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【挑む人】第23回 コチュ・オヤ「コミュニケーションに必要なのはロジックと共感力」

トルコ出身のコチュ・オヤ氏が会社を立ち上げ、画期的な遠隔通訳アプリ「Oyraa(オイラ)」のサービスを始めたのは3年前のことだ。現在の登録通訳者は950人に上り、個人から法人まで幅広いユーザーに活用されている。来日の経緯、通訳サービスに着目した理由、そしてコロナ禍に明らかになったコミュニケーションの本質について、コチュ氏が語った。

※本記事は2020年10月に掲載されたものです

マッチングプラットフォームをつくれば、多くの人を助けることができるのでは。

コチュ・オヤ(コチュ・オヤ)プロフィール

1986年トルコ生まれ。2006年に初来日。2013年、東京大学大学院工学系研究科を卒業後、ボストン コンサルティング グループに入社。17年、株式会社Oyraaを創業し、遠隔通訳サービスの提供を始める。英語、トルコ語、日本語に堪能。コチュが姓でオヤが名。

日本に住む外国人の数は2019年末時点でおよそ293万人。出身地は195カ国・地域に及ぶ。昨年(2019年)1年間に日本を訪れた外国人の数は3100万人を超えた。2020年に入り、新型コロナウイルスの影響で海外との往来は途絶えたが、コロナショックが去れば、再び多くの外国人が日本を訪れることになるだろう。

日本に住む外国人、日本を訪れる外国人にとっての大きな悩みは「言葉」である。簡単な日常会話ならAI通訳を使えば済むが、病院で医師に健康状態を伝える時、不動産契約で交渉が必要な時、あるいは不意の事故に遭った時などには、込み入った複雑な対話が必要になる。

その悩みは、日本人側のものでもある。外国人と賃貸契約を結ぶ際に、不動産会社のスタッフが説明に苦労する場面は珍しくないだろう。もちろん、日本人が外国を訪れた場合も、言葉の悩みに直面することになる。

問題は、そのような込み入ったコミュニケーションが必要とされる場面で使えるサービスやツールがなかったことだ。ボストン コンサルティング グループの日本オフィスで働いていたトルコ出身のコチュ・オヤ氏は、日本に住む外国人の友人とのやり取りの中で、そのことに気づいたという。

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「仕事の最中に、大学時代の友だちからよく電話がかかってきたんです。市役所の職員の話がよく分からない。病院で症状が伝えられずに困っている。そんな用件でした。日本語が話せる私を頼ってきたんですね」

どうしてこんな時に使える通訳サービスがないのだろうか。その疑問が新しいビジネスの発火点となった。

「調べてみると、通訳サービスはすべて法人向けのもので、使うには契約が必要でした。必要な時に手軽に使えるサービスは全くありませんでした。一方、通訳者側の事情を調査してみると、8割以上がフリーランスとして働いていることが分かったんです」

通訳を必要としている人と通訳ができる人。その両者を結びつけるマッチングプラットフォームをつくれば、多くの人を助けることができる──。その直感に従って、仕事をしながら半年ほどの間ビジネスプランを練り、アイデアに共鳴してくれたスイス人のビジネスパートナーと共に会社を立ち上げた。会社登記をスイスで行ったのは、日本語のできないパートナーが日本での手続きを不安に感じたからだ。「Oyraa」という社名は、創業者2人の名前を組み合わせた造語である。

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