株式会社ポニーキャニオン様 Fan-Life Platform 複数ファンクラブ管理版の導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

Fan-Life Platform 複数ファンクラブ管理版の導入事例

株式会社ポニーキャニオン様

複数ファンクラブの管理プラットフォームを日立ソリューションズと共同開発

総合エンターテイメント企業であるポニーキャニオンは、アーティストの有料ファンクラブを運営しています。そのための基盤としてかねてから使用していたのが、日立ソリューションズの「Fan-Life Platform」。この基盤を複数ファンクラブに対応できるものにしたいと考えた同社は、日立ソリューションズとの共同開発を実施。システムの内製化にも成功し、さまざまなファンクラブを短期間で立ち上げることが可能になりました。

メインイメージ

この事例に関するソリューション・商品

課題
導入後
従来の「Fan-Life Platform」では、ファンクラブごとにSaaS環境を構築する必要があった
複数ファンクラブを1つの基盤で運営できるようになり、コスト低減に加え共通ID化によるクロスセル施策も可能に
画面設計についての制約があり、エンタメ系コンテンツに向けた効果的な画面を作りにくかった
柔軟な画面設計が可能になり、アーティストの世界観を意識した外観や動画・SNSタグ埋め込みなどを実装
機能の追加・改修に時間を要するので、新しいニーズに追従していくことが困難だった
共同開発後は自社での機能改修ができるようになったため、サービスの拡張性や開発スピードが向上

背景

複数ファンクラブの管理が望まれていた

荒木 氏ライブ・ECソリューション本部 コンシューマビジネス部 2グループ ディレクター(兼)グッズMDグループ ディレクター
荒木 貴史 氏

株式会社ポニーキャニオンは、フジサンケイグループの総合エンターテイメント企業として、音楽、映像、コンサート、地域活性化などの事業に携わっています。また、ECサイトとしてポニーキャニオンショッピングクラブ(以下、PCSCと記載)も運営。CDなどの同社商品のほか、PCSCだけの商品や期間限定・数量限定のプレミアム商品なども販売しています。

さらに、一部のアーティストについてはファンクラブの運営も担当しており、2018年3月からは日立ソリューションズの「Fan-Life Platform」を基盤とした有料ファンクラブサービスも展開してきました。

ただ、同社が運営するファンクラブの数が増えるにつれて、従来の「Fan-Life Platform」では対応しきれない場面が増えてきました。

「費用面では、ファンクラブの数だけ『Fan-Life Platform』のSaaS環境を構築しなければならないという問題がありました。また、柔軟な画面設計が難しく、アーティストやWebデザイナーが意図するような画面デザインに対応できないことがあるという点も課題に感じていました」(荒木氏)

このような相談を受けた日立ソリューションズは、開発期間やコスト面などの点を踏まえ、複数ファンクラブ管理版の共同開発をポニーキャニオンに提案。2020年3月にプロジェクトを開始しました。

取り組み

複数ファンクラブ管理版を共同で開発

複数ファンクラブ管理版を作るにあたって、ポニーキャニオンは、複数ファンクラブ対応と画面デザインの自由化を基本的な機能要件として設定。共通IDとなるPONYCANYON IDを新設することと、従来と同様にPCSCと連携して代金の決済ができることも求めました。非機能要件としては、想定会員数は従来と同じ200万人、1時間あたりの最大会員登録数は従来の2倍に当たる3,000件、画面のレスポンスタイムは3秒以内などを設定しました。

さらに、共同開発完了後も、ポニーキャニオン側で機能を追加・変更できるようにすることを重視。同社のITエンジニアはアジャイル開発手法の1つであるスクラムや、開発ツールの使い方を、日立ソリューションズとの共同作業の中で習得していきました。

初版ができあがったのは、2022年5月です。この段階で1本の有料ファンクラブを稼働させ、2023年3月にはPCSCおよびアニメ通販サイト「きゃにめ」との連携を完了しました。

「稼働用のプラットフォームは、日立ソリューションズに用意してもらったPaaSを使っています。クラウドならライブチケット発売時などスパイクアクセスがあったときも処理能力を容易に増強でき、費用負担も少なくて済みます」(荒木氏)

効果

コスト面での課題をクリアし内製化も実現

複数ファンクラブ管理版が本格稼働したことによって、ファンクラブごとにSaaS環境を構築する必要がなくなったとともに、さまざまな有料ファンクラブを短期に立ち上げられるようになりました。

「新しいファンクラブの設定に要する期間は約2週間と、従来に比べると大幅に短縮できています。画面デザインも自由に定義できますから、動画やSNSタグを埋め込んだり、CMSと連携させたりするのも簡単です。会員IDの共通化もOpenID Connect方式で実現でき、効果的なマーケティング施策を打つための土壌ができあがりました」(荒木氏)

一方、ポニーキャニオンのITエンジニアにとって、複数ファンクラブ管理版の共同開発はスキルアップのよい機会となりました。開発プロジェクトのメンバーは設計・開発プロセスのスクラムを実地で体験できたほか、Spring FrameworkやJavaを習得するきっかけになりました。この経験は同社の今後のシステム開発にも生かせると荒木氏は考えています。

今後ファンクラブの数が増えていくにつれて、1本あたりのITコストは下がっていく計算になります。オムニチャネルに対応したOne to Oneマーケティングを実践できることと併せて、経営層からも大きな期待が寄せられています。

展望

社内展開を進めつつ、外部販売も計画中

経営層のそのような期待に応えようと、ポニーキャニオンでファンクラブの運営に関わっている部署では複数ファンクラブ管理版の社内展開を急ピッチで進めています。2023年9月と10月には、それぞれ1本のファンクラブを有料化して、開発したシステムに載せる予定です。同社のインターネットビジネス上で、個人情報を取得しているものについては、すべてをPONYCANYON IDに統一したいと関係者は考えています。

さらに、複数ファンクラブ管理版の外部販売も計画しており、販売や保守の体制を調整しながら、自らの経験・知見をビジネスに生かすことを視野に入れています。

「共同開発したことによって、社内の人員だけでやるよりも短期に作り上げることができ、知見やノウハウを蓄積できました。日立ソリューションズにはセキュリティチェックや品質管理の部門があるため、そういった技術力も信頼できました」(荒木氏)

One to Oneマーケティングの典型となる、ファンクラブなどの会員制ビジネス。日立ソリューションズはそれらを最適に運用するための製品やサービスの提供に加えて、協創による課題解決にも取り組んでいきます。

共通IDで複数のファンクラブを管理するCRMソリューション

  • 共通IDを会員に与えることにより、複数のファンクラブを1つのクラウドサービスで統合的に管理
  • 会員サイト立ち上げに必要な機能の標準提供によるクイックな立ち上げ
  • 共通ID化により会員の属性や行動履歴を収集・分析し、その結果をもとにデータマーケティングでファンを育成可能
共通ID化により、顧客行動情報の収集・マーケティングへの活用が可能に

共通ID化により、顧客行動情報の収集・マーケティングへの活用が可能に

株式会社ポニーキャニオン

所在地 東京都港区六本木1-5-17 泉ガーデンANNEX 株式会社ポニーキャニオン
設立 1966年10月1日
従業員数 466名(2023年3月現在)
事業内容 総合エンターテイメント企業として音楽、映像、コンサート、地域活性化などに従事
URL https://www.ponycanyon.biz/

この事例に関するソリューション・商品

導入事例ダウンロード

本事例の内容は2024年1月15日公開当時のものです。

最終更新日:2024年1月15日