明治安田生命保険相互会社様 活文 知的情報マイニングの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

活文 知的情報マイニングの導入事例

明治安田生命保険相互会社様

問い合わせ分類に最新の自然言語処理AIを適用。さまざまな業務で簡単に活用できる仕組みを構築

最適な商品と質の高いサービスを提供する明治安田生命では、コールセンターなどに寄せられた問い合わせの分類・集計を行っていましたが、業務負荷が高まっていました。そこで同社はGoogle社のBERT(自然言語処理技術)を搭載した「活文 知的情報マイニング」を導入。さまざまな分類業務に適用できる仕組みを作り上げました。

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課題
導入後
形態素解析*1をベースとしたツールでは、問い合わせを高い精度で分類できなかった
過去の分類例を教師データ*2としてAIに学習させる方法で、従来よりも高精度な分類ができるようになった
問い合わせ分類以外の業務についても、テキスト分類が行える汎用的なツールがほしかった
適用する業務ごとの分類モデル*3作成など、テキスト分類が行える仕組みを実現
テキスト分類の準備・設定を、現場担当者が簡単に行えるようにしたかった
分類モデルの作成・削除をユーザー側で実行できるWeb画面を個別開発

*1 形態素解析:自然言語の文章を意味のある最小の単位に分割し、品詞などを判別する解析方法で、これにより文字列をさまざまな分析に用いることができる。
*2 教師データ:機械学習においてあらかじめ与えられる例題および答えとなるデータで、企業が業務の中で蓄積した情報をもとに作成する。
*3 分類モデル:一般的な自然言語を事前学習したモデルに、業務データを追加で学習させて作成する分類用のモデル。

背景

問い合わせ分類の精度に課題

明治安田生命は、「確かな安心を、いつまでも」という経営理念のもと、常にお客さまに最適な商品と質の高いサービスを提供することを販売・サービス方針に掲げています。その一環として同社が実施しているのが、お客さまからコールセンターなどに寄せられた問い合わせや質問をカテゴリー別に分類して集計する業務です。

ただ、問い合わせの内容や表現はまちまちであるため、正確に分類するには多くの手間を必要としており、業務の負荷が高まっていました。

そこで、形態素解析をベースとしたツールでの分類を試行しましたが、思うような精度にはならないなどの課題があり、導入には至りませんでした。

その後もさまざまな検討を重ねた同社は、AIの1つの分野である「自然言語処理」に着目しました。数年前にGoogle社が発表したBERTが機械学習の精度を高めるという情報をキャッチし、自作のPythonプログラムで検証してみたところ、テキスト分類に効果がありそうであることを確認。早速、BERTを採用した製品の調査にとりかかりました。

取り組み

BERTを使った自然言語処理を評価

長山 氏デジタル戦略部 デジタル戦略推進G 主席スタッフ
長山 英高 氏
近藤 氏デジタル戦略部 データマネジメントG 主席スタッフ
近藤 祐介 氏

「BERTを採用した自然言語処理の製品やサービスは数が限られていました。そのため、日立ソリューションズのWebサイトで『活文はBERTを搭載している』と知ったとき、すぐに問い合わせを入れました」(長山氏)

明治安田生命が、日立システムズを通じて日立ソリューションズから「活文 知的情報マイニング」の説明と提案を受けたのは、2021年7月のことです。ユーザーが複数の分類モデルを作ってさまざまな業務に適用できることを確かめた同社は、日立ソリューションズの支援を受けながら、2021年10月から12月にかけて検証テスト(PoC:Proof of Concept)を実施しました。

「PoC用の教師データには、過去の分類済みテキストデータ約60,000件を使用しました。検証では、入力されたテキストデータの不要部分のカット、複数回のチューニング、交差検証などを実施し、従来使っていた分類ツールより高い精度が得られることを確認しました」(近藤氏)

「PoCの際は、かなり難易度の高い分類だったこともあり、日立ソリューションズにはいろいろと相談に乗ってもらいました」(松永氏)

効果

独自のWeb画面でほかの業務に横展開

松永 氏デジタル戦略部 デジタル開発サポートG 主席スタッフ
松永 智充 氏

明治安田生命の問い合わせ分類業務で、「活文 知的情報マイニング」の利用が始まったのは2022年7月です。その直後から、適用範囲を拡大するためのシステムの拡張作業も進めていきました。

「問い合わせ分類をスタート地点として、より多くの業務に横展開することが当初からの狙いでした。そこで、ほかの分類業務でも、分類モデルの作成・削除や分類するファイルの指定などを、現場の担当者がWebブラウザー上から行える画面を日立ソリューションズに作ってもらいました」(松永氏)

個別開発で2022年9月にできあがったWeb画面は、PoCで使っていたものを汎用化させたものです。教師データをアップロードして、「活文 知的情報マイニング」に学習させ、該当する業務用の分類モデルとして登録する。また、分類したいテキストデータが含まれるファイルを指定するといった一連の操作をWebブラウザー上ですべて実行できるようにし、適用範囲を拡大する準備を整えました。

ただし、問い合わせ分類は、特に慎重さを求められる内容がかかわる業務であることから、同社は職員の目視による最終チェックを今もまだ残しています。

展望

チューニングを継続して状況変化に対応

明治安田生命では、今後、テキスト分類作業を行うほかの業務にも「活文 知的情報マイニング」を活用していく予定です。

また、問い合わせ分類についても、新常態(ニューノーマル)化などの外部状況の変化に伴う問い合わせや質問の傾向変化に対応するため、チューニングが引き続き実施されています。

「本製品にはシステム連携に必要なAPIが用意されていたので、Web画面の個別開発もお願いし、当社がやりたかったことを実現することができました。日立ソリューションズはわれわれの挑戦にいつも寄り添ってくれたと思っています」(松永氏)

日進月歩で新しい技術が登場する自然言語処理の領域―――。日立ソリューションズは、今後もAIをはじめとする最先端のITを「活文」へ積極的に取り込み、お客さまの業務効率化に貢献していきます。

保険業の問い合わせ分類に自然言語処理AIを適用

  • 内容や表現がまちまちで、大量にある問い合わせや質問をAIが自動分類し、業務負荷を軽減
  • 分類モデルの作成・削除をユーザー側で実行できるWeb画面を個別開発し、適用範囲を拡大
  • Google社が発表したBERTで、テキストデータを高精度に解析・分類
保険業の問い合わせ分類に自然言語処理AIを適用

※お客さまの所属は取材日(2022年12月8日)時点のものです。

明治安田生命保険相互会社

所在地 東京都千代田区丸の内2-1-1 明治安田生命保険相互会社
創業 1881年7月9日
従業員数 47,572名(うち営業職員 36,505名 2022年9月末)
事業内容 契約者から生命保険を引き受けて、保険料を運用。契約者の死亡時などに保険金を給付
URL https://www.meijiyasuda.co.jp/

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本事例の内容は2023年5月10日公開当時のものです。

最終更新日:2023年5月10日