Salesforce Sales Cloudの導入事例
JRCモビリティ株式会社様「Salesforce Sales Cloud」で営業活動を可視化し、部門全体の状況を的確に把握。タイムリーなアドバイスや人財の最適配分を実現
JRCモビリティの営業担当者は、受注後も出荷や不具合対応を担い、長期にわたる営業活動を行っています。こうした活動は営業マネージャーからは見えづらく、状況把握には対面でのヒアリングなど多くの労力が必要でした。そこで、日立ソリューションズの支援のもと「Sales Cloud」を導入。営業担当者の活動状況が可視化され、営業マネージャーはタイムリーなアドバイスやフォローが可能となりました。さらに、人財を最適に配分できるようになり、営業活動の効率化にもつながっています。
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背景
営業活動の可視化・効率化に取り組む
営業部 営業企画グループ グループ長片岡 秀一 氏
日清紡ホールディングスのグループ会社であるJRCモビリティは、無線通信技術とセンシング技術を強みとして事業を展開する企業です。主力製品のETC車載器に代表されるコネクテッド分野、周辺管理システムなどのセンシングシステム分野、地下鉄やトンネル内での携帯電話通信基盤などモビリティインフラ分野における各種製品によって、安全性と快適性を向上するソリューションを提供しています。
同社のDX戦略は、全社的な業務プロセスのデジタル革新を基軸に、受注・開発・生産をシームレスに連携する仕組みの整備に重点を置いています。その戦略実現の足掛かりとして、部門・拠点を横断した情報基盤の構築を進めており、最初のステップとして、営業部門内の情報基盤の整備に着手しました。同社の営業担当者は受注前の提案から、受注後の出荷状況把握、請求書などの発行、不具合対応まで担っており、スパンの長い案件が多い傾向にあります。
「営業部のマネージャーは営業担当者が現在、どういったフェーズでどのような活動をしているのか、困りごとはないかなどを把握し、適切なタイミングでアドバイスやフォローを行う必要があります。従来は、営業担当者から週報をメールで受け取って状況を把握していましたが、的確なフォローをするためには十分とはいえない状況でした」(片岡氏)
部内の情報共有も万全とはいえず、受注確度の判断は営業担当者の感覚に委ねられており、標準化されていませんでした。「営業担当者の活動を可視化し、より適切に案件管理をするための仕組みが必要でした。加えて、人財の有効活用にもつなげたいと考えました」と片岡氏は振り返ります。
取り組み
「Sales Cloud」導入で案件状況を可視化
同社は営業活動を可視化・管理するシステムとして、「Sales Cloud」を導入しました。片岡氏は「『Sales Cloud』はワールドワイドでの実績が豊富で、信頼がおけると思いました」と採用理由を話します。
導入パートナーには、日立ソリューションズを選びました。
「『Sales Cloud』を導入・活用している日立ソリューションズは、社内での実践を通じて蓄積した知見をもとに提案してくれたので、説得力がありました。自社に合った形で使いこなしていくために、試行錯誤を重ね、導入形態や活用方法を改善してきたプロセスなども参考になりました」と片岡氏は語ります。
同社は2024年2月にPoCを実施したのち、システム構築に取り掛かり、カスタマイズ開発も行いました。
「営業担当者の活動を可視化する機能を作成しました。顧客によっては複数年度にまたがる案件があるため、期間や個数などを明細に登録し、年度ごとの売上も把握できるようにしました。ホーム画面では営業担当者のタスクをはじめ、必要な情報を一画面で見られるようにしました」(片岡氏)
その後、追加改修などを経て、同年8月には本稼働を迎えました。「Sales Cloud」導入を支援した日立ソリューションズについて、片岡氏は「私たちのねらいを的確にくみ取り、数々のリクエストに着実に対応してくれました。情報共有や意思疎通に安心感があり、サポートも手厚くて助かりました」と評価します。
効果
営業担当者へのタイムリーなアドバイスが可能に
JRCモビリティでは「Sales Cloud」の導入によって、さまざまな効果が得られています。
片岡氏は営業活動の可視化について、次のように語ります。「営業担当者の活動が可視化されたことで、マネージャーが適切なアドバイスとフォローをタイムリーに行えるようになりました」
加えて、アドバイスやフォローにおける業務効率化という副次的な効果も得られています。「対面でヒアリングするために会社に戻る時間が削減されたのも効果の1つです。『Sales Cloud』のビジネスチャット機能を使えば、場所や時間を問わず手早く情報共有ができます。これまでヒアリングなどに要していた時間と労力を約半分に削減できました」と片岡氏は喜びます。
営業部門全体での人財配分に関して、「以前は、重点顧客かどうかを知名度や企業規模といった曖昧な基準で判別していましたが、今では『Sales Cloud』で売上実績が詳しくわかるため、数字を根拠に重点顧客を判別できています。これにより、限られた人財をどのように配分するかについて、より戦略的な調整が可能となりました」と片岡氏は話します。
営業部内の情報共有については、「履歴が個人にしか残らないメールと違い、『Sales Cloud』は全社的に履歴が蓄積されるので、営業担当者同士がこの仕組みを活用することで、売上につながるノウハウの共有が促進されることを期待しています。また、整理されたフォーマットに情報を入力することで、入力項目の標準化を図り、担当者が抱える課題などを共有しやすくします」と語る片岡氏。さらに、こうしたデータの標準化は、売上規模などの判断基準の策定にも生かせる見込みです。
展望
全社展開を視野に、さらなる活用を促進
今後は「Sales Cloud」のより効果的な活用を推進していくとともに、全社への展開も視野に入れています。
「『Sales Cloud』を生産部門をはじめとして全社に広げ、原価や在庫などのデータをリアルタイムで一元管理することで、受注・開発・生産をシームレスに連携したいと考えています。迅速な意思決定や的確な現場対応を促進し、経営基盤の強化をめざします。日立ソリューションズにはこれからも変わらぬ支援を期待しています」(片岡氏)
高度な情報通信技術分野などで多くの実績と強みを持つJRCモビリティのビジネスを、日立ソリューションズはこれからもITの力で支えてまいります。
JRCモビリティ株式会社
| 所在地 | 東京都中央区日本橋人形町2-31-11 | ![]() |
|---|---|---|
| 設立 | 2018年4月3日 | |
| 従業員数 | 232名(2025年1月1日時点) | |
| 事業内容 | 車載機器および通信機器・センサー関連の開発・製造・販売・サービス | |
| URL | https://www.jrc-m.co.jp/ |
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本事例の内容は2025年10月1日公開当時のものです。
最終更新日:2025年10月1日


