パイオニア株式会社様 活文 Accelerated File Transferの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

活文 Accelerated File Transferの導入事例

パイオニア株式会社様

※「活文 デジ活ワイド」は「活文 Accelerated File Transfer」に名称が変わりました。本事例内容は公開当時のものです。

『活文デジ活ワイド』の導入で、データ送受信の待ち時間が6分の1に大幅短縮 グローバル環境下の開発を支援

『carrozzeria』ブランドで知られるパイオニア。コンポーネントカーステレオ、GPSカーナビゲーションシステムなど世界で初めて手がけた製品は多い。今話題の、拡張現実情報をフロントウィンドウの先に映し出すサイバーナビ「AR HUD」も世界初だ。常にグローバルを意識する同社は、生産だけではなく設計の一部も海外拠点で行う。海外との大容量データのやりとりは日々の業務に欠かせないが、相手国の通信インフラ事情のためにデータの授受には時間がかかることが多かった。その問題を根本から解消するため、2012年春から日立ソリューションズの大容量高速転送サービス『活文 デジ活ワイド』の採用に踏み切った。

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通信インフラが異なる海外にも大容量データを速く確実に送りたい

石川 雄一郎 氏情報システム部 第2開発部 開発4課 副主事
石川 雄一郎 氏

 製造業における生産拠点の海外移転は年々増加しており、近年は設計業務まで海外拠点で行う企業が増えてきた。海外での業務範囲が広がると、当然、データをやりとりする頻度、データ量が増えてくる。生産拠点を置く国では通信インフラが日本ほど整備されていないところも多く、国内でのやりとりとは勝手が異なり、大容量データ授受は大きな課題となる。
「当社のソフト開発においては、中国とのやりとりが増えています。それにつれて、数百MB~数十GB単位でのデータの受け渡しが頻繁に発生するようになりました。これまでは日本国内のFTPサーバーを介したやりとりだったのですが、中国の通信インフラ事情はまだ日本とはかなりの差があります。
例えばデータを今日中に送りたい場合、確実に対応することができませんでした。巨大な容量のデータを海外に、速く、かつ確実に送る手段はないかと解決策の検討を始めました」と、話すのは同社、川越事業所情報システム部の石川雄一郎副主事だ。

FTPサーバーを利用した場合、中国で1GBのデータをダウンロードするのに2時間半から3時間程度かかっていた。実際にやりとりするデータは10GBレベルの場合もある。回線が比較的空いている夜間にダウンロードを始めても10数時間かかることがあったという。
「特に開発の終盤で急いでいるときは大変です。夜にダウンロードを始めて、朝に出社するとまだ終わっていない。最初からやり直しということもあり、『これでは仕事にならない』と嘆く声が私たちの耳に何度も届いていました」と、現場の思いを情報システム部の植松透課長は代弁する。

 これらの問題解決のため、当初は会社が契約する国際専用線の帯域を増やすことで対処しようとした。しかし中途半端な回線増強では間に合わない。回線を多少確保しても、それを上回る規模でデータ転送量は増え、“渋滞”はなかなか解消されない。
 さらにいえば、国際専用線の帯域拡大は、それ自体が固定費となり、コストを圧迫する。固定費を抑えながら、データ転送をスムーズに行う手段として、クラウドサービスの活用を検討することになった。

求めていたのはファイルを「速く送る」サービス

植松 透 氏情報システム部 第2開発部 開発4課 課長
植松 透 氏

 「国際専用線ではなく、クラウドサービスを活用する方向に発想を転じました。ただ、単にファイルを預かるサービスはたくさんあるのですが、ファイルを速く送ることが可能なサービスはなかなかありませんでした」(植松氏)
 その数少ない「速く送る」をアピールしていたのが、日立ソリューションズの大容量高速転送サービス『活文 デジ活ワイド』だ。

『活文 デジ活ワイド』は、既存のインターネット回線で、GBレベルの大容量データ授受を高速に実現する法人向けファイル転送サービスだ。ファイル転送専用のアプリケーションやハードウェアを用意する必要がなく、Webブラウザのみで利用できることが特長。必要な機能のみをサービスとして利用できるSaaS型の提供なので、アプリケーションやハードウェアなどを新たに購入する必要がなく、初期投資を低く抑えられるというメリットもある。

  同社が導入にあたって複数のベンダーに声をかけ、サービス、製品を比較検討した中には、ハード・ソフトの購入により初期投資が数百万円に上る製品もあった。しかし、コストを抑えて、どの程度作業効率をアップさせることができるのか、費用対効果も把握したい思いが強かったために、SaaS型の製品であることを重視して選定した。
 最終候補に残った数社について、転送スピードを実測。この結果、ダントツで『活文 デジ活ワイド』に軍配が上がったという。
「実測時間で、5倍から10倍近くの差がありました。ある企業のものは1~2GBのファイル転送で6時間程度かかりました。しかも転送に失敗すれば最初からやり直しになるので、社内の回線が耐えきれませんでした」(石川氏)

 SaaS型で、かつ高速転送で他社を圧倒した『活文 デジ活ワイド』の採用が決定した。試用期間中にテストを重ね、2012年4月から本稼働を始めた。
「4月から7月までの稼働状況をみてみると、既存のFTPサーバーでは転送時間が600時間程度かかっていたものが、『活文 デジ活ワイド』導入後は、アップロード・ダウンロード合わせて91時間で済んでいます。以前と比較すると転送時間は6分の1程度になりました」(石川氏)

 同社は、『活文 デジ活ワイド』導入後に、日本・中国両サイドのユーザーにアンケートをとっている。「役に立っている」という回答がユーザー全員から得られ、「デメリットの方が大きい」という回答はゼロだった。
「従来に比べればデータのやりとりは相当にスピードアップしました。これまでは、一日掛かりだったデータの受け渡し時間が大幅に縮まったので、開発工程の短縮につながっていると感じています。そうした現場の実感がアンケートにも表れています」(石川氏)

パイオニアのセキュリティポリシーにも対応。“安全”は外せない条件

 日本・中国の事業所間でやりとりされるデータはもちろんすべて機密データだ。大容量データを速く安く送ることはもちろんだが、絶対に漏洩事故を起こさないためのセキュリティの担保は外せない要件である。
「『活文 デジ活ワイド』は、当社のセキュリティポリシーとして十分に足りる通信の暗号化やIPアドレスの制限、パスワード条件 ──桁数や有効期間の制限などの セキュリティに対応しています」(植松氏)

 中国拠点とのデータ転送における導入成果を踏まえて、北米拠点での利用も始まった。物理的な距離と時差のある地域同士をつないで、24時間休むことなく続けられるグローバル開発の現場。
『活文 デジ活ワイド』が、時間と場所にとらわれないワークスタイルを実現している。

デジ活ワイド 利用イメージ

パイオニア株式会社

1938年創業。国産初ダイナミックスピーカーの開発に始まり、現在はカーエレクトロニクス事業、ホームエレクトロニクス事業などを展開。 カーステレオ、カーナビゲーションシステムなどで世界初の製品を数多く発売している。

本社所在地 神奈川県川崎市 パイオニア株式会社
従業員数 24,765名 (連結ベース:2012年3月末)
資本金 872億5,700万円(2012年3月末)
URL http://pioneer.jp/

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本事例の内容は2012年12月11日公開当時のものです。

最終更新日:2012年12月11日