第一回 ロシアになっても、ソ連時代を懐かしむ人々がいる[ウラジオストク〜ハバロフスク] | 「池上彰が見た!ロシアの真実 ~ソ連崩壊から25年~」連携企画 ロシア現地レポート|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

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日立ソリューションズ 協賛 BS日テレ 報道特別企画「池上彰が見た!ロシアの真実〜ソ連崩壊から25年〜」連携企画 ロシア現地レポート[2015年3月26日(木)19:00〜20:54] 執筆 ジャーナリスト 池上 彰 【第一回】 ロシアになっても、ソ連時代を懐かしむ人々がいる[ウラジオストク〜ハバロフスク]

「ソ連の時代の方が良かった」
ロシア・ウラジオストクで、中学生の男子が、こう言いました。
「どこがいいのかな?」と尋ねると、「ソ連の時代は、ちゃんとアパートが用意されていたと言います。でも、いま僕が住んでいる部屋は、こんなに狭い」

ウラジオストク近郊の住宅にて

ウラジオストク近郊の住宅でのこと。両親と中学生、それに一歳の幼児の四人家族が住むのは、狭いキッチンと日本式に言うと六畳程度の居間だけ。キッチンの中にシャワールームとトイレを設置し、居間のソファを広げると、夜は寝室に早変わり。確かに狭い生活。中学生の嘆きもわかろうというものです。
 でも、両親は言います。「ソ連が崩壊してロシアになっても、極東は全く変化がなかったが、2012年のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)がウラジオストクで開かれたのをきっかけに、大きく発展しました。プーチン大統領のおかげです」と。

ウラジオストク

 いまロシア極東は大きく変わりつつあります。成田空港から二時間あまりの飛行で到着するウラジオストク。そこから国内線で一時間のハバロフスク。ロシア極東の二大都市は、北海道から目と鼻の先です。
 プーチン大統領は、石油や天然ガスによって経済を発展させてきました。天然ガスが豊富に眠っているのが、サハリン。サハリンからガスのパイプをハバロフスク、ウラジオストクへとつなぎ、発電などのエネルギー源として活用しています。
 その天然ガスを、さらに中国と日本に売って、外貨を獲得し、国内の産業に投資する。これが経済戦略です。これが実現すれば、極東は飛躍的に変貌を遂げるでしょう。

 2014年9月、BS日テレの取材でロシア極東を訪ねました。ソ連崩壊から四半世紀が過ぎたロシアを、過去のソ連時代と比較しながら旅する企画です。
 日本テレビは、ソ連崩壊直前、海外のメディアとしては初めて、ソ連を車で東西に縦断するという紀行番組を制作しました。今回私は、そのスタッフと一緒に当時と同じルートを辿り、変貌ぶりをリポートします。日本での放送は2015年春。長い時間をかけての取材・制作です。
 ハバロフスクでは、シベリア抑留中に亡くなった日本人墓地を訪ねました。多くの日本人が、戦争が終わったにも関わらず日本に帰れず、望郷の念に駆られながら帰らぬ人となりました。ズラリと並ぶ質素な墓からは、無念の思いが伝わってきます。
 抑留された日本人たちが建設に従事させられた建物は、現在も使われています。日本人の丁寧な仕事ぶりは、ここでも発揮されたのです。

レーニン像

 その建物の前に立つのは、なんと懐かしや、レーニン像ではありませんか。ソ連が崩壊したとき、各地で引き倒されたはずのレーニン像が、極東では意外にも各地に残っていました。ロシアになっても、ソ連時代を懐かしむ人々がいることをうかがわせます。
 しかし、いまさらソ連に逆戻りするわけにはいきません。一生懸命働けば、それに見合った収入があり、才覚があれば経済的に成功できる。そんな資本主義の魅力を味わってしまったのですから。
 とはいえ、冒頭の中学生の発言のように、平等だった過去を懐かしむ人たちがいるのも事実です。ウラジオストク市内には、日本製高級自動車が数多く走り、所得格差が広がっていることが、不満の原因のひとつでしょう。
 自由な経済活動を認めれば、格差も広がる。これはロシアのみならず、中国でも起きていることです。でも、冒頭の家族の両親は、こう語っていました。
「子どもたちは、私たちの時代より、より良い生活を送れるように。それを希望しますし、きっと実現すると思います」

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