活文 企業内検索基盤の導入事例
株式会社日立ソリューションズ生成AI活用で社内の情報検索・ナレッジ活用を変革。実現した年間14,000時間相当の効率化
社内に情報が分散し、目的の情報を探すのに多くの手間と時間がかかっている。日立ソリューションズは、この課題を解決するため、生成AIと連携して社内の情報を横断的に検索し、検索結果の要約も提示する「活文 企業内検索基盤」を導入。利便性とセキュリティを両立させるための改善を重ね、文書の検索・参照にかかる時間を年間14,000時間相当削減しました。「生成AIの有用性を実感した」という声が多く寄せられています。
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背景
膨大な汎用データと情報検索の属人化
業務革新統括本部 IT・DX推進本部DX基盤センタ 主任技師
藤本 学
日立ソリューションズでは、IT・DX推進本部を中心に全社的なナレッジ活用を推進しています。しかし、勤務状況やAI活用状況といった特定の目的で使用されるデータに比べて、社内ルールや福利厚生、プロジェクト資料(過去の事例情報)などの汎用的に使われるデータ(汎用データ)の活用は思うように進んでいませんでした。
「複数の場所に分散して保管されている膨大な汎用データを整理するには、IT・DX推進本部のリソースが不足していました」(藤本)
実際に、社員が汎用データを探す場面では、情報が複数のWebサイトやシステムに分散しているため、どこで検索すれば目的の情報を得られるのかがわからないという状況が生まれていました。その結果、知っていそうな人に直接聞く、Webサイトやシステムを何度も行き来して探すといった行動が常態化していました。
「情報検索スキルが属人化していたことは大きな課題でした。また、アクセスログの分析結果から、目的の情報を得るまでにかなり時間がかかっていることも把握していたので、もっと効率的に社内の情報を検索できるようにする必要があると思っていました」(原子)
さらに、大量に表示された検索結果を1つずつ開いて内容を確認する手間もあります。「検索しても見つからないし、手間がかかるだけ」というストレスが生まれ、全社的に生産性向上の妨げになっていました。
取り組み
利便性とセキュリティの両立
業務革新統括本部 IT・DX推進本部DX基盤センタ 技師
関口 裕貴
IT・DX推進本部がめざしたのは単なる検索機能の強化ではなく、情報検索そのものの変革です。課題解決に向け、既存システムはそのままで横断的な情報検索を実現でき、生成AIとも連携している自社製品「活文 企業内検索基盤(以下、「活文」)」の導入を決定しました。
今回特に重視したのは、生成AIの活用です。検索結果の文書一覧を表示するだけではなく、生成AIが検索結果の要点を提示することで、文書を開かなくても必要な情報が得られるようにしました。
しかし、試行段階で生成AI特有の課題も見つかりました。
「普段から使っている社内用語が問題になるとは思いませんでした」(関口)
ある社内用語がAIの安全フィルターに抵触し、回答が表示されないというケースがあったのです。また、検索ノイズや精度への指摘が社内から50件ほど集まりました。それらの課題に対し、バックアップファイルを検索対象外にしたり、検索対象の場所や種類、日付を絞り込めるようにしたりするなど、1つずつ対策していくことで完成度を高めていきました。
また、利便性と相反しがちなセキュリティ面にも気を配る必要があったと言います。
「さまざまなシステムを横断して幅広い情報を検索可能にするからこそ、情報の公開元が制限をかけているセキュリティ設定もきちんと拾い上げて、アクセス制御するところが重要でした」(関口)
IT・DX推進本部は、「私たちが困ることは、お客さまも同じように困るはず」と考え、自社製品の最初の利用者(カスタマーゼロ)になりました。実際の導入過程で得た勘どころや注意点を、製品機能やお客さま対応にフィードバックしています。
効果
年間14,000時間相当の削減
業務革新統括本部 IT・DX推進本部DX基盤センタ
原子 絵梨香
「本番公開後のアンケートでは、検索時間の短縮を実感した人は61%、AIによる情報提示の有用性を認めた人は70%に達しています。やはり生成AIによって、単に検索キーワードに一致した結果を表示するだけではなく、見落としていた別の情報の存在を気付かせてくれる付加価値への評価は高いです」(原子)
これまでは、どのシステムで情報を検索するかを考える必要がありましたが、「活文」の一元化された検索窓に質問文を入力するだけで、システムを横断した社内情報検索が可能となり、手間が大幅に削減されています。また、記憶を確かめるために情報を検索している社員は、生成AIが提示した要約を見るだけで疑問が解消されるため、非常に有用です。具体的な数字としては、導入前後のアクセスログを比較・分析した結果、文書検索・参照にかかる時間を年間14,000時間相当削減できたことが確認できています。
「『お客さまが生成AIを活用した社内の情報活用を検討される際、自社での実体験を語れることは大きい』と、製品担当部門からも言ってもらえたので、カスタマーゼロになって取り組んだ意義はあったと思います」(藤本)
製品担当部門は、今回のプロジェクトで、日立ソリューションズの内側から「IT部門が何を重視してシステム導入を進めるのか」や「利用者がどのようなシーンでどのような情報を求めているのか」といったインサイトを得ることができました。導入時に起こりうる技術的な課題や運用の定着を妨げる問題点をあらかじめ洗い出せたことは、今後のお客さまへの提案につながる成果と言えます。
展望
「ここで探せば答えが見つかる」の実現へ
現在、「活文」の検索対象は、約90サイトです。しかし、社内アンケートでは「さらに多くの情報を一括で検索できるようにして欲しい」という強い期待が寄せられています。
「検索対象の範囲を拡張していく方針です。将来的にはグループ会社の情報も横断して検索できるようにしたいと思っています。『ここで探せば答えが見つかる』と、多くの社員に信頼される社内情報検索の一元化を突き詰めていきたいです」(藤本)
生成AIの活用については、業務の具体的なアクションにつなげることを見据えています。「活文」で収集した情報をAIエージェントに連携して活用することで、社内に蓄積した情報を新たな価値を生み出す資産へと高めていきます。
株式会社日立ソリューションズ
| 所在地 | 東京都品川区東品川四丁目12番7号 | ![]() |
|---|---|---|
| 設立 | 1970年9月21日 | |
| 従業員数 | 単独5,162名、連結14,869名(2025年9月30日現在) | |
| 事業内容 | ソフトウェア・サービス事業、情報処理機器販売事業 | |
| URL | https://www.hitachi-solutions.co.jp/ |
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本事例の内容は2026年3月17日公開当時のものです。
最終更新日:2026年3月17日


