福岡大学様 アプリケーションデリバリコントローラ ArrayAPVシリーズの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

アプリケーションデリバリコントローラ ArrayAPVシリーズの導入事例

福岡大学様

“世界最高水準”の機能を目指した、新たな認証システムの構築を、ArrayAPVがバックアップ。

80年におよぶ歴史と伝統を有する西日本有数の総合大学として、地域社会の中で大きな役割を果たす福岡大学。
一から手作りした独自仕様からなる旧来の認証システムを、標準化技術採用の新システムへと刷新した日立製作所+日立ソリューションズグループ(日立ソリューションズ、日立ソリューションズ西日本)による取り組みのご紹介です。

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導入前の課題

試行錯誤を重ねながら、一から手作りした独自仕様のシステムを使用。

中國 真教 氏福岡大学 准教授 博士(工学)
中國 真教 氏

学生と教職員を合わせ約25,000名の規模を誇る福岡大学は、早くからIT化を推進し、多数の情報システムを導入・運用していました。その各種システム利用時の認証機能を担っていたのが、これまで運用していた統合認証システムです。

「導入したのは約7年前。当時、同様の製品がほとんどなかったため、試行錯誤を重ねながら1から手作りした独自仕様のシステムです。しかし近年、連携対象となる各種情報システムの基本パッケージでは、標準化技術を用いる様になってきたため、その更新の際には統合認証システムとの連携が難しくなっていました。スムーズに連携させるには、統合認証システムをベースとした改修では、難しいと考えていました」(中國 氏)

また、統合認証システムは、その他にもいくつかの課題を抱えていました。

  • ネットワークへの負荷による、安定性・信頼性への不安。
  • 冗長化ハードウェアの切替が手動のため、障害回復まで時間を要する。
  • 認証における通信(LDAP)の暗号化(SSL)非対応による、セキュリティへの不安。
  • シングルサインオン(SSO)に対応していないため、システム毎にログインが必要で面倒。

こうした課題の解決も含め、新たな認証の仕組みを取り入れた認証システムを構築するプロジェクトがスタート。

「将来的に大規模な改修等の必要がない、長期にわたって使えるシステムを構築したい。そんな考えから、標準化技術を採用した新たな認証システムの導入を決めました。
目指したのは、高セキュリティであり、機能面において“世界最高水準”に達する認証基盤サービスです。日本だけでなく、世界中で認証基盤を構築・導入するのに、みなさん苦労されているという話を聞きます。ですから、福岡大学が見本になるようなものを、つくることができたらと考えたのです。そういうところを目指さないと良いものはできないと思い、あえて“世界最高水準”という言葉を使いました」(中國 氏)

ベンダ・製品の選定プロセス

ArrayAPVの様々な分野での稼動実績と、日立の構築・運用実績を重視。

大塚 耕輔 氏総合情報処理センター事務部 情報支援室
大塚 耕輔 氏

まずプロジェクトは、福岡大学に必要な認証基盤の条件を掲げました。

「条件はいくつかありましたが、大きなところでは2つです。
第1には使いやすさ。大規模な大学ですので、できるだけ多くの方に、簡単に利用していただけるもの。マニュアルを読まなくても、容易に使えるシステムですね。難しい、分かりづらければ、システム管理者に多くの問い合わせが入ります。一人一人に対応しないといけなくなるわけですけれども、その数が多いと大変です。そういう意味でも重要な条件です。
そして、第2の条件が、Shibboleth*による学術認証フェデレーション(学認:GakuNin)など、新しいものにも対応できるシステム。そういうことも条件のうちに含めて構築を目指しました」(中國 氏)

こうした条件を含む要件を、いくつかのIT企業に提示し、ソリューションの提案を依頼しました。

「その中で、我々の要望を上回る提案をしていただいたのが、日立製作所さんでした。特に、第2の条件であった、学認:GakuNinの活用をはじめ、とても説得力のある提案をいただきました」(中國 氏)

また日立製作所は、長期にわたって使えるシステムの構築を前提に、負荷分散装置の導入も提案。下記の機能・性能により、当初の課題を解決できるArrayAPVを選定し、提案しました。

  • 豊富な処理機能
    負荷分散アルゴリズム、セッション維持機能、サーバヘルスチェック機能
  • パワフルなSSL処理
    ハードウェアSSLアクセラレータを標準装備、クライアント認証機能、インサイドSSL
  • 日本語GUIによる運用管理
    コンフィグレーション、アラート/ログ機能、SNMP

「認証基盤というのは学内の各種情報システムの要ですから、負荷分散装置についても安定性と信頼性を求めました。ただ実際のところ、ArrayAPVについては我々も多くの情報を持っていたわけではなく、日立さんから様々な情報を提供していただきました。
特に参考になったのは実績です。様々な分野で、豊富な実績があるということ。多くの場合、同じ教育機関での実績を気にするのでしょうが、我々はユーザ数を重視しました。ユーザの集中にどれだけ耐えられるか、負荷に耐えられるか、そういう観点ですね」(中國 氏)

