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特集・コラム

第2回 モール、アウトレットはどこへ行く 第2回 モール、アウトレットはどこへ行く

好調が続くテラスモール湘南

好調が続くテラスモール湘南

 モールは、車の利用がメインのショッピングセンターのことだ。

 駐車場をメインに、大型商業施設を設けているのがクローズドモールで、各業態別に店を並べているのがオープンモールという区分けがある。
 商圏による区分では、広域型がリージョナルショッピングセンター(RSC)、近隣型がネイバーフッドショッピングセンター(NSC)、さらに中間でコミュニティショッピングセンター(CSC)がある。

 日本ではイオンを筆頭に、三井不動産等が、この数年急ピッチで広域型クローズドモールの開設、拡張を進めている。日本ショッピングセンター協会の調べによると、2013年のショッピングセンターの新設は65か所だが、そのうち、モールと称することができるのは59か所。
 開発は、イオングループとともに、イトーヨーカ堂、ユニーといった大手スーパー、イズミなどの地域スーパー、ニトリのような専門店、三井不動産・三菱地所等の不動産開発会社、電鉄グループなど多種多様だ。

イオングループ

 モールを積極的に事業展開しているイオングループを見てみよう。2013年には、イオンモールが7店舗(イオンモール幕張新都心、イオンモールつくば、イオンモール春日部 、イオンモール東久留米 、イオンモール東員、イオンモール大阪ドームシティ、神戸ハーバーランドumie)がオープンしている。賃貸面積は3.3万m 2から12.8万m 2

 さらに、近隣型のモールを展開するイオンタウンが7店舗を新設している。

2014年11月オープン予定のイオンモール岡山

2014年11月オープン予定のイオンモール岡山

 2014年ではイオンモールで7店舗(イオンモール和歌山、イオンモール天童、イオンモール名古屋茶屋、イオンモール木更津、イオンモール京都桂川、イオンモール岡山、イオンモール多摩平の森)をオープンする計画で、このうち和歌山と天童は2014年3月にオープン済みだ。賃貸面積は2.5万m 2から8.8万m 2

よしもと幕張イオンモール劇場

よしもと幕張イオンモール劇場

 実際の店舗では、やはり2013年末にオープンした「イオンモール幕張新都心」だ。本社のおひざ元である幕張に、イオンレイクタウンには及ばないものの、敷地面積は約19.2万m 2、4棟のモールで構成されており、延床面積約40.2万m 2、総賃貸面積約12.8万m 2、全長は1.5kmと巨大だ。しかも店舗数は360店。

 従来の商品販売だけでなく、体験型店を数多く誘致し、他にはない体験・店の存在が、幕張新都心の売りだ。

東映ヒーローワールド

東映ヒーローワールド

 「よしもと幕張イオンモール劇場」、特撮ヒーロー作品の体験型エンターテインメントミュージアム「東映ヒーローワールド」、お仕事体験テーマパーク「カンドゥー」、さらにはしつけ・トレーニング、ウオーターセラピーなどを提供する総合ペットストアを導入した。

 体験型スポーツモールをテーマとする「ACTIVE MALL」では、店舗のほか、K9フットサルパーク、アルドールテニスステージ、ボルダリングスタジオ、ランニングステーションなど実際にスポーツができる施設も併設している。ただ、巨大すぎて、一日では見て回れないのが現実だ。
 今回は触れないが、中国・アジアへの出店計画も日本と同等な勢いだ。

三井不動産

 三井不動産はららぽーと、アウトレットの両面でモールを展開しているが、イオンのような急ピッチな動きは少ない。どちらかというと、モールをじっくりと育てているといっていいだろう。新たに店舗を出すことよりも既存のモールの価値を高めるために、充実、拡大に重きを置いた展開が、この数年続いている。
 2014年10月に大阪府和泉市の「(仮称)ららぽーと和泉」をオープンする計画だが、郊外型のららぽーとの新設は、2013年はなく、ららぽーと横浜の大幅リニューアル、アウトレットパーク 滋賀竜王の第2期、ららぽーとTOKYO-BAY西館建替と大幅リニューアル、アウトレットパーク 札幌北広島の拡張などが行われ、アウトレット木更津の第2期も2014年7月オープンが決まった。
 平行して商業ビル、施設が多かったためともみられるが、2014年4月には武蔵小杉駅前に新業態「ららテラス」をオープンした。

ららテラス

ららテラス

今後のモールの行方

 従来、百貨店、銀座、表参道、渋谷に行かなければ買えなかった店が、モールにあることが重要なキャッチになっていた。今では日本初、首都圏初などといった文面が、競っている。しかし、こういう店舗が誘致できないでいるモールも少なくはない。
 規模と新店などで争える舞台となりえるモールと、そうでないモールによって、確実に仕分けされている。
 大型商業施設の課題は、資金調達と建設コスト・要員確保にあるといっても過言ではないが、その上で常に店舗を入れ替えられる力を有する実績を積み重ねた大手だけが生き残る可能性を持っている。

三井アウトレットモール木更津の全景、赤の囲みが第2期エリア、青の囲みが既存エリア

三井アウトレットモール木更津の全景、赤の囲みが第2期エリア、青の囲みが既存エリア

 ただ、最初に述べた「モールは、車の利用がメインのショッピングセンターのことだ。」という言葉を改めて見てみると、実は、成功しているモールの多くは、駅と直結しているか、隣接しているケースが多いのが実情だ。
 例えば、モールの範疇に入るかどうかは、難しいところだが、東京スカイツリータウン、ラゾーナ川崎、テラスモール湘南は、駐車場も十分確保されているが、駅直結という利便性を有効に活用した例だ。
 そういう点で、武蔵小杉駅前の新業態「ららテラス」、立川駅にできたIKEAを見ても車でいくところでなければならないという必然性が、日本では低くなってくる。

 エキナカの活況を見ていると、確実に行動範囲が狭くなっており、東京の都心部における人口増加傾向をみても、首都圏でのモールは、駅もしくはインターチェンジ近隣というのは鉄則なのかもしれない。
 出なければ、ネットで買えばいいのだから、無理に遠出しなければならない必然性がなくなっている。その対策を先駆けたのがイオンモール幕張新都心だ。体験型モール、手作りの場面を積極的に見せる外食など、そこに行かないとないサービス、商品をみせて、多様な来客に提案している。

 先日、アウトレットでスポーツウェアを格安で買ったが、家に帰ってそのブランドの直販サイトを覗くとアウトレット価格として、同じ価格が表示されていた。送料別の価格帯だったが、現実は、そんなものかもしれない。
 だとしたら、モールの競争相手は「本当はネットの中にいる」「今後はネットで商品を感じられるようになる」ということかもしれない。

(2014年6月25日更新)

流通ニュース

流通ニュース編集部

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