清水建設株式会社様 Automation 360の導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

Automation 360の導入事例

清水建設株式会社様

※「Automation Anywhere Enterprise A2019」は「Automation 360」に名称が変わりました。本事例内容は公開当時のものです。

RPAツールを1つに集約して全社展開。統合管理を実現し、効率的な運用が可能に

大手ゼネコンの清水建設株式会社は、日常業務のデジタル化に活用していたソフトウェアロボット(RPA)を1つに集約して全社展開しました。そのためのソリューションとして「Automation Anywhere Enterprise A2019(以下、Automation Anywhere)」を採用。システムは2020年11月4日に本稼働し、全社のロボットを一元管理する方式で開発と運用を開始しています。
*Robotic Process Automation

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この事例に関するソリューション・商品

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課題
導入後
各部門で個別にロボットを開発・稼働させていたので、部門間での共有や共通化ができていなかった
開発・運用ルールと管理サーバーでのモニタリングによって、一元管理が可能に
社内に複数種のRPAツールが散在し、情報システム部が効率的にサポートできなかった
サポート対象のRPAツールを1つに集約し、短時間で正確な回答を返せるように
複数種のRPAツールを部門ごとに導入していたので、ライセンスコストが割高になっていた
RPAツールの一本化により、ライセンスコストを低減

背景

RDAの展開では効果が限定的

赤木 氏デジタル戦略推進室 情報システム部
部長
赤木 和彦 氏
川田 氏デジタル戦略推進室 情報システム部 事務系システム開発グループ グループ長
川田 彰信 氏

「当社でのソフトウェアロボット(RPA)ツールの取り組みは2017年から始まりました。当時は、各部門レベルでRPAを選定・導入・活用を行い、部門の業務の効率化には一定の効果を上げることができました」

清水建設でデジタル戦略推進室・情報システム部の部長を務める赤木氏はこう振り返ります。

それから約2年――。ロボットの総数は清水建設全体で約100体へと増えましたが、同時に、いくつかの課題も見えてきました。

「複数種のRPAツールを契約していたのでライセンスコストが割高になっており、情報システム部での効率的な技術サポートも難しい状態でした。また、各部門で作られているロボットを全社レベルで管理する仕組みがなかったため、部門間の共有や共通化もできていませんでした」(川田氏)

こういった状況でロボットの開発と活用を進めても、限定的な効果しか得られないと考え、2020年にデジタル戦略推進室内にRPA推進チームを立ち上げました。ロボットの開発、稼働、運用管理までを一元的に管理する体制を整えるとともに、RPAツールの検討を開始し、「一元管理に強いRPAツール」の選定を進めました。

*Robotic Desktop Automation

取り組み

一元管理に強い「Automation Anywhere」を選択

西岡 氏デジタル戦略推進室 デジタル化企画部 企画グループ
西岡 直輝 氏

RPA推進チームでの検討をスタートさせたのは、2019年12月のことです。「全社レベルで管理できるサーバーベース製品であること」「ロボット開発はRPA推進チームと現場の部門、どちらでもできること」「複数ロボットが並行動作できること」「大規模ユーザーでの稼働実績があること」などを要件とし、2020年7月にITベンダー各社へ打診したところ、3社からの提案がありました。

「その中で当社の要求に最もよく応えていたのが、日立ソリューションズの『Automation Anywhere』に関する提案でした。すでにある100体のロボットをAutomation Anywhereへ書き換えるプランの提案も高評価につながり、RPAのリプレイスが決定しました」(西岡氏)

採用が決まったのは、2020年8月。その後は、本番環境と開発環境の構築と並行して、全社展開するための体制を整えていきました。

「まずは、管理サーバーを構築し、本番環境と開発環境を用意しました。開発用パソコンの一部はいくつかの部門にも配布し、日立ソリューションズとともに動作検証や開発・運用ルールの策定を進めました」(上野氏)

さらに、ロボットに関する情報をまとめた全社ポータルサイトを開設しました。

「ここでは、開発プロセスの運用ルールやロボットのサンプル、開発時のFAQなどを公開しており、開発・運用に関するノウハウを全社で情報共有できるようになりました」(太田氏)

効果

ロボットを一元管理する仕組みが完成

上野 氏デジタル戦略推進室 情報システム部 事務系システム開発グループ
上野 栞 氏

「Automation Anywhere」をベースとする清水建設の新しいRPA活用の仕組みは、2020年11月4日に正式稼働を開始。ロボット開発・運用についての新ルールも同時にスタートし、新規開発時と本番環境への登録時にはRPA推進チームへ申請するという運用が始まりました。

「当社にとって第2ステージといえるRPAツール活用フローが完成したことで、ロボット部品の共通化が可能になり、管理から漏れる“野良ロボット”の発生も防げるようになりました。先日開催した社内発表会でも各部門からは歓迎する声が上がっており、第2ステージのスタートは順調であると考えています」(赤木氏)

すでに使われていた約100体のロボットについても、日立ソリューションズのサポートを受けて「Automation Anywhere」用に書き換えを進めています。また、書き換え完了後に旧RPAツールの契約を廃止することで、ライセンスコストの低減にもつながります。

全社のロボットの状況を管理サーバーでいつでもチェックできる「Automation Anywhere」は、RPA推進部門にとって管理しやすいRPAツールです。社内向けのサポートについても、日立ソリューションズの支援があったため、寄せられた質問に対して正確な回答を短時間で返せるようになりました。

展望

間接業務の15%自動化が目標

太田 氏デジタル戦略推進室 情報システム部 事務系システム開発グループ
太田 麻美 氏

「Automation Anywhere」を「標準RPAツール」に位置づけている清水建設は、各部門への展開と並行して、建設現場の事務所である作業所やグループ企業にもロボットを広めようと考えています。また、2021年度からは、RPA推進チームの体制が強化され、部門内での開発が困難な場合に開発依頼を受け付ける運用をスタートさせます。

「ロボットの開発と運用についてのノウハウを共有してもらうなど、日立ソリューションズの支援に助けられています。東京の本社だけでなく、国内各地の拠点でもサポートを受けられるので、全国に事業所がある当社にとって心強く感じています」(川田氏)

将来的には、繰り返し行う単純作業やデータ作成・集計など間接業務の15%を自動化するのが、清水建設がめざすRPAツール活用の目標です。その達成に向けて、これからも日立ソリューションズによる業務自動化の支援がますます期待されています。

社内のソフトウェアロボットを一元的に管理

  • パソコンで稼働しているすべてのロボットの状況を、管理サーバーから集中モニタリング
  • RPAツールの全社統一により、ロボット部品の共通化や既存ロボットの再利用を実現
  • ロボットの全社展開に欠かせない開発管理・実行管理のノウハウを日立ソリューションズから習得
ロボット開発から実行までの流れ

清水建設株式会社

所在地 東京都中央区京橋二丁目16番1号 清水建設株式会社
設立 1804年(創業)、1948年(現商号)
従業員数 10,384名(単体、2020年3月31日現在)、16,297名(連結、2020年3月31日現在)
事業内容 建設事業(建築・土木・海外建設)を中心に不動産開発事業、エンジニアリング事業など
URL https://www.shimz.co.jp/

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本事例の内容は2021年4月22日公開当時のものです。

最終更新日:2021年6月2日