北野建設株式会社様 RPA業務支援BPOサービスの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

RPA業務支援BPOサービスの導入事例

北野建設株式会社様

RPAに精通したSEの支援で「意識改革を伴う業務プロセス変革」が加速。定型業務の自動化を機に改革の機運が高まり年間2,000時間削減に成功

建設業を魅力あるものにするべく先陣を切ってDXを進める北野建設は、DX推進プロジェクトのフェーズ1として社内情報基盤システムの構築を完了し、業務効率化をめざしたフェーズ2に着手。RPAによる業務の自動化を進めるにあたり、導入、開発、活用拡大に至るまで、多岐にわたるRPA業務を経験豊富なSEが代行する「RPA業務支援BPOサービス」を利用。業務ユーザーを巻き込むことでRPAの内製化を加速させ、意識改革を伴う業務プロセスの変革に成功しています。

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この事例に関するソリューション・商品

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課題
効果
手作業で行っている業務プロセスが多い。作業の中には必要ではないものもあるが、従来どおりのやり方を継続
RPA化の検討を通じて社員の意識改革が進むことで業務プロセスの見直しが加速し大幅な効率化に成功
RPAに精通している人材がいないため、導入後の開発や効果的な活用に不安がある
導入時のレクチャーや問い合わせ対応、対面支援により社員のRPAの理解と主体的な運用を促し内製化が実現
他部門の業務内容に対する関心が低く、互いが抱えている課題や解決策を共有できていない
他部門の業務理解に基づき業務のやり方を再考するなど、組織の枠を超えて業務プロセス改革の機運が向上
RPAのプロフェッショナルが情報システム部門の負担を軽減し、内製開発をサポート

背景

業務効率化をめざしDXの第2フェーズが始動

千野 氏DX戦略推進本部
課長
千野 大輔 氏

長野県長野市に本拠地を置き、建築からまちづくり、土木事業まで、国内外で豊富な実績を有する総合建設会社の北野建設株式会社は、「未来を育てる人がいる」をコーポレートステートメントに掲げ、未来を切り拓く「人」にフォーカスした変革を進めています。特に、深刻な人財不足や長時間労働が課題となっている建設業界においては、働き手に新しい価値を提供できる魅力的な業界の実現が欠かせないとして、2020年より業界全体を牽引する覚悟でDXに着手してきました。

2022年には、日立ソリューションズを戦略的パートナーに選定するとともにDX戦略推進本部を立ち上げ、全社の生産性向上をめざしたDX推進プロジェクトが本格化。フェーズ1では、すべての従業員にとって魅力的で働きやすい環境の実現に向け、コミュニケーションツールの導入とリモートワーク環境の整備を完了させました。

続くフェーズ2では、当初のロードマップに従い、業務の効率化に向けた変革に着手。社内には手作業で行う業務が数多く存在しており、どのように効率化していくかが検討課題となりました。

「たとえば、複数システムをまたぐような業務では人による転記作業が発生し、モレやミスを招く原因になります。業務ユーザーはこれら一連の作業に違和感や疑問を持ちながらも、従来のやり方を守ることが重要と考えており、そこに課題感がありました。また、新しいツールを導入する際には、上からの指示だから使うのではなく、業務ユーザーが意思を持って主体的に使えるものがよいと考えていました」と千野氏は説明します。

取り組み

現場に寄り添うSE支援の利用でRPA化を加速

𡈽屋 氏情報システム部
課長
𡈽屋 智行 氏

日立ソリューションズからの提案もあり、業務の効率化を実現するためのソリューションとして、同社はRPAによる業務の自動化を選択。日立ソリューションズの「RPA業務支援BPOサービス」を利用してRPAの活用支援を受けることを決めました。導入、開発、導入後の活用拡大に至るまで、優れた技術力と豊富な経験、ノウハウを持つSEの支援を受けながら、業務のRPA化を最小限の体制とリソースでスムーズに進めることをめざしました。

