第4回 Red Hat JBoss BRMS 超入門


Red Hat JBoss Middleware

Red Hat2014/11/26 第4回 Red Hat JBoss BRMS超入門 企業の情報システムは、ビジネスニーズや市場の変化に迅速に対応できることが求められています。このような課題への解決策として注目されているビジネスルール基盤である、Red Hat JBoss BRMSについてご紹介します。
 

ビジネスルールとは

 企業活動においては「条件に従って、アクションを決定する」ということが日常的に行われています。例えば、経費精算では「申請金額が1万円以下ならば、部長が承認する」、保険商品の販売においては「20代、独身、男性ならば、〇〇保険、××保険、△△保険を提案する」のような条件とアクションの組み合わせがビジネスルールです。企業活動を遂行するために重要な要素となる ビジネスルールは、一度決定したら長期間変更されないものと、新サービスや商品の追加や法令の変更に準拠するように、短期間で変更されるものがあります。
 変化の多いビジネルスールを迅速かつ柔軟に情報システムで実現し、ビジネスに活用するためにBRMS (ビジネスルール管理システム)が注目されています。

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Red Hat JBoss BRMS 概要

Red Hat JBoss BRMSは、ビジネスルール管理システムとして、ルールエンジンとルールオーサリング機能を提供します。


図 1 Red Hat JBoss BRMS
図 1 Red Hat JBoss BRMS


Red Hat JBoss BRMSの特徴

  • (1)アプリケーションロジックとビジネスルールの分離
  • (2)分かりやすい表現形式
  • (3)ビジネスルールを可視化
  • (4)ビジネスルールの変更を迅速に反映

 JBoss BRMSを利用したアプリケーションはアプリケーションロジックとビジネスルールを分離し粗結合にすることができます。その特徴を活かし、設計段階からビジネスルールのプロトタイピングを実施し、業務担当者とビジネスルールを確認することで段階的にルールの精度を向上していきます。アジャイル的なアプローチをとることで、プロジェクト終盤のテストフェーズに入ってから仕様の誤りが発覚し、大幅な手戻りが発生するリスクを減らすことが可能です。


図 2 段階的なルールの向上
図 2 段階的なルールの向上


 ビジネスルールは意思決定表(図 3 意思決定表の例)のような表形式、スクリプト(Drools Rule Language)、自然言語のような表現(Domain Specific Language)で定義することが可能です。業務担当者にも理解しやすい意思決定表形式でビジネスルールを定義することで、可読性が高く、業務担当者自身がビジネスルールを変更することが可能となります。


図 3 意思決定表の例
図 3 意思決定表の例

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JBoss BRMSの導入効果

 新しい仕組みを導入することはハードルが高いと感じるかも知れません。しかし、ビジネスルールの変化が多く、長期的に利用するシステムであれば、特に、保守開発の効率化で効果を発揮します。アプリケーションロジックにビジネスルールが組込まれている場合は、他への影響を避けるためにプログラムが複雑になってしまったり、ビジネスルールの変更が起案されてからシステムに反映されるまでには時間がかかり、ビジネスチャンスを逃してしまうかもしれません。一方、BRMSを利用している場合は、アプリケーションロジックとビジネスルール、ビジネスルール同士の依存が少なく、変更の範囲を局所化できるため、短期間でのリリースが可能となり、ビジネスの要求に迅速に応えることが可能です。
 新しい商品やサービスを追加したいけれど、ビジネスルールの変更に時間とコストがかかるという理由で諦めてしまったり、複雑で大量に蓄積された業務上の判断が属人化しシステム化を諦めてしまっているというケースがあるかもしれません。JBoss BRMSを活用することで、ルールの整理とシステム化が可能になります。

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導入例

 JBoss BRMSは様々な業種・業務で、条件に基づくチェック、リコメンドの提示、評価・計算などで利用されています。


(窓口業務での利用)

 窓口業務の契約チェックは、単一条件だけではなく、複合条件による複雑なチェックがあり、これらを従来型のif-then-elseのロジックで実現するとプログラムが複雑になり可読性とメンテナンス性が低下します。ある通信会社ではRed Hat JBoss BRMSを用いて、契約可否/契約条件をチェックするためのシステムを構築しました。店舗での新規申し込みや契約変更を処理する際には、必ずこのシステムにてチェックを行います。チェック項目は5万項目、2500種類以上のビジネスルールによって運用されています。


(パッケージ製品との連携)

 基幹業務システムにパッケージ製品を採用している場合、企業に蓄積されたビジネスルールを反映することが難しい場合があります。このような場合には、パッケージ製品とJBoss BRMSを連携させる、企業のナレッジに基づく判断はJBoss BRMSで行い、その結果をパッケージ製品に反映するというハイブリッドな使い方も可能です。


図 4 パッケージ製品とBRMSの連携
図 4 パッケージ製品とBRMSの連携

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最後に

 企業活動を遂行するために重要なビジネスルールには、明文化され判断する仕組みがある意識的なルールと、明文化されず判断が属人化しているルールがあります。JBoss BRMSを活用することで、明文化されたルールはより使いやすく、明文化されていないルールは整理し明文化することができます。JBoss BRMSでビジネスに役立つ情報システムを実現していきましょう。


著者紹介

レッドハット株式会社
JBossサービス事業部
ソリューションアーキテクト 大溝 桂 様

サン・マイクロシステムズにてC言語/Java言語を利用した基幹業務システムの開発などを経験後、2012年にレッドハット株式会社に入社。パートナを担当するプリセールスエンジニアとして、JBoss Middlewareの拡販とパートナ企業の技術者育成に従事。

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