲しい
「さらなる業務効率化のために、ユーザー部門からITスキルのあるメンバーが集まって月1回ペースで業務改革に向けた話し合いを行っています。その中で出てきた課題を基幹システムと関連させ、どう実装していくかを検討しているところです。また、たとえばBIについても、実績抽出と可視化という部分では活用していますが、レポート機能として新たなアプリケーションの活用なども今後の検討課題と認識しています」(小林氏)
「プロジェクト全体を通じて、日立ソリューションズは、現場のSEのスキルが高いと感じています。開発のスキルだけでなく、顧客のやりたいことを汲み取ってシステムに実装していく力が高いと感じました」(大山氏)
「今回、基幹システムの刷新を担当していただき、これでインフラを含めて当社のシステムの大部分を担当していただいています。今後はより全体的な視点で、業務改善につながる提案を期待します」 (山邉氏)
「日立グループ全体での対応という安心感、強みを生かしていただきたいです。弊社を手がけていただいたことで、業界横断的な役割、たとえば、受発注システムのベストプラクティスなど、業界全体の業務効率につながるような提案にも期待しています」(酒井氏)

株式会社ミツハシ
1951年に三橋米店として開業したミツハシは、米穀の卸売のほか、業界トップレベルの炊飯事業の販売を手がけます。食の安全・安心を最も重要な経営課題と位置づけ、ハード、ソフト両面から“リスクゼロ”をめざして改善を重ねています。今後も「おいしい生活(くらし)、あなたと共に。」の経営理念のもと、刻々と変わるお客様のニーズを的確に捉え、社員自身がうれしいと思えるサービス、おいしいと思える商品をお客様に提供させて頂きたいと思います。
本社所在地 | 神奈川県横浜市金沢区幸浦2-25 | ![]() |
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設立 | 1951(昭和26)年10月1日 | |
従業員数 | 270名(2016年9月30日現在) | |
事業内容 | 米穀、炊飯・加工商品・輸入米の販売 | |
URL | http://www.3284rice.com |
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本事例の内容は2017年3月14日公開当時のものです。
最終更新日:2017年3月14日