人事総合ソリューション リシテア シリーズの導入事例
リクルートグループ様十数年の進化と活用を経て、就業管理システムの新バージョンを導入。
グループ各社を含め、より効率的な人事業務を実現。
世界中の産業界と生活者に「まだ、ここにない、出会い。」を提供するリクルートグループ。
2000年にリシテアを導入し、リクルート独自の仕様を備えたシステムへと進化させながらフルに活用してきました。
今回は、そのバージョンアップへの取り組みをご紹介します。
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旧バージョンの利用状況
2000年からリシテアを利用し、企業の成長とともに継続して機能拡張を実施。
リクルートグループ(当時:株式会社リクルート)が、それまでの紙ベースでの就業情報管理をやめ、リシテアを導入したのは2000年。
以来、Webブラウザによる簡単な操作で、タイムリーに就業情報の参照・入力・承認が行えるようになりました。
また、人事給与グループが抱えていた様々な問題も解決されました。
- 入力時の自動チェック、未入力者のリストアップなどにより、入力ミス・モレを削減。
- Webブラウザがあれば、遠隔地からでも入力・承認できるため、各拠点・部署からの提出遅れが解消。
- 就業情報の閲覧、有給休暇残日数の確認などが各自のパソコンから可能になり、人事業務担当者の負担が軽減。
- 入力情報はデータベースで一元管理され、集計をリアルタイムに表示できるため、状況の把握が容易。
- 外部の企業に委託していた入力・集計作業は一掃され、コストを大幅に削減。
- ペーパーレス化により、書類の保管スペースと費用を一掃。
- 異動、転勤、勤務形態の変更には、パラメーターの設定など、容易な作業で迅速に対応。
- 人事管理システムとの連携により、データの一元化を実現し、精度も飛躍的にアップ。
その後、リシテアは、働き方の多様化、企業の成長に合わせ、機能を拡張。労働基準法の改正に対応する残業アラーム、基幹システムとの連携を考慮した独自機能 TC(タイムカード)区分、社屋の入退館システムとの連携など、度重なる拡張、カスタマイズを実施。リクルート独自の仕様を備えたリシテアへと進化しながら、常に安定稼動していました。
その頃、社内では、人事システム再構築というテーマを掲げたプロジェクトがスタート。検討の結果、人事給与システムのリプレースが決定。これに伴い、勤怠管理についても根本から見直すことになり、チームが編成され、スタートすることになりました。
検証・決定のプロセス
積み上げてきた要望、コスト、手間をトータルに捉え、バージョンアップを選択。
勤怠管理を担当するチームは、[今回リプレースする新・人事給与システムと同じシリーズの就労管理システム][リシテアのバージョンアップ]という2つの手段を検討。その結果、新・人事給与システムと同じシリーズの就労管理システムは、機能的に要件を十分に満たしていないと判断しました。
リシテアについても、あらためて精査しました。
リクルートグループにおいてリシテアは…
- 利用者への浸透度が高い。
- 歴代の人事部門により多くのオプションが装着されている。
これらのポイントとともに、かかるコストや手間を含めて、トータルに検証した結果、リシテアのバージョンアップに決定しました。
構築・適用時の取り組み
軌道修正がありながらも、終始遅延なく進行。
リシテアのバージョンアップを決定後、以下のポリシーを掲げました。
『これまでカスタマイズやアドオンで実現してきた機能を、どうすべきか再考・再検討する』
このポリシーに基づき、日立ソリューションズでは、これまで取り組んできたリシテアの導入から運用までの歴史を調査し、新旧リシテアの違いを比較。リクルートグループの要件を踏まえたフィット&ギャップのシートを作成しました。
リクルートグループでは、このシートをもとにリシテア新バージョンの仕様を再チェック。旧バージョンではカスタマイズやアドオンでの対応となっていた多くの機能が標準搭載されていることを知り、今回ほとんど不要であると判断しました。
フィット&ギャップのチェックにより、仕様がほぼ確定した段階で、日立ソリューションズは新機能のプログラム開発に着手。再構築プロジェクト全体のスケジュールに合わせるため、開発期間の設定は短期。そのため作業を急ピッチで進め、一気に間に合わせていきました。
しかし、この段階で一つの大きな出来事が発生しました。リクルートの分社化です。グループの中核事業会社であったリクルートがリクルートホールディングスに社名変更し、新たに8企業が分社独立することになりました。当初のスケジュールでは、カットオーバーのタイミングを分社前に設定していたため、進め方とスケジュールを再度調整。データの管理・連携などについても見直し、調整する必要が出てきました。
こうした他チームの影響や分社化対応により、軌道修正が度々発生しましたが、メンバーが各々のタスクを高い意識を持って対応することにより、タスクの抜け漏れやスケジュール遅延等なく、プロジェクトを推進していきました。
