クラレエンジニアリング株式会社様 StructionSiteの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

StructionSiteの導入事例

クラレエンジニアリング株式会社様

360度カメラで撮影した建設現場の動画からAIが画像を生成し整理施工管理におけるコスト削減と業務生産性の向上を手軽に実現

プラント建設を専門とするクラレエンジニアリングは、施工管理をリモート化する目的で「StructionSite」を導入。360度カメラを持って対象区域を一度歩くと、AIが動画から生成した画像を図面に自動連携し、現場の状況を関係者全員で共有できる仕組みを確立しました。その結果、現場への移動に要する時間と費用を削減でき、作業効率化による生産性向上に成功。建設DXに向けての駒を進める成果を得ました。

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課題
導入後
建設現場におけるDXを推進し、プラントエンジニアリング企業としての競争力を高める必要があった
施工管理を岡山のオフィスからリモートで行えるようになり、建築現場のDXが進展した
設計者が現場で施工管理する方法では、時間と費用の負担が大きかった
設計者が建設現場に滞在する期間・頻度を最小限まで減らすことができたほか、現地移動のための時間と費用を削減できた
スマートフォンやタブレットで写真を撮影する方法による施工管理を試したが、データ整理に膨大な工数を要した
360度カメラを持って歩くだけなので撮影が簡単で、なおかつ図面との連携などはAIに任せられるようになった

背景

プラント施工管理に作業効率と生産性の課題

大平 氏エンジニアリング本部 電気計装部 第2グループ グループリーダー
大平 健司 氏

1977年に設立されたクラレエンジニアリング株式会社は、化学品などの生産プラントの設計から施工までを総合的に行うエンジニアリング企業です。親会社の株式会社クラレだけでなく、外部企業からも多数の案件を受注しており、同社の設計者は施工管理も含め、各地の現場を飛び回る必要がありました。

施工管理では通常、現場の状況を設計者の目で確認し、図面や計画書と照らし合わせて進捗度合いなどを確認します。しかし、施工管理のために設計者が特定の現場に常駐してしまうと複数の案件を並行して進めるのが難しくなります。一方、現場から現場に移動して実施するやり方では、時間と費用のロスが大きくなるという課題がありました。

「そうした課題意識がある中、会社としての競争力を高めるために、2021年1月、建設DX推進チームを発足しました。デジタル化したいデータはたくさんありましたが、まずは、情報量がもっとも多い施工管理用の画像を対象に選びました」(大平氏)

そこで、スマートフォンで現場を撮影する方法で、施工管理を試みました。しかし、「画像の整理に手間と時間がかかることが分かり、断念しました」(中川氏)

取り組み

AIが自動処理する「StructionSite」を選択

施工管理のデジタル化に向けた検討にあたって、クラレエンジニアリングは効率化と操作の容易性を重視しました。いくつかの方式を調べたうえで同社が選んだのは、日立ソリューションズが販売代理店となっている360度画像管理・共有サービス「StructionSite」でした。

「ほかのソリューションが360度カメラで撮影した画像を手動で整理する方式だったのに対して、『StructionSite』では図面との連携をAIが自動的に行ってくれます。これなら、多忙な建設現場に負荷をかけることなく使ってもらえると判断しました」(中川氏)

その後、同社の岡山本店と実際の建設現場で2021年8月から2カ月かけて無償トライアルを実施しました。画像と連携させるための図面はPDFファイルに変換して登録すればよく、360度カメラを持って対象区域を一度歩けばAIが動画から生成した画像を図面に自動連携し、クラウド上で共有できることを確かめました。

その結果、これなら施工管理の実務に適用できると判断し、5プロジェクト分を契約して2021年10月から一部の建設現場で使い始めました。使用している機能は、360度カメラの画像と図面を連携させるVideoWalkと、作業指示を画像に記入するNoteの2つです。

効果

コスト削減と生産性向上を達成し、建設DXも進展

中川 氏エンジニアリング本部 電気計装部 第2グループ 課長補佐
中川 広大 氏

プラント建設の施工管理に「StructionSite」を取り入れることによって、クラレエンジニアリングはコスト削減、作業の効率化による生産性の向上、建設DXの進展と、3つの効果を手にすることができました。

