伊藤忠テクノソリューションズ株式会社様 人事総合ソリューション リシテア シリーズの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

人事総合ソリューション リシテア シリーズの導入事例

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社様

グループ企業の一元的な勤怠管理を目指し、「リシテアJob」を採用

伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)では、グループ企業の一元的な勤怠管理を目指し、システムの刷新に着手。勤怠管理システムに日立ソリューションズの「リシテアJob」を採用し、第1フェーズとして、グループ企業のうち本体を含む6社のシステム基盤を2010年4月から統合し稼働を開始しました。

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システム導入前の課題

グループ全社の一元管理に際し、従来システムの可変性に不安

中尾  征人 氏人事総務室 人事部労務課
中尾 征人 氏

伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、2006年10月に伊藤忠テクノサイエンスとCRCソリューションズの2社が統合して発足しました。勤怠システムの整備については、2社のシステムのうち、片方のシステムに“寄せる”形で基盤統合を行いました。しかし、その後、グループ企業に特有の勤務ルールや労務管理に必要な項目をどのようにシステムに実装していくかという点で壁に突き当たりました。「検討したアプローチとしては、まず、片寄せした従来のシステムを改修して機能拡張するという選択肢です。しかし、従来のシステムはパッケージ製品をベースに2002年から使ってきたもので、使いやすくカスタマイズされてはいたものの、反面、それまでに無い多様な勤務ルールや管理手法を実現し、将来にわたっての可変性を担保するのは難しいと判断せざるを得ませんでした」(中尾氏)。

グループの勤怠管理を共通のシステム基盤で一元管理するために、思い切ってシステムを刷新することを決断しました。「以前のシステムでは、勤怠データは月単位での管理が基本だったため、ともすれば日次データの入力への意識が希薄になりがちで、月次データの精度が下がってしまうことがありました。このため、バックエンド側で様々なデータの取り纏めを行い、管理する必要がありました。新システムの導入を機に、フロントエンド側から勤怠データをわかりやすく可視化できるような仕組みにしたかったのです」(高氏氏)。

システムの選定

製品コンセプトと大規模システムの導入実績から「リシテア」を採用

高氏 渉 氏人事総務室 人事部労務課
高氏 渉 氏

プロジェクトの始動に際し、日立ソリューションズとの最初の打ち合わせは2008年9月頃でした。ベンダーおよびシステム選定の候補としては、日立ソリューションズの他に、従来システムのベースとなったパッケージ製品の最新版を用いて構築するという選択肢に加え、別の2社からも情報をいただきました。

ユーザー数は数千から万単位になることが間違いなかったので、大規模システムの導入・運用実績が豊富であることが一番大きなポイントでした。日立ソリューションズは、グループ展開している規模の大きな企業への導入実績が豊富でしたし、「リシテア」の製品コンセプトが明確だったのが印象的でした。勤怠管理を行う上での多種多様な勤務ルールや管理手法に適応するためには、「点」としての日次の勤怠内容登録の精度を高めることで、これを一つの「線」とすれば全体を正確に把握することができる、といったコンセプトや仕組みがシンプルで明確だったので受け入れやすかったのです。

もう一点は、担当者の信頼感です。実は、ベンダーの選定前に細かい質問を何百項目もお送りしたのですが、それに対する返答は非常に筋が通ったもので、勤怠管理を行うシステムの設計の軸がしっかり定まっているという確証を得ることができました。長く運用するシステムなので、対応が一貫して長くお付き合いしていけそうだという信頼感が得られたことは大きかったです。

「リシテアJob」を採用した理由としては、前述したような製品コンセプトが明確だったことに加え、グループ展開していく上での運用負荷を考えてのことです。勤怠管理システムには関連法規や社内規程の変更や追加などに対応した設定の変更が多いという特性があります。また、グループ各社の勤務ルールをシステムに反映する場合でも、優れたパッケージ製品を基盤として持ち、その上に必要な機能を整備する方法が、中長期的な視点からも一番メリットが大きいという結論に至りました。

導入時の取り組みとシステム導入効果

"目的を持った"勤務管理システムの利用を動機づけられた

システムは2009年7月から正式に開発を開始しました。稼働開始が2010年4月でしたので、開発期間は9ヵ月間でした。「まず、第1フェーズとしてグループ6社へシステムを導入し、その後、第2フェーズ以降に順次グループ各社が導入を控えるというスケジュールの中、ゆくゆくの機能拡張を想定しながら、目先のものより幅広の仕様を検討するという作業が続きました。システム開発の大きなテーマの一つに、既に根付いている「残業の削減に対する一層のデータ活用」があり、そのために、特に管理職層に向けてシステム活用を啓蒙できるシステムにしていく必要がありました」(中尾氏)。

勤怠システム活用のための仕組みの一つとして、従来は、管下の社員の勤怠状況のデータを週次で集計し、ライン管理職宛にメールで送信していました。これは人事部にてデータを集計し、メール送信するものですが、このプロセスをプログラムで自動化し、管理職が必要な時に、最新の情報をCSVファイルへ出力できるようにしました。幸い、カスタマイズで対応可能ということで、初期のパッケージの状態をなるべく崩さないように、性能面、機能面を満たしたものを提供いただきました。

