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電子署名とは?
電子署名の基礎から使用するメリットについて解説!

電子証明書の基礎から使用するメリットについて解説!

昨今の働き方改革などによるテレワークの普及やペーパーレス化で、ビジネスの現場では、ハンコを必要とする紙文書での契約から、電子文書での契約に切り替える動きが活発になってきています。ここでは、電子文書での契約において重要なポイントとなる「電子署名」について、その基礎から解説します。

この記事の目次

電子署名とは

電子署名とは、電子文書での契約において、その文書が「作成者本人による正式なもの」であり、かつ、その内容が「改ざんされていないこと」を証明するための技術的措置です。
「電子署名=紙文書でのサインやハンコに相当するもの」と考えるとイメージがしやすいかもしれません。

なぜこれが必要になるかと言えば、紙文書と違い、電子文書には直接印を押したり、署名したりすることができないからです。そして、紙文書に比べて、電子文書は複製したり、書き換えたりといったことが容易にできてしまうからです。
電子文書も紙文書と同様に、ある契約においてトラブルが発生した際に、作成した本人によるウソ偽りのない文書であることを証明できなければ、その契約自体に法的な効力が認められないリスクがあります。

そこで問題になるのが、どのようにして「作成者本人によるもの」であることや「改ざんされていないこと」を証明するかということです。
具体的な技術については後述しますが、ここでは簡単に、その仕組みについてご説明します。

まず「作成者本人によるもの(本人性)」であることを証明する手段として使われるのが、電子証明書というものです。電子証明書は、認証局という信頼できる第三者機関が発行し、その持ち主が本人であることを証明するインターネット上における身分証明書のようなものです。「電子署名=ハンコ」だとすれば、「電子証明書=印鑑証明書のようなもの」と言えるでしょう。電子署名をした文書と電子証明書とをセットにすることによって、その電子署名が本人によるものであると証明することができるのです。

次に「改ざんされていないこと(非改ざん性)」を証明する手段として使われるのが、タイムスタンプという技術です。電子文書に対して電子的にスタンプを付すことで、その時間をデータとして記録します。これにより、スタンプが付された時間にその文書が確かに存在していたことと、その時間以降に内容が改ざんされていないことを証明できるのです。

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紙文書でのハンコによる署名と電子署名の違い

電子署名法について

電子署名という手段が技術的に確立されたとしても、法的な効力がなければ、ビジネスの現場ではほとんど価値ないと言っても過言ではありません。そこで、インターネットを通じた電子商取引に関わる法整備の一環として、2001年4月1日に施行されたのが、「電子署名及び認証業務に関する法律」(以下、電子署名法)です。

この電子署名法では、電子署名の法的な要件や有効性について定めています。 その中でも特に重要なポイントとなるのが、以下の第2条第1項と第3条です。

第二条 この法律において「電子署名」とは、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。
一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。
二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。

第三条 電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。

電子署名法第2条第1項、第3条

電子署名法第2条第1項では、電子署名の要件を定めています。
電子文書になされた技術的措置として、作成者本人による措置であることを示すためのものであり、かつ、改変が行われていないことを確認できるものを、同法上での電子署名として規定しています。
また、電子署名法第3条では、本人による電子署名が付された電子文書については、真正に成立したとみなすとされています。

このように電子署名は法律に基づいて、きちんとその法的な効力が認められているのです。

※海外企業との契約の場合、国際取引または相手国の法規制にも留意する必要があります。

電子印鑑との違い

電子印鑑とは、PDFなどの電子文書に押印するためのデジタル化された印影のことです。また、電子印鑑には大きく分けて2種類あります。1つ目が印影を画像データ化しただけのもの、2つ目が印影のデータ内に識別情報が含まれているものです。

前者は、実際の印影をスキャニングし、その画像の背景を透過させるだけで、比較的簡単に電子文書に貼り付けて使用することができるというメリットがあります。一方で、誰にでも簡単に複製ができてしまうため、無断使用されやすいというデメリットがあります。
後者は、その印鑑の持ち主や作成者、タイムスタンプ情報が組み込まれているため、セキュリティ面での信頼性が高いというメリットがあります。一方で、前者に比べると、作成のために有料のWebサービスやパソコンソフトを利用しなければならないというデメリットがあります。

電子署名と比較すると、印影を画像データ化しただけのものは、前述のとおり複製が容易にできるため、証拠能力において圧倒的な差があります。また、印影のデータ内に識別情報が含まれているものは、証拠能力が高く、電子署名に近い真正性を担保したものもありますが、作成時に利用したサービスやソフトによって違いはあります。

電子サインとの違い

電子サインとは、電子的に署名をするものだけでなく、契約の合意や本人確認の認証を電子上で行うプロセスを広く指し示す言葉です。
代表的な例としては、店頭でサービスを契約する際に、タブレット端末に表示された契約文書にタッチペンで署名をするものが挙げられますが、それ以外にも、メールや電話での認証や、指紋や声紋による生体認証も、電子サインに含まれています。

電子サインは、従来の紙文書にしていた手書きの署名の代わりとして利用されており、もちろん法的な効力はあります。しかし、そのためにはやはり、本人によるものであるかが確認できること、かつ、改ざんされていないことを証明できるものでなければなりません。