また、構築・運用の実績も重視しました。

  • 構築~販売・サポートまで含めた日立グループのトータルなソリューションとして提供。
  • 日立グループとして、また日立ソリューションズグループとしても、構築・運用の実績が豊富。
  • 開発元ではなく日立ソリューションズが直接サポートにあたるため、障害発生時の対応がスピーディ。

「こうした点も含め、信頼できる、安心して導入できるだろうという結論に至りました」(中國 氏)

*:Shibboleth…Internet2にて発足した教育機関向けプロジェクトの一つ。認証・認可基盤のアーキテクチャとそのオープンソースによる実装を実現。シングルサインオン(SSO)などを可能にする。

構築・適用時の取り組み

日立製作所の設計・構築を、日立ソリューションズグループがバックアップ。

新たな認証システムの導入は、日立製作所のリードにより進行しました。

「当初は、この短期間でどこまでいけるか不安や心配はありましたが、日立さんがうまくコントロールしてくれたおかげで、スムーズに構築することができました。本当に助かりましたね」(中國 氏)

ArrayAPVに関わる部分は、日立製作所の設計・構築を、日立ソリューションズ西日本がバックアップする体制で進みました。日立ソリューションズは、技術情報やノウハウの提供、施策立案など、後方から支援。ArrayAPVについては、細かな設定変更を行っただけで、きわめてスムーズに適用されました。

「福岡大学は利用者の数が多いので、使用するほとんどのシステムに対し、厳しい負荷テストを実施しています。今回も、このシステムがどれだけの負荷に耐えられるか試すことで、いかに優れているかを証明したいと考え、実施しました」(中國 氏)

新たな認証システムは、この負荷テストに耐えることができ、実運用における負荷にも耐えられると確信しました。プロジェクトのスタートから1年6ヵ月、構築開始から10ヵ月を経て、「福岡大学認証基盤システム」として誕生し、稼動を開始しました。

導入後の効果

様々なサービスの実現を、ArrayAPVがサポート。

認証基盤システムは、旧システムではできなかった様々なサービスを実現しました。

  • パスワード管理機能の充実
    学外からのパスワード変更、準リアルタイムでの更新処理、ICカード(学生証、職員証等)との一部連携、他
  • シングルサインオン(SSO)の実現
    学術認証フェデレーション(学認:GakuNin)との連携、他
  • 各種システムとのデータ連携の実現
    ユーザ登録等に要する時間の短縮化・省力化、他

そして、これらを可能にする下支えとして、ArrayAPVが機能。学外からのパスワード変更などは、ArrayAPVのパワフルなSSL処理機能により、実現されています。

「我々が目指している認証システムというものは、空気みたいな存在です。あるのかないのかわからない。でも、ないと困りますよね。そんなごく自然に使えて、活用できるものにしていきたいと考えています。そういう意味で、負荷分散装置であるArrayAPVも、同じような存在として機能しています。決して目立つことはありませんが、とても安心して運用できている。何も心配するところがないのが、ありがたいですね」(服部 氏)

今後の展望

ArrayAPVの司令塔としての機能に期待。

今後は、ICカード(学生証、職員証等)との連携強化や、外部クラウドサービスとのスムーズな連携を実現する仕組み作りを計画。

「まだスタートしたばかりで、成長させていくシステムでもありますから、今後、他の様々なシステムと連携するとき、ArrayAPVが司令塔としてどれだけうまく機能してくれるか、期待しています」(大塚 氏)

「そして、日立さん、日立ソリューションズグループさんと、これまでと変わらぬ信頼関係を続けていきたいと思っています」(中國 氏)

福岡大学プロジェクトメンバーの皆さま福岡大学プロジェクトメンバーの皆さま

福岡大学[Fukuoka University]

福岡市の南西部に広大なキャンパス空間と多くの建物施設群(病院を含む)を擁し、9学部31学科と大学院10研究科34専攻、2万人を超す学生数を抱える地域の拠点大学です。
教育・研究・医療の3つの高度機能を果たし、さらに強化するとともに、「建学の精神」と「教育研究の理念」に基づく全人教育を通して、国と地域を支える有為な人材を輩出しています。卒業生は23万人余を数え、広大な裾野を持つ福大人脈を形成しています。

所在地 福岡県福岡市城南区七隈八丁目19番1号 福岡大学
創立 1934(昭和9)年4月
学長 衛藤 卓也
学部学生数 19,603名(2012年5月1日時点)
大学院学生数 744名(2012年5月1日時点)
教員数 1,639名(2012年5月1日時点)
職員数 2,290名(2012年5月1日時点)
URL http://www.fukuoka-u.ac.jp/

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本事例の内容は2013年5月23日公開当時のものです。

最終更新日:2013年5月23日