株式会社日立ソリューションズ Alli LLM App Marketの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

Alli LLM App Marketの導入事例

株式会社日立ソリューションズ

全社員が生成AIを活用できる環境を「Alli LLM App Market」で構築。社員による自律的な生成AIの活用拡大定常業務の効率化を実現

生成AIの活用を模索する企業が増える中、お客さまとの協創をベースに、最先端のデジタル技術を用いたソリューションを提供する日立ソリューションズは、AIトランスフォーメーション(AX)を推進する専門部署を立ち上げました。その活動の中で、「Alli LLM App Market」で全社員が生成AIを活用できる環境を構築。さまざまな業務で生成AIを活用していく文化の醸成に道筋をつけるとともに、定常業務の効率化も実現しました。

メインイメージ

この事例に関するソリューション・商品

この事例に関するソリューション・商品

課題
効果
生成AIの活用は一部の社員が行っている業務に限られており、全社的な活用が進んでいない
さまざまな業務で生成AIを活用できる環境を提供し、社員の生成AI利用率が約30%から50%程度に増加
生成AIを活用する文化を醸成するため、社員に生成AIの有用性を認識させる必要がある
特別な知識がなくても生成AIを使える環境で効果を実感し、生成AIの有用性を認識する社員が増えた
人手による、社内からの問い合わせ対応や会議の準備・議事録作成などに時間がかかっている
チャットボットで、社内からの問い合わせへの人手による対応件数を導入初月から約30%削減
「Alli LLM App Market」で、全社員が生成AIを活用できる環境を構築

背景

AIを活用したビジネス・業務変革を推進

白子AIトランスフォーメーション推進本部 AX生産技術部 AI業務改革グループ
グループマネージャ
白子 哲

多くの企業が生成AIの業務への適用を模索する中、日立ソリューションズは2024年4月にAIトランスフォーメーション(AX)推進本部を設置し、生成AIや技術のベースとなるLLM(大規模言語モデル)を実践的に業務へ活用する取り組みに乗り出しました。同本部は「AX=AIを活用したビジネス・業務変革」を推進するために、生成AIの利用環境の整備を1つの施策としていました。

「日立ソリューションズはシステムエンジニアの集団であるため、生成AIの活用を早くから実践し、プロンプト(生成AIに指示を与えるための命令文)を使いこなして、生産性を高めている人財がいます。しかし、それは知識を有する一部の社員に限られるため、より多くの社員が業務で生成AIを活用できるようにし、そのベースラインを上げることが求められていました。そのために生成AIの利用環境の整備が必要だと考えました」(白子)

同本部がめざしたもう1つの取り組みは、生成AIの適用による各業務部門に共通する定常業務の効率化です。

「業務部門にヒアリングし、課題感が強かった社内からの問い合わせ対応や会議に関連した業務の効率化について、生成AIを使ってアプローチすることにしました」(向井)

取り組み

多くの社員が生成AIを活用できる環境の提供

2つの施策を実現する手段として選定したのが、Allganize社が提供する生成AIを企業内ですぐに使える環境をオールインワンで提供する「Alli LLM App Market」でした。「Alli LLM App Market」は、さまざまな業務シーンですぐに使える生成AIアプリケーション(以降、「アプリ」)を標準で提供していて、プロンプトに関する知識がなくても生成AIを使える環境が簡単に整えられます。生成AIアプリをカスタマイズできるのも魅力の1つで、例えば、社内システムと連携して、社内データを使った自社独自の自動回答の仕組み(チャットボット)を作ることも可能です。この点は、多くの社員が業務で生成AIを活用できるようにしたいという目的に合致していました。

こうした特長に加えて、日立ソリューションズがリセラーとして「Alli LLM App Market」をすでに取り扱っていることも導入の決め手となりました。

「当社のシステムエンジニアがAllganize社と密に連携してきた実績があるため、当社への導入でも手厚いサポートを期待できました。また、当社が自ら『Alli LLM App Market』を活用することで、さまざまな知見が蓄積されるので、当社のお客さまに対しても、活用例など幅広い提案ができるようになることが期待できます」(白子)

