株式会社長谷工アネシス様・株式会社長谷工コミュニティ様 リーン・アジャイル協創型ソリューションの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

リーン・アジャイル協創型ソリューションの導入事例

株式会社長谷工アネシス様・株式会社長谷工コミュニティ様

システム稼働後の改修をリーン・アジャイル方式で実施して、ユーザーの要望に応える新バージョンを段階的・持続的にリリース

マンションの施工と管理で知られる長谷工グループでは、日立ソリューションズの支援によって、分譲管理マンションの居住者向けに提供しているポータルサイト・スマートフォンアプリ「素敵ネット」の再構築を実施。さらに、稼働後の改修に「リーン・アジャイル協創型ソリューション」を活用することで、管理組合や居住者の課題・要望を段階的かつ持続的に解決できるようになりました。

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課題
導入後
素敵ネットの有識者が退任したため、新たに発生したユーザーの要望に対応するためのシステム改修が困難になった
長谷工グループと日立ソリューションズのアジャイル組織が改修を担当することで、ユーザーの要望に柔軟に応える体制が整った
改修を試みるたびにシステムの動作が不安定になるので、改修要望への対応が滞っていた
システム再構築によって技術的課題が解決し、その後も継続的かつスピーディーに改修できる仕組みを整備できた
体制・アプリケーション双方で機能の追加や改修がしにくい状況にあり、ユーザーの要望に適切かつ迅速に対応することができなかった
四半期に1回は改修版をリリースできるようになり、ユーザーの要望への対応やリリース後の課題への対応が迅速になった

背景

専用ポータルサイトの改修が滞っていた

三田 氏株式会社長谷工アネシス 価値創生部門 IT推進部・ICT活用推進部 統括部長
三田 裕明 氏

マンション施工戸数No.1の長谷工グループは、2023年までに累計約70万戸を施工。分譲マンションの管理についても、長谷工グループ内の株式会社長谷工コミュニティが約39万戸を担当しています。

長谷工コミュニティは居住者向けにポータルサイト「素敵ネット」を2009年から提供しており、2代目として2016年からは利便性向上をめざし、ポータルサイトの見直しとともにスマートフォンアプリも用意しました。

ただ、新規事業開拓の一環として素敵ネットの改善に取り組んでいた長谷工グループ内のインキュベーターである株式会社長谷工アネシスにとって、このシステムを改修するのはやっかいなことでした。

「素敵ネットの有識者の退任によって改修が困難になり、なんとか改修してもシステムの動作が不安定になることが多く、その結果、いわゆる塩漬け状態になっていました」(三田氏)

システムがダウンしてしまい、マンションの共用施設を予約できないなど、サービスにも影響が及んだため、長谷工アネシスは以前から取り引きがあった日立ソリューションズに2代目素敵ネットの調査を依頼。全面改訂が望ましいとの提案を受けて、再構築を決断しました。

取り組み

再構築後の改修にアジャイル方式を採用

広瀬 氏株式会社長谷工アネシス 価値創生部門 IT推進部 企画・開発3チーム チーフ
広瀬 大二郎 氏

素敵ネットの再構築が始まったのは2018年10月。根幹部分は変更せず、使い勝手を高めるための機能追加や変更のみを行うことによって、安定稼働をめざしました。

完成した3代目素敵ネットは2020年9月に本稼働を開始。10月からは、稼動後のさまざまな改修に「リーン・アジャイル協創型ソリューション」のノウハウを活用し始めました。

「一般ユーザー向けのWebサイトやスマホアプリは短期に更新を繰り返すのが一般的です。仕様を固めてから改修するより、最初は完成度が低くてもブラッシュアップを繰り返すアジャイル方式のほうが早くゴールできると考えました」(三田氏)

改修の主体となるアジャイル組織は、長谷工アネシス・長谷工コミュニティ・日立ソリューションズの3社で構成。ミーティングを毎週開催し、長谷工コミュニティが提起した課題について、長谷工アネシスが主体となり3社で議論の上で実施の優先順位を決め、日立ソリューションズの開発チームがシステム化するという役割分担で作業を進めました。

「従来のウォーターフォールとはかなり違うやり方なので、最初は戸惑いもありました。けれども、日立ソリューションズの担当者に相談したり、プロジェクトに参画したりしていくうちに、進め方に慣れることができました」(広瀬氏)

