チャレンジが
人とのつながりを生む
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中村廣津留さんは海外留学をはじめ、色々なことにチャレンジされてきましたよね。そのチャレンジ精神はどこから生まれているのですか。
廣津留負けず嫌いなこと、楽観的なこと、それから好奇心が強いこと。そういうもともとの性格が自分をチャレンジする方向に向かわせているように思います。特に、好奇心ですね。高い山に登るといろんな景色が見えますよね。それを一度経験すると、もっと高い山に登って別のものを見てみたいと考えるようになる。それがチャレンジの原動力になっています。
中村恐らく、ご自身の中に確かな軸があることも大きいのでしょうね。3歳くらいからバイオリンを始めて音楽の素養を身に付けられて、同様に英語の勉強にも早い時期から取り組まれてきた。その2つの揺るがぬ軸があったからこそ、色々なことに積極的に挑戦できたということなのではないでしょうか。
廣津留それが自信になっていたことは確かですね。自信があればチャレンジしようという気持ちになれますし、新しいことに挑戦すればそれだけ人との出会いやつながりも増えていきます。それが楽しいから、またチャレンジしたくなる。その繰り返しのような気もします。
中村チャレンジが人との新しいつながりを生む──。それはとてもいい視点だと思います。コロナ禍以降、人とのつながりの大切さが改めて見直されるようになっています。日立ソリューションズでは、コロナ禍をきっかけに働き方を見直した結果、現在は社員の出社率10〜20%程度での就労が実現しています。一方、新しい発想を生み出すにはフェース・トゥ・フェースのコミュニケーションも欠かせません。リアルな「つながり」ですよね。ですから、今後はオンラインとリアルをハイブリッドにした働き方を私たちのスタンダードにしていきたいと考えています。
また、人材登用に関しても「つながり」を重視するようになっています。会社を辞めた人たちをネットワーキングして、いつでも戻ってこられる仕組みをつくったり、リファラル(紹介)採用の制度を整備したりしています。
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廣津留人とのつながりは、生きるモチベーションになりますよね。大学で学生の皆さんと接していると、コミュニケーションの大切さをいつも感じます。大学での私の授業の一つに、例えば「音楽」を教育や心理学など様々な視点から見るというものがありますが、そうして人との関わりに必要な多角的な視点を養うと同時に、仕事や好きなことに対する自分の姿勢や行動を実際に示すことで若い人たちをモチベートしていくことも大切にしています。
中村同感ですね。言葉だけではなく自分の態度や行動で、新しいことに取り組むことの大切さを伝えること。それから、若い人たちがやりたいと考えていることを絶対に潰さないこと。その2つを私は大事にしています。オーケストラで演奏していることにも、「年を取っても好きなことはできる」と若手に伝える意味があると感じています。
最後に、廣津留さんのこれからの目標をお聞かせいただけますか。
廣津留やはり、演奏活動に力を入れていきたいですね。たくさんの人たちに私の音楽を届けていくこと。それが今の一番の目標です。クラシックという音楽ジャンルや、古い常識にとらわれたりせず、色々な表現にチャレンジしていきたいと思っています。
中村本日はありがとうございました。今後のご活躍を楽しみにしています。
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