「岡山のオフィスから施工管理できるので、移動の時間と費用を削減することができました。一番効果が上がっているところとしては、現場常駐者を最小限に抑えることができています。そのために生まれた時間で次の設計に取り組めば複数の案件を進められますし、管理品質の向上に充てることもできます。定量的効果としては、『StructionSite』導入によって費用削減できた額で『StructionSite』利用料金が十分ペイできることを確認しています。新しい建物を設計するときの参考や若手教育といった場面でも役立っています」(中川氏)

「施工管理に『StructionSite』を導入したことによって、当社の建設DXは間違いなく進展しました。今後はこれを活用してどんどん効果を出していくとともに、社員のDXリテラシーを底上げしていきたいと考えています」(大平氏)

外部企業から受注したプラントの建設現場では、施主(顧客)の了解を得たうえで「StructionSite」を施工管理に使用しています。施主も進捗状況をリモートから確認できるようになり、とても喜ばれています。また、秘密保持契約を締結しているゼネコンなどの設計者や工事監督者にはアカウントを付与して「StructionSite」の利用を共有するなど、機密情報の取り扱いに配慮しながら適用範囲を広げており、さらなる生産性向上に努めています。

展望

出来高管理や安全管理への適用も検討中

「StructionSite」の導入効果を確認したクラレエンジニアリングは、2022年2月に契約を50プロジェクト分へと拡大。より多くのプラント建設現場でリモート施工管理ができる体制を整えました。

導入時の使用目的である施工管理を越えて、より多くの業務に「StructionSite」を適用することも検討中です。例えば、360度カメラで撮影した動画をもとに建物の壁や天井がどこまでできたかをAIが自動で解析して進捗状況を把握といった活用法を想定しています。さらに適用の幅を広げて現場作業者の安全管理にも活用したいと考えています。

「『StructionSite』を使ううちに、使い勝手についての注文や機能拡張の要求も出てくると思います。それらへの対応も含めて、これからも日立ソリューションズの支援を期待しています」(大平氏)

さらに、SplitView機能の活用を進めて、同じ場所で異なる日に撮影した画像を並べて施工の進捗確認をするなど、活用の幅を広げていきたいと展望しています。

「短期間で施工管理のリモート化ができたのは、日立ソリューションズの対応力があったからこそと感謝しています。今後もいろいろなツールを紹介してもらえればと思います」(中川氏)

少子高齢化にともなう熟練技術者の減少が進む中、建設業でも作業のリモート化は進行しています。日立ソリューションズはこれからも、さまざまな建設現場のDX化を支援してまいります。

建設現場の360度画像を手間なく管理・共有

シンプルな機能と直感的で分かりやすい操作性で、マニュアルなしでもすぐに使い始めることが可能

シンプルな機能と直感的で分かりやすい操作性で、マニュアルなしでもすぐに使い始めることが可能

VideoWalk機能

現場を歩いて360度カメラで撮影した動画から、画像を図面の対応位置に割り付け

現場を歩いて360度カメラで撮影した動画から、画像を図面の対応位置に割り付け

Note機能

画像の任意の場所にメッセージを貼り付けて、指示事項や注意喚起を関係者と情報共有

Note機能

SplitView機能

別の日に撮影された画像同士または画像とBIMデータを比較して進捗などを確認

SplitView機能

クラレエンジニアリング株式会社

所在地 本社(大阪府大阪市北区角田町8-1 大阪梅田ツインタワーズ・ノース)、
岡山本店(岡山県岡山市南区海岸通1-2-1)
クラレエンジニアリング株式会社
設立 1977年1月10日
従業員数 101名(2022年12月末時点)
事業内容 株式会社クラレおよび外部顧客の化学品・食品・電子機器材料などの生産プラントを建設
URL https://www.kuraray-eng.jp/

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本事例の内容は2023年3月1日公開当時のものです。

最終更新日:2023年3月1日