また、電子署名は、電子サインと混同されることが多い言葉ですが、厳密には違いがあります。
電子署名は、多様な電子サインの中でも電子署名法で認められているものを指す言葉であり、電子サインの一種なのです。
電子署名は、電子署名法によって厳格に要件が定められているため、それだけ真正性が高く、証拠能力が高いと言うことができます。

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電子署名の仕組み

前述のとおり、電子署名には「本人性」を証明するために電子証明書が必要であり、「非改ざん性」を証明するためにタイムスタンプが必要です。(なお、厳密には、電子証明書にも「非改ざん性」を証明できる側面がありますが、電子証明書だけではカバーできない部分があるため、ここではより強力なタイムスタンプが必要としています。)

ここからは、その仕組みを解説します。

まず、電子証明書についてです。
電子証明書では、「公開鍵暗号基盤(PKI)」と呼ばれる暗号技術を利用します。PKIでは、公開鍵と秘密鍵という2種類の鍵を用いるのですが、前提として、公開鍵と秘密鍵はいずれもデータを暗号化することができます。秘密鍵で暗号化したものは、対になる公開鍵でないと復号できません。そして、公開鍵は、他人に渡すことができますが、秘密鍵は本人のみが保有することができます。

  1. 電子文書を送信するAさんが、認証局に対して、電子証明書の発行を申請します。
  2. 認証局では本人確認を行ったうえで、公開鍵と公開鍵の持ち主の情報を含んだ電子証明書(公開鍵証明書)を発行します。
  3. Aさんは、自信が保有する秘密鍵で文書を暗号化し、公開鍵証明書とあわせてBさんに送ります。
  4. Bさんは、受け取った公開鍵証明書が正当なものであるかを発行元である認証局に確認します。
  5. 正当であると確認ができれば、その公開鍵で暗号化された文書を復号します。
    そして、復号できた場合には、その公開鍵の対になる秘密鍵は Aさん本人しか保有していないはずなので、暗号化したのは Aさん本人に間違いないということが確認できるのです。

次に、タイムスタンプについてです。
タイムスタンプの仕組みには、ハッシュ値が利用されています。ハッシュ値は、あるデータからハッシュ関数というアルゴリズムによって算出される値のことで、元になるデータ固有の値です。また、タイムスタンプは、信頼できる第三者の時刻認証局が発行しています。

  1. 電子文書の作成者であるAさんは、時刻認証局に電子文書のハッシュ値を送って、タイムスタンプを要求します。
  2. 時刻認証局は、送られてきたハッシュ値に時刻情報を結合させたタイムスタンプをAさんに発行します。
  3. Aさんは、電子文書と一緒にタイムスタンプを保管します。

改ざんされていないかどうかを検証する際には、検証したい電子文書のハッシュ値を算出し、それとタイムスタンプに結合されているハッシュ値を比較。その値が一致していれば、タイムスタンプを作成した時刻にその電子文書が存在していたことが証明でき、なおかつ、その時刻から改ざんされていないことが証明できるのです。

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電子署名の仕組み

なお、電子署名には、契約をしようとする本人が電子署名を付与する「当事者型」と、契約を行う当事者ではない第三者が、当事者の指示にもとづいて電子署名を付与する「立会人型」があります。

電子署名を導入するメリット

業務効率化が図れる

紙文書で契約する場合、押印のためにさまざまな事務作業が発生。文書を印刷し、封入し、切手を貼って、郵送するというように、細々した物理的な作業が必要で、時間もかかってしまいます。そして、相手方に押印してもらって、送り返してもらうとなると、さらに時間がかかります。
その一方、電子署名であれば、オンライン上でこれらの手続きが完結できるため、手間も時間もかからず、契約業務を円滑に進めることができます。

収入印紙代を削減できる

紙の契約書の中には、法律によって、収入印紙を貼り付けることを義務付けられているものがあります。請負契約や運送契約、不動産売買契約など、印紙代はその契約内容によって異なっており、1件につき200円のものもあれば、数十万円になることもあります。
その一方、電子署名を利用した電子契約では、収入印紙を貼り付ける必要がありません。1件あたりは少額だったとしても、何百件も契約が発生する業種の場合、これらの費用が削減できるのは大きなメリットと言えます。

書類の管理がしやすい

契約書には、法律で一定期間保管することを義務付けられているものがあります。紙文書の場合には、保管するために物理的なスペースが必要になります。
それに対して、電子署名を活用した電子文書であれば、データをサーバーなどに保存しておけるので、保管のためのスペース確保に悩む必要がありません。また、過去の文書が必要になった際、電子文書であれば、紙文書のように保管場所から一つひとつ探し出す手間もかかりません。

まとめ

電子署名は、その仕組みこそ複雑ですが、運用自体はそれほど難しいものではありません。そして、業務が円滑に進み、従来の紙文書でかかっていた費用や手間を削減できるなど、導入した場合のメリットは多数あります。
今後さらにテレワークが進み、さまざまな業務がオンラインで完結できる時代になっていきます。ペーパーレス化を進めるうえで、安全に契約業務を行いたい場合に、電子署名は非常に有効な手段であると言えるでしょう。

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※本記事は、2022年1月時点の情報を元に作成しています。
※本記事は、一般的な情報提供を目的としたものです。記事内の法律に関する情報については、短期間に法改正が行われる場合もあるため、当社は情報が最新のものであること、また、正確であることを保証することはできません。当社は本情報を使用したことにより生じる責任、損害を補償する義務を負いません。

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