DroneDeployの導入事例
美津濃株式会社様360度カメラにより遠隔での進捗管理、品質管理を実現。スポーツ施設施工の現地調査や綿密な施工計画の実施を大幅に効率化
日本の総合スポーツ用品メーカーである美津濃株式会社では、陸上競技場や人工芝グラウンドなどのスポーツ施設の施工事業を手がけています。施工にあたっては現地調査が不可欠ですが、現地に足を運ぶとなると移動コストがかさむうえ、撮影した膨大な写真の管理も課題となっていました。そこで、360度カメラで撮影した画像の共有ができる建設業界向けの統合型プラットフォーム「DroneDeploy」を導入。遠隔での進捗管理、品質管理が行えるようになり、移動コストの大幅な削減と業務効率化を実現しています。
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背景
全国に散らばる現場の進捗管理方法に課題
スポーツ施設サービス事業部 事業企画管理部 工務課 課長伊藤 務 氏
いつの時代も、人々がより豊かで快適な生活を送るために、スポーツは重要な役割を担っています。美津濃株式会社(以下、ミズノ)は、1906年の創業以来、「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」を経営理念に掲げ、スポーツの価値を活用した商品やサービスを開発してきました。同社がめざすのは、スポーツの力で世界中の人々を幸せにすること。プレーヤーを支える用具だけでなく、快適な施設環境を整えることで、スポーツ環境の未来を創造することもまた、ミズノが長年担ってきた使命の一つです。
ミズノは、50年以上にわたるスポーツ施設づくりの実績と確かな技術力を生かし、陸上競技場や人工芝グラウンドなどの施工を手掛けています。特に、人工芝を採用する国内プロ野球球場では、トップシェアを誇ります。スポーツ施設の施工には高い精度と均一さが要求されるため、現地調査に始まり、綿密な施工計画と熟練した特殊作業員による多くの工程を必要とします。
同社スポーツ施設サービス事業部において、スポーツ施設の設計・施工を担当する伊藤氏は、こう説明します。「設計・施工にあたっては、事前に現地調査を繰り返し行い、より良い提案をめざします。その際、現地に足を運んで膨大な枚数の写真を撮影するのですが、撮り忘れたり撮り損ねたりすればムダな移動が発生します。しかも、当社の事業所は東京と大阪にしかないため、再び写真を撮りに行くとなると出張費用もかさみます。かといって想像で進めれば、後工程に歪みを生む原因となります」
また一方で、撮影した写真の管理も煩雑さを極めていました。膨大な枚数の中から必要な写真を探し出すには多くの時間と労力を要します。「撮影したはずの写真が見つからない、アップで撮った写真の撮影場所を特定できないなど、不確実な情報をもとに推測しながら進めるしかないこともありました」(伊藤氏)
取り組み
360度カメラで撮影した画像をシンプルに管理
スポーツ施設サービス事業部 事業企画管理部 工務課灘田 智裕 氏
解決策を求めていたところに、建設ICT系の展示会で情報を得たのが「DroneDeploy」でした。「DroneDeploy」は、ドローンや360度カメラを活用して現場をリアリティキャプチャし、計測や施工進捗管理を効率的に実施できる建設業向けの統合型プラットフォームです。今回ミズノが選択した「DroneDeploy Ground(グラウンド)」は、撮影した写真を位置情報も含めて図面と紐づけ、時系列で管理・共有できるのが特長です。
「これなら撮影した写真の管理方法を根本から変革できると確信しました。周りの評価も同様でしたし、360度カメラで管理できる仕組みにおいては競合が見当たらず、比較検討するまでもなく導入を決定しました」と灘田氏。現場での使い勝手についても、「これを使えない人は、もう何も使えないでしょう」と語るほど簡単で、スマートフォンと360度カメラさえあれば完結するシンプルさです。
「『DroneDeploy』の導入により、間違いなく移動コストを削減できます。業務効率化に直結するソリューションとしての期待が大きかったですね。また、昨今の写真は1枚の容量が膨大です。『DroneDeploy』はデータ量無制限のクラウドサービスなので、容量を気にする必要もありません。加えて操作性が優れているので、効率化への第一歩として最適解だと判断しました」(灘田氏)
効果
移動コストの削減と業務効率化に直結
導入後は、稼働している現場で週1回の定点撮影を行い、それを社内報告資料や参照資料として活用しています。当初の期待どおり、コストの削減効果は明らかです。毎週のように全国の現場を飛び回っていたところを、「DroneDeploy」なら遠隔で現場の進捗確認が行えます。撮影した写真は時系列で管理でき、進捗状況を速やかに把握できます。
「現場に足を運ぶ機会がほぼ半減しました。それだけでも相当な移動コストを削減できているはずです。また、内部監査の際にも、以前は監査人に遠方から来てもらい現場の状況確認をしていましたが、撮影した写真をもとに『DroneDeploy』がPDF形式のレポートを自動生成してくれるので、事前に書類を確認いただくことで、現地に行く必要がないケースも増えてきました。同様に、発注者さまへの報告書作成業務の負荷も大幅に軽減されています。工事のエビデンスという意味でも有効ですし、進捗確認のツールとしてだけでなく、最終的に工事の成果を報告書として提出すると、非常に喜ばれますね」と灘田氏は語ります。
伊藤氏も、「360度カメラで定点撮影することによって撮り忘れがなく、変化をすぐにキャッチできるので、お客さまへの提案資料の中で、管理方法の優位性をアピールできるのもメリットですね」と付け加えます。
展望
付加価値を生み出す効果的活用を模索
伊藤氏が「社内へのさらなる浸透を図りつつ、今後は他事業での活用の可能性も見出していきたい」と語るように、社内での横展開を見据えるミズノでは、ドローンの撮影画像から建設現場の3Dモデルや点群データを生成し、測量・分析が行える「DroneDeploy Aerial(エアリアル)」のトライアルも実施中です。ドローンで自動撮影した写真をアップロードするだけで、球場やグラウンド全体を俯瞰できる高精度な3Dモデルが自動生成されるので、360度写真では捉えきれない全体像の把握が可能になります。また、「距離や土量の計算など、土木的要素を網羅している点にも魅力を感じています。大型案件を中心に費用対効果を踏まえながら検討を進めていきたいですね。今後の可能性の拡がりを検討していく上で、DXやICT領域における良き相談相手として、日立ソリューションズが持つ多様なソリューション群やサポートにも期待しています」と伊藤氏。
これまでの常識に捉われることなく、スポーツ環境の未来を創造し続けるミズノ。その事業を支えるプラットフォームの一つとして、「DroneDeploy」がもたらす付加価値が注目されます。
美津濃株式会社
| 所在地 | 大阪府大阪市住之江区南港北1-12-35 | ![]() |
|---|---|---|
| 設立 | 1906年4月1日 | |
| 従業員数 | 3,649名(2025年3月31日現在) | |
| 事業内容 | スポーツ用品の製造・販売、スポーツ施設の運営、スクール事業 | |
| URL | https://corp.mizuno.com/ |
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本事例の内容は2025年12月2日公開当時のものです。
最終更新日:2025年12月2日