バージョンアップ後の効果
利用者には、よりわかりやすく、グループ各社の人事業務には、より効率的に。
リクルート分社後のリシテア利用者は、グループ9社で約8000名。新バージョンへの移行は、きわめてスムーズに実現されました。
リシテアは、旧バージョンが備えていた機能を実現させながら、さらに進化して効果を発揮しました。
具体的には…
- 入力画面の遷移など、機能がシンプルに見えるようになりました。
たとえばログイン後の画面遷移。
旧バージョンでは、各自が属性に合わせてメニューを選択する仕組みであったため、3つの入口を設定していましたが、バージョンアップ後は1つに集約しました。 - わかりやすさ、使いやすさの効果は、人事部門、システム運用部門への反応にも表れました。
通常、新システムのカットオーバー直後に多くなる、利用者からの問い合わせはほとんどなし。
月末の締め日近くへの集中も懸念されましたが、結果、人事部門、システム運用部門が対応に追われることはありませんでした。 - グループ各社の人事業務にも効果を発揮し、変化をもたらしました。
旧・人事給与システムで実施していた勤休日次データの保持などをリシテアが担うことになった結果、従来2~3時間かかっていた勤休日次明細データの出力を5分程度に短縮。
その他にも、様々なレベル・角度でデータをまとめ、利用できるようになりました。
日立ソリューションズは、その時々の状況や事情を勘案した対応、様々な要望・問題に対する適切な解決策の提示、“仕様です” “マニュアルを見てください”といった杓子定規な回答を行わない姿勢などの取り組みを通じて、リクルートグループの勤怠管理チームとの信頼関係を構築することができました。
今後の展望
よりきめ細かな人事管理を実現する機能や仕組みづくりへ。
リシテアは、次の段階として、さらに利用価値を高めるためのブラッシュアップを計画。グループ各社の人事業務担当者や、マネージャーの期待に応えていくため、よりきめ細かな人事管理を実現する機能や仕組みづくりがメインになります。
従業員向けの機能や仕組みづくりとしては、当初・当面の目的はほぼ達成できました。今後は、スマートフォンやタブレット端末からの利用環境の構築など、いずれ必要となる時期の到来に備えます。
リクルートグループ[Recruit Group]
情報誌やWebサイト、カウンターサービスを通じて、生活者の方々の不満や不便、不安などといった「不」を解消し、新しい雇用の創出や 消費拡大につながる行動をお手伝いしてきました。
リクルートグループが社会に果たしている「産業界と生活者のベストマッチングを生み出す」ことは、ITの時代になっても変わることなく根源的な役割だと考えています。商品サービスが、それぞれナンバー1の支持をいただく存在であり続けると同時に、それを国内だけでなくグローバルにも展開していくことで、これまで以上に、生活者と産業界に「まだ、ここにない、出会い。」を提供していくことを目指します。
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内1-9-2(株式会社リクルートホールディングス) | |
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創業 | 1960(昭和35)年3月31日 | |
グループ従業員数 | 22,368名(2012年3月末時点) | |
事業内容 | 情報サービス | |
URL | http://www.recruit.jp/ |
私たちが担当しました
2000年の初期導入では、当時Web化した勤怠管理システムとしての実績も少なく、当社との取引実績も無い中で、リクルート様にリシテアをご採用いただいたことは、私たちにとって本当に大きな出来事であり、深く感謝しております。
プロジェクトを推進していく中で、リクルート様のご発展とともに、継続して機能拡張をしてきた背景や歴代のご担当者様が本システムに込めた想いに触れ、今後も末永くご利用いただけるシステムを構築したいと強く思いました。
本プロジェクトは、同時進行している他システムとの連携や短納期の開発スケジュール、分社化対応等、非常に難易度の高いプロジェクトでしたが、リクルートの皆様による的確かつ素早い意思決定と関係各部門への強いリーダーシップにより、予定通り無事本稼動を迎えることができました。
今後も、お客様のご期待に応えられるように、そしてさらに良い提案ができるよう、取り組んでいきます。
株式会社日立ソリューションズ
APソリューション本部 リシテアソリューション部 塩野 雄亮
APソリューション本部 リシテアソリューション部 髙間 智明
APソリューション本部 リシテアソリューション部 高橋 克嘉
APソリューション本部 リシテアソリューション部 八島 央彦
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本事例の内容は2013年2月18日公開当時のものです。
最終更新日:2013年2月18日