勤怠データの自動集計機能は、従来のメールによるPUSH配信から、管理職側が任意で取得できるPULL情報に変更した点が大きなポイントです。例えば、管下のメンバーの特定の期間における残業時間といった任意の軸の組み合わせを指定して、DBからデータを抽出して、管理職のローカル上で参照することができます。このように、システムの機能を活用して、DBと連携してより綿密な勤務管理ができる仕組みを整えることができました。これまで勤怠データの配信を実施していなかったグループ企業も、この機能を導入したいということで非常に好評です。また、パッケージそのものにも、多くのPULL情報が取得できる機能が備えられており、それぞれの情報を組み合わせての活用が期待できる、バランスの良い仕組みとなりました。

ユーザー数は約1万2千名です。カットオーバーから1年3ヵ月が経過し、まだ導入を控えたグループ企業もあるため、この数は今後も増える予定です。「導入効果としては、まず、前述の勤怠データの自動出力機能や、集計データの検索機能のおかげで、生データの集計作業など、管理担当部署の作業負荷が低減された点です」(高氏氏)。

「もう一点は、タイムリーな労務管理を実現できた点です。日次データの出力機能を用いて、ユーザーである管理職自身がExcelなどを使って簡単に勤怠データの出力、分析ができるようになりました。中には、月初、月中、月末というように10日ごとに勤務データの統計情報を参照して、その差異から部署の業務の繁閑を分析する管理職も現れました。このように、労務管理の観点から、目的を持ってシステムを活用しようと動機づけられたのは大きいですね」(中尾氏)。

リニューアルによって、従来の一部にクライアント/サーバーの組み合わせを残したシステムからオールWebのシステムに変わりました。Webシステムはインターネットにさえ接続できれば、極端にいえば働く場所を選ばない仕組みです。これは、BCPの観点からもメリットがあると思っています。今回のシステム構築では、パッケージの機能を活かしつつ、必要な追加機能をカスタマイズで対応いただきました。根幹の機能はほとんどカスタマイズせずに対応いただけたのは、それだけ「リシテアJob」のコンセプトがしっかりしていたからではないかと思います。

今後の期待

人材マネジメントシステムとしてのさらなる飛躍に期待

勤怠システムは本体を含むグループ7社への導入が完了し、現在は2社の導入作業が進行中です。近々の目標は、まずグループ各社への導入完了です。導入、運用の中で、改善したいポイントなどもいくつか見えてきました。日立ソリューションズには、SIベンダーとしてこちらの期待値以上のシステムを提供していただきました。今後は導入後のテーマ、特に、システムをいかに活用していくかという部分でさらなるご協力を期待しています」(中尾氏)。

「今回のプロジェクトを通して、特にリシテアの営業、SE担当者は製品を愛している感じが伝わってきました。そういう意味では「人」に対する信頼感が大きかったと思います。今後は、グループ各社に導入した後に、勤怠管理システムから一歩進んで、人材マネジメントシステムとして、経営判断の指標の可視化に寄与するようなツールとして活用していけたらと思います。いい「人」たちと一緒にこのテーマに取り組んでいきたいです」(高氏氏)。

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社プロジェクトメンバーの皆様伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
プロジェクトメンバーの皆様

日立ソリューションズ担当者からのコメント

将来のグループ各社様への展開も見据えた実現方式をご提案することを特に意識して対応しました。プロジェクトを進めていく中でいくつかの問題に直面してきましたが、伊藤忠テクノソリューションズの皆様には、プロジェクトのゴールを見失わない素早い意思決定と、グループ各社様への強いリーダーシップを発揮いただきました。また、同じSIerである伊藤忠テクノソリューションズ様とのシステム構築においては、弊社エンジニアも大きく成長させて頂く事もでき、大変感謝しております。本稼働後には、実際に現場で「リシテアJob」をご利用頂いている営業様,エンジニアの皆様からも高評価を頂き、「私の担当顧客に紹介したい」というお引合いを多数頂けており、あわせて御礼申し上げます。

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

CTCは、お客様のITライフサイクルをトータルにサポートできる総合力を備えたSI企業です。常に最新技術に取り組み、仮想化や統合化、データセンタービジネスの分野では、クラウド関連サービスを体系化するなど同業他社に先駆けた取り組みを積極展開してきました。グループ全社員が一丸となり、新たな付加価値・事業モデルを創造し、世界中で生まれる新しい技術や製品を見極め、テクノロジー・リーディング・カンパニーとしてITトレンドをつくり続けていきます。

本社所在地 東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビル 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
設立 1972年4月1日
資本金 21,763百万円
従業員数 7,233名(2011年4月現在)
事業内容 コンピュータ・ネットワークシステムの販売・保守、ソフトウェア受託開発、情報処理サービス、科学・工学系情報サービス、サポート、その他

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本事例の内容は公開当時のものです。

最終更新日:2012年1月25日