「ビジネスマナー」のベースとなるのは、あくまで社会人としての「心構え」です。学生のうちは自分のことだけ責任を取ればよかったのですが、社会人はそうではありません。組織の代表として、その言動によっては会社や取引先などの社会的信頼や利益に大きく影響します。その可能性を強く意識することが、社会人の心構えの第一歩ということができるでしょう。
社会人としての心構え
- 社会人としての基本意識とプロ意識
- 法律や規則を守る コンプライアンスに基づいた行動をする
- 健康管理・・・言い訳する必要のない自己管理
- 質の高いサービスを提供できるだけの知識と向上心を持つ
- 公私の別をわきまえる
- 会社のルールを守る
- サービスは社内から
「まず、最低限守るべきは、法律的な規則はもちろん、会社のルールや決まりごとなどです。時には窮屈に感じることがあるかもしれませんが、「仕事をするために」集った人間関係の中でのルールは、きちんとけじめをつけ、相手を尊重するために心得ておきたい常識であり、基本なのです。
「特に、法律に関するものは、個人的に罰則を受けるだけでなく、会社全体の信頼性の低下にもつながる可能性もありますから、まずは素直に受け入れることが不可欠です。
そして次に、公私の別をわきまえることや健康管理、感情のコントロールなども忘れてはなりません。これらは、職種や職場風土によっては、法律や規則のように必ずしも厳格に管理されないこともあります。しかし、それに甘んじてルーズになれば、「信頼をなくす」という形で、自分に返ってきます。自らを律する心を育てるためにも、しっかりと意識して行動しましょう。
そしてもう1つ、「自ら成長するための向上心」です。ここには外からは何の制約もかかりません。上司や取引先が口うるさく言ったとしても、結局あなた自身が「そう思うか思わないか」なのです。しかし、努力もしない、やる気のない様子でお客様や取引先、社内の人々の信頼を得ることができるでしょうか。そもそもあなた自身が仕事をしていて楽しいでしょうか。創意工夫をしながら確実に遂行する喜び、失敗の中から学ぶ楽しさ、そして人と協力し合いながら達成する充実感、それを感じてこそ、人はいきいきと喜びのある仕事ができるのです。
「ところで、このような3つのフェーズにおける「心構え」は、どうしても外部に対して発揮されることが多いようです。しかしぜひとも、まずは内側にいる上司や先輩、同僚に対して意識することを先に考えてほしいと思います。内部の人たちに信頼されること、すなわち、職場のいい人間関係づくりは、ストレスを軽減し、ひいては効率のよい、質の高い仕事につながるということを心得ておきましょう。