飯田 暁の『IT経営で解決する医薬品卸業の経営課題~医薬品の安定供給と収益改善の実現~』|製造・流通・通信業向けビジネスナレッジ BELINDA(ベリンダ)

飯田 暁の『IT経営で解決する医薬品卸業の経営課題~医薬品の安定供給と収益改善の実現~』


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IT経営で解決する医薬品卸業の経営課題~医薬品の安定供給と収益改善の実現~

  • 医薬品卸売業向け販売管理システム Aptage.PD

 医薬品卸業界は医療制度改革に伴う薬価引き下げなど、大きな環境変化に直面しており、各社とも利益の確保が困難な状況が続いています。一方で、医薬品卸業界は、「医薬品の安定供給」という社会的な使命を担っており、経営コストは増加傾向にあると言えます。厳しさを増す経営課題に対応し、勝ち残っていくためには、“ITを活用したビジネスプロセスの改革”が必須となっています。「適正利益の確保と収益改善」、「安全性の確保と安定供給の維持」等、医薬品卸業界特有の経営課題の解決策について解説します。

医薬品卸業界の現状

 医薬品を安定供給することは、人々の健康、生命を維持するためになくてはならないことです。しかし、「医薬品の安定供給」という社会的な使命を担っている医薬品卸業界を取り巻く経営環境は年々厳しさを増してきています。
 政府の薬価抑制政策の下で、薬価は継続的な下落傾向に直面しています。さらに、安価なジェネリック医薬品の普及により、販売先からの値下げ要求は厳しさを増し、販売価格は下落の一途をたどっています。
 しかしながら、医療の安全を確保するために医薬品のトレーサビリティを確保しなければならないことや、大規模災害発生時に備えて供給体制の整備する必要があること、少量多頻度の納入が強く求められるようになってきていることなど、経営に対するコストは増加傾向にあります。
 これらのことから、医薬品卸業界の利益率は長期的に見て、下落傾向にあります。
 このような状況を打開するため、M&Aや業務提携によるスケールメリットを追求する動きが見られます。スケールメリットを活かして、メーカや顧客に対して価格交渉力を持ち、業務の効率化を促進するという施策が主流となりつつあります。その結果、大手の卸4グループへの集約を中心にした業界の再編成が進んでいます。

医薬品卸業界の課題とIT施策

 このような厳しい環境下においても確実に利益を上げ、生き残りを図るためには、次のような経営課題に対処していくことが求められます。

(1)適正利益の確保と収益改善

 医薬品卸業界では、“後値引き”が習慣的に多く行われています。この後値引きがなければ経営が成り立たないという企業が多くを占めています。後値引きを厳格かつタイムリーに管理する事ができないと、企業として、利益構造が把握しにくく、適切な経営判断を行えなくなります。

医薬品イメージ

 一般的な販売管理システムでは、“後値引き”を管理する機能がないものが多く、業務上の運用で一括に原価を調整するといった形態を取っているケースが見受けられます。このような運用形態は、日々売上を行う度、累計粗利はマイナスとなっていき、月末の後値引きで一気に粗利を改善させることとなり、適切な粗利管理が困難となります。
 そこで、販売管理システム等の基幹システムの機能で“後値引き”をタイムリーに管理することが重要です。後値引きの情報を事前にマスター登録することで、受注、売上時から後値引きを考慮した粗利管理が可能になります。単品・得意先レベルでのリアルタイムな利益管理は、適正な利益確保の観点で非常に効果的だと言えます。

 医薬品卸業界は、医薬品という人の生命を支える商品を扱うが故に、他業種の卸と比較して、欠品に対する許容度が極めて低いという特徴があります。しかし、欠品を防ごうとするあまり、過剰在庫となりやすく、不良在庫を抱え、在庫コストが上昇するという結果になっていることが多くあります。
 この在庫管理をKKD(経験・勘・度胸)に頼り切るのではなく、需要予測や販売計画をシステム化することで、医薬品の在庫の適正化を図ることが可能になります。医薬品の過去の仕入・販売実績や季節性情報による単品毎のきめ細やかな需要予測を行うことにより、欠品や不良在庫のリスクを最小限に抑えつつ、必要最低限の在庫を維持することができるようになります。

