株式会社デンソー様 ServiceNowの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

ServiceNow®の導入事例

株式会社デンソー様

「ServiceNow」で社内システムのプラットフォームを構築。運用DXの推進でヘルプデスク対応約1,250時間/月削減を実現

自動車部品メーカーであるデンソーは、グループ17万人の社員が日々利用する社内システムのヘルプデスクにおいて、問い合わせの窓口やプロセスが統一されていないなどの課題を抱えていました。その解決のため、日立ソリューションズの支援のもと、「ServiceNow」を導入。窓口の一元化やプロセスの標準化を達成し、対応に要する時間を月当たり約1,250時間削減するなど、数多くの効果を得ています。

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課題
効果
問い合わせの窓口がシステムごとに異なっており、ユーザーの負担が大きい状況を改善したい
全システムの問い合わせ窓口を「ServiceNow」で一元化し、ユーザーはポータルで進捗状況を確認できるようになった
問い合わせの対応プロセスが統一されておらず、ユーザーもIT部門も使い勝手が悪い状況を解消したい
プロセスの標準化と効率化により、月間約1,250時間の対応時間の削減を達成
問い合わせの実績や傾向を視覚化し、分析する際、データエクスポートなどの手間を減らして効率化したい
問い合わせ状況をダッシュボード上でグラフ化でき、傾向などの分析に要する工数が大幅に削減
Platform としての ServiceNow 活用

背景

ヘルプデスクの最適化が課題

高林 氏IT基盤推進部 ユーザサポート室 サービスデスク課長
高林 直行 氏

デンソーは2023年度の売上収益が連結で7兆1,447億円にのぼる世界有数の自動車部品メーカーです。

同社のシステムは、国内外のグループ会社を含め、約17万人ものユーザーが利用しています。製造業のため多種多様な職種があり、ユーザーのITスキルに幅があるのが1つの特徴です。

高林氏はそういった事情を踏まえ、「私たちIT部門は、すべてのユーザーが高い生産性のもとで幸せに仕事ができるよう、ITを有効活用できる体制をめざし、運用のDXに取り組んでいます」と話します。

同社は2020年、運用のDXの一環として、ヘルプデスク業務の最適化に取り組みました。システムの高度化が進むなか、ヘルプデスクの課題が顕在化していたためです。

「従来はトラブルなどの問い合わせ窓口や手段が、システムごとに異なっていました。しかも、対応の進捗状況がユーザーには把握できなかったため対応のフォロー連絡をいただくことも多く、ユーザー・IT部門ともに少なくない時間と労力を費やしていました」(山本氏)

従来、IT部門内では問い合わせの進捗や履歴をグループウェアで管理していました。「手順は整備していたものの、運用が煩雑で対応が埋もれてしまうこともありました。傾向などの分析はグループウェアからデータをエクスポートして表計算ソフトで行っていたため、リアルタイムでの見える化や、よりプロアクティブかつ効果的な分析ができないかと考えていました」と山本氏は振り返ります。

このようにユーザー、IT部門ともにプロセスが標準化されておらず、生産性や満足度向上のための変革が求められていました。

取り組み

「ServiceNow」で窓口一元化

山本 氏IT基盤推進部 ユーザサポート室 サービス企画課 担当係長
山本 万里 氏

同社はこれらの課題を解決すべく、ITSM(IT Service Management)ツールの導入に踏み切りました。山本氏は選定の方針を「対応の効率化や品質向上のためにITSMの業界標準に極力合わせることとし、業務プロセスそのものの見直しから始めることにしました」と語ります。

2020年12月、複数製品を比較検討し、「ServiceNow」の採用を決めました。山本氏は選定理由を「ITSMのデファクトスタンダードであり、世界中で広く使われている製品だからです。コードを書かなくても標準の設定変更だけで対応できる範囲が広い点、ITSM以外の領域にも利活用できる拡張性の高さもポイントでした」と述べます。

導入を支援するベンダーには、日立ソリューションズを選びました。「導入実績が豊富な『ServiceNow』パートナーで、技術力の高さやノウハウの豊富さが信頼できました」と山本氏は話します。

2021年6月からスタートした開発では、ユーザーのチケット起票や進捗確認などの各種機能を「ServiceNow」の標準機能で実装し、カスタマイズはポイントを絞って行いました。一例が、過去にあった同様の問い合わせをFAQにし、自動表示する「ナレッジ」機能です。

「ナレッジはユーザーが気付きやすいように表示を調整しました。標準機能とカスタマイズのバランスを考えながら開発を進めました」(山本氏)

ServiceNow ポータル画面/画像提供:株式会社デンソー

ServiceNow ポータル画面/画像提供:株式会社デンソー

効果

生産性と従業員満足度を向上

佐藤 氏IT基盤推進部 ユーザサポート室 サービスデスク課
佐藤 雅大 氏

2021年9月、まずは約40システムから利用をスタートしたところ、早速狙い通りの効果が得られました。

「問い合わせ窓口を一元化できたことで、ユーザーは探し回ったり迷ったりすることなく、スムーズに問い合わせができるようになりました。進捗がポータルで確認できるので、ユーザーは安心感を持てます。ナレッジ機能によって自己解決も増えて、ユーザーもIT部門も大幅に効率化できました」(佐藤氏)

高林氏は、「問い合わせ1件当たり、約5分の時間を削減できています。問い合わせ件数は月間で約15,000件のため、概算で月に約1,250時間の削減が見込めます。段階的に全システムへ展開していくので、これからさらに大きな効果が出るでしょう」と強調します。

ユーザーとともにIT部門のプロセスも標準化され、生産性向上を果たしています。「問い合わせメールのチケット自動起票などにより、対応が埋もれるなどの事態はなくなり、業務効率化と品質向上を達成しました。くわえて、ダッシュボード機能によって問い合わせの実績や傾向を素早く簡単にグラフ化できるため、改善策をすぐに実施できるようになりました」と山本氏は話します。

同社はITSM導入とあわせて、CMDB(Configuration Management Database)も「ServiceNow」で構築しています。

展望

ワークフローの最適化にも活用

「ServiceNow」の導入を支援した日立ソリューションズを佐藤氏は「ITSMの知識や経験がなかった私たちは、要件をなかなか固められませんでした。日立ソリューションズはそんな私たちに寄り添い、柔軟に提案してくれました」と評価します。

今後はITSMの機能をより広く深く活用したり、適用範囲を海外拠点に広げたりする予定です。並行して、生成AIによる対話形式の操作など、ITリテラシーの差に左右されることなく、誰にでも使いやすいシステムにブラッシュアップする構想もあります。

さらに、「ServiceNow」のHRSD(HR Service Delivery)導入の検証も始めています。ユーザーが配属された際、業務PCやアカウントの手配などは、従来は窓口が分かれていて、ユーザーが自分で申請する必要がありました。

「HRSDによって申請の窓口を一元化し、プロセスを標準化・自動化します。システム中心ではなく、人中心の仕組みに変えることで、生産性や従業員満足度の向上を狙います。そのためには日立ソリューションズの支援がこれからも必要です」(高林氏)

ものづくり企業として世界から信頼されるデンソーのビジネスを、日立ソリューションズはこれからもITの力で支えてまいります。

株式会社デンソー

所在地 愛知県刈谷市昭和町1-1 株式会社デンソー
設立 1949年12月16日
従業員数 連結 162,029名
事業内容 エレクトリフィケーションシステムをはじめ、自動車関連分野を中心とした幅広い領域において7つの事業を展開
URL https://www.denso.com/jp/ja/

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本事例の内容は2025年5月7日公開当時のものです。

最終更新日:2025年5月7日