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【SDGsでイノベーション サステナブルな新世界】第1回 食料のSDGsって、どういうこと?

SDGs

SDGs(エスディージーズ)という言葉がかなり浸透してきました。Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)を達成することはサステナブルな社会を実現するだけでなく、企業が成長する源泉となる次のイノベーションにもつながる。
そんな発想をする企業がずいぶんと増えてきました。SDGsによって、この先、世の中はどう変わっていくのか。若い3人のナビゲーターと一緒に、少し探ってみましょう。

いま世界にある食料の課題とは

サス, デベ, ゴー

サス:みなさん、はじめまして、サスです。これから私とデベとゴーの3人で「サステナブル勉強会」をはじめることにしました。略して「サス勉」。毎回さまざまなテーマのもと、SDGsについて考えていきたいと思います。

デベ:こんにちは。デベ・ロペスです。デベと呼んでください。アメリカのIT企業に勤めていて、3年前から日本で働いています。

ゴー:よろしくお願いします、ゴーです。実はSDGsのことはよくわからないのですが、この機会に勉強したいと思います。

サス:じゃあ早速はじめますね。最初のテーマは食料です。まずSDGsではどんなことが問題になっているのか、簡単にまとめてみます。SDGsには17の目標と169のターゲット(達成基準)があるのは知ってますよね。食料の問題は目標2の「飢餓をゼロに」を達成することが重要になります。

ゴー:「飢餓をゼロに」。なんだかザックリしてますね。

サス:そうですよね。SDGsの目標って、わかりやすく平易な言葉で表現されていて、逆にそれだけでは詳しい内容がわからないかも。補足の説明を見てみましょう。
「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。」
さらに、これだけじゃなかなか実行に結びつかないから、より細かくかみ砕いた達成目標、ターゲットがいくつか細かく設定されているんです。その中でも食料の問題については次の2つがポイントになりそうですね。

目標2「飢餓をゼロに」

[ターゲット]2.1
2030年までに、飢餓を撲滅し、全ての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。

[ターゲット]2.a
開発途上国、特に後発開発途上国における農業生産能力向上のために、国際協力の強化などを通じて、農村インフラ、農業研究・普及サービス、技術開発及び植物・家畜のジーン・バンクへの投資の拡大を図る。

※イメージ
※イメージ

サス:「飢餓をゼロに」って日本に住む私たちにはピンとこないけど、飢餓の問題は年々深刻化しているんです。2019年の発表で、世界の穀物生産量は毎年26億トン以上。実は在庫もあるから、世界のすべての人が十分に食べられるだけの食料が生産されているし、在庫もあるんです。なのに、国連食糧農業機関(FAO)の2018年の報告では、世界の総人口76億3100万人のうち、約9%にあたる8億2160万人が慢性的な栄養不足といわれているんです。9人に1人ってことね。人数ではアジアが5億1390万人と一番多く、人口に占める割合ではアフリカが19.9%と、もっとも切実といえます。

サス
世界の食料事情 穀物生産量の推移(2019)出典:国連食糧農業機構(FAO)https://www.hungerfree.net/hunger/food_world/
世界の食料事情 穀物生産量の推移(2019)
出典:国連食糧農業機構(FAO)
https://www.hungerfree.net/hunger/food_world/
穀物生産量 消費量の推移(2017)出典:国際連合食糧農業機構(FAO)https://worldfoodday-japan.net/world/
穀物生産量 消費量の推移(2017)
出典:国際連合食糧農業機構(FAO)
https://worldfoodday-japan.net/world/

飢餓をなくすカギはスマート農業

デベ
サス
ゴー
デベ

デベ:「飢餓をゼロに」という目標のなかで、イノベーションになるのは農業生産能力向上、いわゆるスマート農業ですね。英語ではSmart Agriculture(スマートアグリカルチャー)、AgriTech(アグリテック)、AgTech(アグテック)とかいわれていますね。ICTやロボット、AIやビッグデータを活用することで、生産能力をあげようという動きだけど、これはかなり進化してきたし、これから先、ますます重要になってくると思います。

サス

サス:私もそう思いますね。いまアフリカで農業ソリューションを必要とする農家は約3,300万人とされています。そのうちデジタル技術を活用している農家はまだ多くて3割といわれています。でも、IoTやAI、ブロックチェーンなどの活用を望む農家は6割を超えています。2030年までにはアフリカの2億人以上が農業へデジタルを活用すると予想されているんです。

ゴー

ゴー:確かにアフリカにスマート農業を導入できればよさそう。でも、いろいろハードルがあるかもね。テクノロジーには、どんなのがあるんですか?

※イメージ
※イメージ

デベ:代表的なものにしぼると、基本の技術はざっとこんな感じ。ドローン、衛星写真とセンサー、位相追跡、気象予報、自動灌漑、光と熱の制御、害虫および病気の予測、土壌管理、バイオテクノロジーとかでしょうか。

ゴー:なんだか、むずかしそうですね。

デベ:ところが、そうでもないんです。たとえば、ドローンを使った方法だと、光学センサー、距離センサー、GNSS(全地球航法衛星システム)が搭載された農業用ドローンで、畑、水田、果樹園など現場のデータを収集するわけです。これを農場の地形情報、生産履歴、気象データなどと組み合わせて、農作物などの育成に役立つ支援をタイムリーに行っていきます。
システムとしてはやや大がかりだけど、農家の人たちはスマートフォンさえあれば、次に何をするべきか、生育の状況はどうか、注意するべき点は何かなど的確なアドバイスを得られるんです。

サス:そのテクノロジーは開発途上国でも使えるのかしら。

※イメージ
※イメージ

デベ:もちろん。たとえば音楽のサブスクリプションって、どんな仕組みで動いてるかなんて気にしないでしょ。ただ自分の聞きたい音楽を選んで楽しむだけ。要はアプリの設計の問題なんですね。プラットフォームのことは気にせず、農家の人たちのカスタマーサクセス、つまりシステムを使うことで確実に生産性が上がるような成功体験を支援するアプリを提供することは、いまの時代でも十分に可能だし、将来はもっとカンタンな方法になっていくことでしょう。

ゴー:スマートフォンはアフリカでもかなり普及しているから実現できそうですね。ただ問題はコストかな。以前よりは安くなってはいるとは思うけれど、これだけのシステムを運用するには、組織的なバックアップが必要になりそうですね。

サス:そうですね。日本でもスマート農業の導入を検討している農家の多くがコスト負担の軽減を求めているようです。コストの支援はもちろんだけど、最初はIT人材の支援も必要かもしれませんね。

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