 医薬分業の影響により、医薬品卸業者の中心となる販売先は、大規模病院から調剤薬局にシフトしてきています。その結果、販売先の件数は増加し、一件あたりの販売額は減少する傾向にあります。それら細かな得意先をカバーする必要があり、営業担当者(MS:Marketing Specialist)の負担は大きくなっています。
 MSの営業効率を向上させるためには、営業支援システムや顧客管理システムを用いて数多くの顧客情報を体系的に管理、共有することが重要です。また、外回りの多いMSのために、スマートデバイスを導入し、顧客対応の迅速化と空き時間の有効活用を促すことが必要です。
 さらに、MSは既存顧客の維持と新規顧客獲得において、顧客ニーズの変化に対応した様々な提案が必要になっています。MSは、高度化する顧客ニーズに対応した、より高い提案力(コンサル型)とより深い専門知識を備えた営業スタイルへの転換が求められているのです。

表1 医薬卸業の経営課題とIT施策

表1 医薬卸業の経営課題とIT施策

(2)安全性の確保と安定供給の維持

 医薬品のトレーサビリティ確保が薬事法により義務付けられています。そのためは、医薬品のロット情報をバーコードで管理することが有益です。しかし、現状はバーコードの普及があまり進んでいません。ロット情報を手作業で取得管理することは、物流作業の効率を大幅に悪化させるだけでなく、作業ミスのリスクもあります。
 そこで、医薬品流通業界統一EDI(Electronic Data Interchange/電子データ交換)システムJD-Net(Japan Drug NETwork)を活用することで、作業負荷を軽減できます。JD-Netは医薬品業界に広く普及している業界EDIですが、この中で製薬メーカから医薬品卸業者へ送られる仕切書(出荷)データには、ロット番号の情報が含まれています。この情報をトレーサビリティの情報として活用することができるので、入荷時にロット番号を取得する必要がなくなり、作業負荷の軽減と、作業ミスの防止を図ることができます。

 東日本大震災のような自然災害だけでなく、事故や火災、サイバーテロ等人為的な災害・犯罪、新型インフルエンザの流行など、様々な事業継続リスクがあります。しかし、そのように困難な状況でも医薬品を安定的に供給することは、医薬品卸業界に課せられた社会的使命でもあると言えます。そこで、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の策定が必要です。
 災害時に備えて、システムのバックアップサイトを設けることや、クラウドの活用を検討する必要があります。その他にも、従業員の安否確認をはじめとした連絡体制・手段の確立、サイバーテロを防ぐためのセキュリティの確保などの対策があります。しかし、BCPにおいて重要なことは、対策を立てるだけではなく、発生時に備えた日頃の訓練を行い、その結果を踏まえた計画内容のブラッシュアップを続けていくことなのです。

医薬品卸業向け販売管理システム Aptage.PD

 日立ソリューションズは、医薬品卸業様のビジネス改革を包括的にサポート致します。

医薬品卸業向け販売管理システム Aptage.PD

 Aptage.PDは、医薬品卸売業に向けて専用に開発された販売管理パッケージです。日本の医薬品卸売業特有の商慣習や法令に則った機能を標準で有しています。以下に特長的な機能についてご紹介致します。

(1)後値引き管理
 商品・販売先・エンドユーザ毎に、後値引き額を登録することができます。後値引きが登録されている商品は、受注時より、粗利=売価-原価+後値引き額 として計算するため、精度の高い粗利管理が行えます。
(2)JD-Net連携
 発注や実績データの送信だけではなく、仕切書データを使用した入荷・仕入計上も自動的に行うことができます。
(3)未妥結・仮納品
 商品の出荷時に仮出荷(未売上)の状態を選択することができます。仮出荷したものは、価格決定後に売上計上を行っていただけますが、出荷済・未売上の一覧を出力するなど、残管理を行えます。
(4)販売規制
 得意先マスタに様々な取扱許可情報(向精神薬、毒劇物、動物用医薬品等々)を登録することができます。その設定内容に従い、商品毎に販売チェックが行われます。許可のない得意先に誤って販売してしまうという、コンプライアンス上の問題を回避できます。