また、今まで当たり前に続けてきた業務に対し、効率化の必要性を感じてもらうため、プロジェクトに業務ユーザーを巻き込み、RPA化の対象となる業務の洗い出しから一緒に検討を進めていきました。

こうした意識改革を伴う取り組みに際し、「自動化することが目的になってしまうと、本当は必要のない作業まで自動化することになりかねません。業務プロセスそのものを見直すためのRPA化であることを、意識的に伝えるようにしていました」と𡈽屋氏。

一方、日立ソリューションズは、対面支援のほか、問い合わせ対応、ロボットの作成や共通部品化の支援、社内認定資格試験の策定など、RPAの活用拡大を多面的にサポートしました。𡈽屋氏は、「RPAの仕組みや、導入したRPAツール( Microsoft Power Automate for Desktop )に知見が無い状態でプロジェクトがスタートしたので、日立ソリューションズによる技術支援なくしては進められませんでした。導入時の基本的なレクチャーに加え、毎月長野本社と東京本社に足を運んでもらい、対面で非常に満足度の高い講習を実施いただいたおかげで、社員の理解が一気に進みました。また、技術力を要するロボットの部品開発は、日立ソリューションズがスピード感を持って対応してくれました」と振り返ります。

効果

RPA化を機に業務の見直しが進み年間約2,000時間削減

2023年よりバックオフィス業務を対象にスタートしたRPA化は、同社に大きな成果をもたらしています。手作業で行う定型業務を大幅に削減できただけでなく、RPA化の可能性を見出した社員を中心に改革の機運が波及し、全体で年間約2,000時間もの削減に成功。「RPA化の検討を経て、無駄な作業に多くの時間を費やしていたことに気づいたり、作業の必要性そのものを問い直したり、RPA化しなくても業務のやり方を変えるだけで改善できる可能性を探ったり、業務ユーザー自身が問題意識を持つようになりました。全体で意識改革が進み、DXの推進力を底上げしていると感じています」と両氏。

RPAによる改善効果は社内の定例会を通じて組織横断的に共有しているため、他部門に気づきを与え、業務改善を促すきっかけにもなっています。𡈽屋氏は、「部門間の意見交換によって、他部門の業務を理解したうえで自部門の業務のやり方を変えるという事例も多く見られました。RPA化の可不可に関係なく、効率化できる可能性に気づき、行動するというようなムーブメントを起こせたことも大きな成果だと思います」と手応えを語ります。

また、業務ユーザーからの問い合わせ対応を日立ソリューションズが引き受けたことにより、情報システム部門に負荷をかけることなくユーザー自身が主体的に問題解決に取り組むようになったことも大きな変化です。情報システム部門は問い合わせ対応が減少しただけでなく、業務ユーザー自身にもRPA化のナレッジが蓄積されていき、結果として内製化が加速。業務改善のアイデアが成果につながる喜びは、本人のモチベーションにもなっています。

展望

より良い未来に向け「人」が変革の原動力に

バックオフィス業務を対象としたRPA化から着手した同社は、次に現業部門や営業部門の業務を対象にRPA化を進めていく計画です。現業部門は社員数が多いため、自動化が進めば大きな効果が見込めると考えており、2025年度末時点で年間約4,800時間の削減を見込んでいます。

「社員がRPA化の成果を役員にプレゼンしたとき、役員の発した『時代が変わったな』という一言が非常に印象的でした。それは、ITの進化に対する感嘆であると同時に、社員自らの意思で変革を起こしたことへの称賛の言葉だと思います」と千野氏。北野建設の強みは、まさに「人」。より良い未来を実現するための原動力が、ここにあります。さらなる変革を遂げるために、同社は引き続き日立ソリューションズと共に、RPAの可能性を追求していきます。

北野建設株式会社

所在地 長野県長野市県町524 北野建設株式会社
設立 1946年8月
従業員数 710名(2024年3月末現在)
事業内容 国内外の建設工事の企画・設計・施工管理・コンサルティングなど
URL http://www.kitano.co.jp/

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本事例の内容は2025年4月24日公開当時のものです。
※部署名は取材当時のものです。

最終更新日:2025年4月24日