効果

四半期ごとの更新リリースが可能に

荒木 氏株式会社長谷工コミュニティ 業務推進部 部長
荒木 法行 氏

再構築後の素敵ネットは安定稼働しており、改修をアジャイル方式で行うことによって、基本的には四半期ごとの更新を実現しています。管理組合や居住者の要望を反映したポータルサイトとスマートフォンアプリは、3カ月ほどの周期でリリースされています。

「実績として、約2年間で10回の更新をリリースできました。従来の方式では完成したシステムの内容が思っていたのと違うということもありましたが、アジャイル方式で改修することによって、ユーザー部門との認識の齟齬に早く気づきやすくなったという実感があります」(広瀬氏)

管理組合と直接やり取りをする長谷工コミュニティにとっても、安定稼働と迅速な改修はサービス向上につながる安心材料となっています。

「毎週のミーティングでは、運用上の悩み事や管理組合様からのご要望、当社のフロント担当者が気づいたことなどを運用チームから伝えています。以前に比べて、意思疎通はとてもスムーズになりました」(荒木氏)

長谷工コミュニティで管理対象物件(分譲マンション)の増加が続いているという背景もあり、素敵ネットの利用者数は3代目に替わった2年間で倍増しています。管理組合理事会の議事録や管理規約、マンション内での各種イベント通知などのマンション生活に関わるさまざまな情報を提供・発信したり、共用施設の予約受付や抽選を行ったりと、多様なサービスを管理組合と居住者に提供しています。

展望

基幹システム連携にもアジャイルを適用

このような成果を確認した長谷工アネシスは、素敵ネットなどの居住者向けサービスや一般ユーザー向けの他サービスについてはアジャイル方式で改修したほうがよいと判断しています。

また、半年から1年かかる大型の改修についても、素敵ネットではアジャイル方式を適用しています。2024年6月には、3代目初の大型改修となる長谷工コミュニティ様の基幹システムとの連携が開始する予定です。

この基幹システムとの連携は、従来は紙ベースだった月次管理事務報告などの管理会社から管理組合への報告書類をペーパーレス化して、管理会社と理事会の間のコミュニケーションを円滑にすることがねらいです。印刷・郵送の手間と経費を省くだけでなく、フロント担当者が管理組合への提案により多くの時間を割けるようにすることもめざしています。

「日立ソリューションズの対応は慎重で、言ったことは絶対にやり遂げます。ですから信頼していますし、成果にも満足しています。われわれの立場に立って要件定義を一緒にしてくれましたし、プロジェクト管理も堅実でした」(三田氏)

顧客とともに試行錯誤し、早い段階で形にしていくのが、「リーン・アジャイル協創型ソリューション」。先が見えない時代のシステム開発を、日立ソリューションズは蓄積したノウハウを生かして、顧客企業を支援していきます。

企画・アジャイル開発・運用の協創サービス

  • 不確定要素の多いテーマにリーンアプローチを適用し、小さな成功を積み重ねて大きな成功に到達
  • 協創コンサル(企画)、協創パイプライン(開発)、協創オペレーション(運用)を丸ごとカバー
  • アジャイル開発によって改善や新機能追加の小刻みリリースを実現し、顧客満足度を常に高く維持
「リーン・アジャイル協創型ソリューション」イメージ図

「リーン・アジャイル協創型ソリューション」イメージ図

株式会社長谷工アネシス

所在地 東京都港区芝三丁目8番2号 株式会社長谷工アネシス
設立 2003年4月1日
従業員数 100名(2023年11月1日現在)
事業内容 長谷工グループのインキュベーターとして、新規事業の創生・実証を推進
URL https://www.haseko.co.jp/ha/

株式会社長谷工コミュニティ

所在地 東京都港区芝二丁目6番1号 株式会社長谷工コミュニティ
設立 1978年9月7日
従業員数 1,306名(2023年4月1日現在)
※上記のほか、管理員等5,666名
事業内容 マンション管理、リフォーム、施設・ビル管理、駐車場、レンタルオフィス
URL https://www.haseko-hcm.co.jp/

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本事例の内容は2024年1月22日公開当時のものです。

最終更新日:2024年1月22日