 Aptage.PDは、医薬品卸業様向け専用パッケージです。低コストで迅速かつ確実にシステムの導入が実現できます。

オプション提案ソリューション

 Aptage.PDとの連携により、医薬品卸業様の業務改革を強力に推進するオプション提案ソリューションとして以下をご紹介します。

営業支援・顧客管理

 営業日報、売上予測など、医薬品の営業活動を支援するあらゆる機能が備わっています。受注・売上目標を達成する仕組み作りが可能となります。
 顧客の獲得と顧客満足度の維持のため、関係者とビジネスプロセスを結びつけます。顧客との永続的な関係構築を支援します。

需要予測・在庫最適化

 需要予測エキスパートシステムが、実績データの傾向を分析し、最適な予測手法を自動選択し、予測モデルを構築します。科学的なアプローチで、予測業務から、人間の勘や経験によるバラツキを取り除き、業務の標準化とノウハウの継承を可能にします。
 需要予測、予算、実績等の各種時系列データ間の比較に基づく医薬品別販売計画の作成・調整ができます。需要予測と在庫情報をもとに拠点別の在庫補充計画の作成・調整ができ、発注計画まで立案が可能です。

情報分析BI

 例えば、医薬品の売上実績を、地域別や販売チャネル別など多角的な視点から瞬時に分析することが可能になります。情報分析を戦略的に活用することで、効率経営の実現とビジネスチャンスの拡大が期待できます。

事業継続・災害対策・システム復旧

 自然災害、停電、疫病サプライチェーンの断絶など、企業活動には予測し得ない様々な危機が起こりえます。これらの危機に対して、事業や業務の継続を図るためには、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の策定が必須です。BCPソリューションは、「戦略立案」「計画策定」「訓練」等のマネージメントサイクルとITサービスを組み合わせた最適なソリューションをご提案します。
 不測の事態に対応する災害対策システム(DRシステム:Disaster Recovery)として、遠隔地バックアップシステムやクラウドサービスのご提案を致します。

図1 医薬品卸業向け販売管理システム「Aptage.PD」 営業支援・顧客管理 需要予測・在庫最適化 情報分析BI 事業継続・災害対策・システム復旧

http://www.hitachi-solutions.co.jp/aptage_pd/

図1 医薬品卸業向け販売管理システム「Aptage.PD」

表2 オプション提案ソリューション

表2 オプション提案ソリューション Salesforce Microsoft Dynamics CRM ForecastPRO SynCAS SAP BusinessObjects QlikView Dr.Sum EA 事業継続マネジメント策定コンサルティング SecureOnline クラウド型 統制IT基盤提供サービス

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株式会社日立ソリューションズ 関西産業・流通本部  飯田 暁の写真

株式会社日立ソリューションズ
関西産業・流通本部 第2部 Aptageグループ
飯田 暁

2004年入社。
2006年から医療機器卸向け販売管理システムAptage.MDⅡの製品開発に従事し、製品完成後は、数々のAptage.MDⅡ導入プロジェクトに携わる。
現在は、日本全国の医療機器、医薬品卸様にAptage.MDⅡ、Aptage.PDの提案、導入を行っている。

株式会社日立ソリューションズ 関西産業・流通本部  Aptageグループの写真

Aptageグループ

1998年より医療機器卸業向けにAptage販売管理を導入し、34社(グループ会社を含めると50社以上)の医療機器卸様に、Aptageを導入。
そのノウハウを活かして、Aptage.MD、Aptage.MDⅡ、Aptage.PDとパッケージ製品を開発。
医療機器、医薬品卸業務に精通した専門スタッフが10名以上在籍している。

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