人事総合ソリューション リシテア シリーズの導入事例
コベルコシステム株式会社様複数システムに分散する人事労務関連業務を「リシテア」で統合。大幅な業務改善の先に戦略的データ活用を見据えて前進
システムインテグレーターのコベルコシステムは、既存システムのサポート終了に伴い、人事労務関連業務を支える複数のシステムを日立ソリューションズの「人事総合ソリューション リシテア」で刷新。全業務を網羅するパッケージソリューションの標準機能を最大限に活用しながら、各業務の効率化を段階的に進めています。課題だった手作業の排除や、分散していたデータの統合により、業務時間の大幅削減に成功した同社は、効率化の先にある戦略的データ活用に向け着々と歩みを進めています。

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背景
複数システムの乱立が生産性低下の原因に

家高 秀紀 氏
コベルコシステム株式会社は、神戸製鋼から受け継いだ「ものづくりや品質へのこだわり」とIBMの「優れたITノウハウ」を融合させ、そのシナジー効果を強みに事業を展開してきました。具体的には、情報システムの構想・計画段階から、設計、開発、保守・運用に至るまで、システムのライフサイクルの全局面をトータルでサポート。お客さまの課題に応じて、システムのカスタム開発やパッケージ導入を組み合わせてサービスを提供しています。
ERPパッケージの導入支援も手がける同社が、長年の間数々のプロジェクトで推進してきたのが、標準機能を最大限に活用し、業務プロセスをシステムに合わせる「Fit to Standard」です。「お客さまのプロジェクトでこのアプローチを推奨してきた会社として、自らが実践しないわけにはいきません」と家高氏が語るように、勤怠管理および人事管理に使用していた既存システムのリプレースにおいても、この考え方をベースにプロジェクトが進められました。
リプレースのきっかけはサポート終了であったものの、解決すべき課題を数多く抱えていたのも事実です。大路氏はこう振り返ります。
「勤怠管理においては、勤務時間と出社・リモートなどの勤務場所情報を別々のシステムに入力するなど、複数システムが乱立していたために、社員は同じ情報を別々のシステムに手入力していたり、人事側ではその整合性チェックに時間がかかっていたり、余計な手間が発生していました。しかも、社員から勤怠情報の提出があってからの作業となると、ミスや漏れに気づくのが遅れ、月末に差し戻し作業が集中してしまいます。そのほかにも、出退勤カードで打刻した時間がシステムに自動反映されず手入力が発生したり、月末まで所属長が部下の勤務状況を把握できず、メンバーのフォローが難しいなど、社員からも不満の声が出ていました」
取り組み
Fit to Standardのアプローチを重視

大路 ちなみ 氏
一元化を念頭に、勤怠管理、人事管理、ワークフロー、その先には工数管理や給与管理までを見据えて既存システムのリプレースに踏み切った同社は、これらの人事関連業務をワンストップでサポートする日立ソリューションズのパッケージソリューション「人事総合ソリューション リシテア」に着目。
「製品選定時に重視したのは、Fit to Standardのアプローチです。標準機能でカバーできる範囲が広く、社員にとってわかりやすいという点で『リシテア』を選定しました。『リシテア』は複数のコンポーネントで構成されており、必要な機能から始めて段階的に拡張できるため、プロジェクトを進めやすい点もポイントでした。また、今回は保守サポート切れがきっかけでのリプレースだったため、長く使い続けられる製品であることも重視しました。加えて、『リシテア』の導入ユーザー数の多さは大きな安心材料になりました」と家高氏は説明します。
他社からは「リシテア」より価格を抑えた提案もありましたが、「日立ソリューションズの提案は情報量が豊富で、こうだからこのぐらい費用がかかりますという裏付けがしっかりあり信憑性が高いと感じました。当社人事部で想定される工数まで現実的なレベルで計算されていて、いつどの程度の負荷がかかるのかを具体的にイメージできました。価格だけで選んでいたら、結局要件定義が長くなってしまうなど、コストも工数も想定以上に膨らんでいたかもしれません」と家高氏。
サポート終了期限を目前にして本稼働の遅延が許されない事情がある中、スケジュールどおりにプロジェクトを進められたことについて、大路氏は、「プロジェクトの人事部メンバーはシステム更改の経験がなく不安はありましたが、すべてにおいて日立ソリューションズがリードしてくれたので、安心してプロジェクトを進められました。それでも本稼働後は問い合わせが殺到することを覚悟していましたが、直感的で誰にでも使いやすいUIのおかげで、拍子抜けするほど静かなスタートでした」と評価しています。
「導入過程において、どうしても標準機能でカバーできない部分もありましたが、当社の就業規則の改定を行うことで対応しました。また、日立ソリューションズには労働基準法に詳しいメンバーもおり、システムの提案だけではなく、業務の運用方法の提案までしてくれたので非常に助かりました」と家高氏も喜びます。
効果
手作業を排除して業務時間の大幅削減に成功
同社では、優先順位の高い業務から「リシテア」の導入を進めており、現在は、就業管理、ワークフロー、人事管理、人財管理に関するコンポーネントの導入が一段落したところです。プロジェクトは道なかばとはいえ、早くも顕著な効果が現れています。
毎年実施している社員向けの満足度調査では、勤怠管理システムに対する満足度が前年比で16/100ポイント向上。ほかのどの項目より上昇率が高かったことからも、業務環境の大幅な改善効果が伺えます。実際、複数システムに同じ情報を入力する手間から解放されたことで、全従業員の業務時間において1年で約15人月の削減効果を実現しており、人事部側でも勤怠管理担当の派遣社員1名分の工数が削減。人事部が手作業で行っていた勤怠データ作成業務が自動化され、月間約12時間をかけていた作業も不要になりました。また、リアルタイムに勤務状況を確認できるようになり、残業時間が増加傾向にある社員への早めのアクションも可能になっています。
展望
効率化の先にある戦略的データ活用へ
この先には、依然として別システムで稼働している工数管理、さらにその先には、給与管理のリプレースが待ち受けています。いずれも手作業による負荷が非常に高い現状があり、さらなる業務効率化がもたらすメリットに期待が膨らみます。また、これらと並行して、導入済みのコンポーネントを活用したタレントマネジメントにも着手しています。
プロジェクトが完了し、業務のデジタル化を終えたコベルコシステムはデータ活用の本格化を見据え、人事DXの本質に斬り込んでいきます。会社の成長と価値創造につながるデータドリブン人事の実現に向けて、「リシテア」とともに歩みを進めていく考えです。
コベルコシステム株式会社
所在地 | 兵庫県神戸市岩屋中町4丁目2番7号 シマブンビル | ![]() |
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設立 | 1987年7月1日 | |
従業員数 | 1,790人(2025年4月1日現在、関連会社480人含む) | |
事業内容 | システムインテグレーション・コンサルティング・アウトソーシングサービス | |
URL | http://www.kobelcosys.co.jp/ |
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本事例の内容は2025年5月13日公開当時のものです。
最終更新日:2025年5月13日