2024年6月に導入の検討が開始され、7月に導入が正式に決まり、8月には15の業務部門で問い合わせ対応業務向けのチャットボットのトライアルを開始しました。トライアルには業務部門の担当者が参加し、実際の利用に際してどのような課題があるのかを洗い出して試行錯誤し、運用性を高めました。会議に関連した業務の効率化については、標準提供されている生成AIアプリをカスタマイズして、会議のトランススクリプト(会議内容を文字に書き起こしたデータ)をアップロードするとフィラー(「えっと」「あのー」など、言葉に詰まったときに出る言葉)を取り除くアプリを開発しました。そして、2024年9月末に全社員向けの生成AI標準アプリと業務部門向けチャットボットの運用を開始し、その後、議事録の作成を支援するアプリをラインアップに加えました。

効果

人手による問い合わせ対応件数を約30%削減

向井AIトランスフォーメーション推進本部 AX生産技術部 AI業務改革グループ
技師
向井 明代

「Alli LLM App Market」の導入効果はすぐに表れました。社内からの問い合わせ対応業務は、チャットボットによって人手による対応件数を導入初月から約30%削減できました。

数字には表れない効果もありました。

「トライアルに参画した問い合わせ対応業務の担当者らが、生成AIを業務で生かすためには何が必要かを知り、そのためのデータを自分たちで用意し始めたのです。どうすれば生成AIをもっと活用できるようになるのかを理解してもらえる良い機会になりました」(白子)

生成AIの活用拡大についても狙いどおりでした。全社員を対象に2024年の6月と11月に実施した生成AIの活用に関する実態調査では、生成AIの利用率が6月の約30%から11月には50%程度に増加しました。「Alli LLM App Market」を含めた生成AIサービスを継続的に利用しているユーザー数も約20%から約35%にアップし、社員が感じる業務スピードも約1.5倍早くなったという結果でした。

「特別な知識は必要なく、利用部門で費用を負担することなく簡単に利用できることから、アプリでフィラーを取り除いてから議事録を作成するようになったなどの活用が広がりました。利用するハードルが下がったことで、生成AIを使うことに慣れていき、使いこなして生産性を高めていく人財が今後増えていくと思います」(向井)

展望

生成AIを活用する文化の醸成に道筋

AX推進本部は、生成AI活用の次の未来を見据えています。

「チャットボットに接したり、議事録の作成を支援するアプリを利用したりすることで、生成AIの有用性を認識する社員が増えました。社内のさまざまな業務で当たり前のように生成AIを活用する文化の醸成に向けて好スタートを切ることができたと思います。これまでも、アプリの基本的な使い方やおすすめアプリを紹介する動画の作成、ユーザーコミュニティーづくりなど、さまざまな方法で社内に生成AIを活用する文化の醸成を図ってきましたが、こうした取り組みをさらに強化していきたいです」と向井は強調します。

また、多様な生成AIアプリを社員に提供できる基盤が整ったことに対して、白子は「生成AIを活用できるデータは社内に数多くありますから、社内のさまざまな業務部門と連携してこれまで以上に新たなサービスの創出を後押しし、利用者が使いやすいアプリづくりに励むことで、社員一人ひとりの生産性を向上していきます」と語ります。

日立ソリューションズは、社内での経験をもとに、幅広い業種のお客さまの生成AI活用を支援してまいります。

株式会社日立ソリューションズ

所在地 東京都品川区東品川四丁目12番7号 株式会社日立ソリューションズ
設立 1970年9月21日
従業員数 単独5,079名、連結14,818名(2024年9月30日現在)
事業内容 ソフトウェア・サービス事業、情報処理機器販売事業
URL https://www.hitachi-solutions.co.jp/

この事例に関するソリューション・商品

この事例に関するソリューション・商品

導入事例ダウンロード

本事例の内容は2025年5月15日公開当時のものです。

最終更新日:2025年5月15日