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3ページ目|第1回 大きな潮流を見失うな|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

第1回 大きな潮流を見失うな
第1回 大きな潮流を見失うな

新興国へシフトする世界経済

日本の産業のあるべき姿、産業の変化の具体的ケース、日本の政策の課題などについては第2回目以降に詳しく取り上げたいと考えている。ただ、経済の大きなトレンドを見る上で重要な点を最後に一つだけ取り上げておきたい。それは「世界経済の重心が新興国に向かって動いている」という点だ。

新興国の重要性が高まっていることは誰でもよく知っていることだ。しかし、その変化のスピード、マグニチュード(大きさ)、そして変化の持つ多面性をきちっと理解する必要がある。

たとえば、今年か来年に中国が経済規模で日本を超えると言われれば、多くの人は特に驚かないかもしれない。しかし、1990年にバブルが崩壊してからの日本と中国の経済規模の動きを見るとショックを受けるかもしれない。1990年に中国の経済規模は日本のわずか8分の1にすぎなかったのだ。バブル崩壊後の経済的困難の中で日本経済はほとんど拡大しなかったのに、中国経済は8倍以上に膨れあがったのだ。このスピードを確認しておく必要がある。このまま行ったら、10年後にはどうなるだろうか。

中国だけが拡大しているわけではない。G7と呼ばれる先進工業国は、私の手元にあるデータによれば、1990年に世界の所得の約70%を占めていた。しかし、昨年のデータではそれが50%にまで縮小しているのだ。G7の時代からG20の時代になったと言われる。中国、ブラジル、インドなどが、国際社会での発言力を強めている。これもこうした経済の重点の移動を考えれば当然のことかもしれない。

G7の時代からG20の時代になったと言われる。中国、ブラジル、インドなどが、国際社会での発言力を強めている。

新興国と言えば忘れてならないのは米国である。米国には二つの顔がある。白人中心で発展してきた先進国としての顔と、世界中の国から優秀な人材を集めて伸び続けていく新興国としての顔である。米国では毎年人口が300万人ほど増えている。千葉市や仙台市が毎年3つできるようなものである。これだけ人口が増えるのは、ヒスパニックなどの非白人人口が多くの子供を産むのと、中国やインドをはじめとする世界中の国から多くの優秀な若者がやってくるからだ。この新興国としての部分の米国を中国やインドなどの新興国に含めて考えた方が、世界経済のトレンドを理解する上でより正確かもしれない。

21世紀はアジア太平洋の時代であると言われてから久しい。今更と思われるかもしれないが、本当にそうした時代になろうとしているのだ。そして日本は地理的に中間に近い位置にあるのだ。アジア太平洋の時代の戦略をどう描くのか、これは国家にとっても企業にとっても非常に重要なものとなる。

そうした大きなグローバルトレンドの中で考えれば、日本の国内で進む少子高齢化の動きにも、いろいろと前向きの対応策が考えられるはずである。坂の上に向けて登り続けている周辺国と坂の上から次の道を探している日本。その交差するあたりに日本にとっても様々な新たなチャンスが潜んでいるはずである。

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第2回   スマイルカーブでビジネスをとらえる

第2回講座では、日本企業のビジネス環境を大きく変えている、グローバル化や技術革新の動きに迫ります。グローバルに通用するオンリーワンの技術や商品、今求められる顧客の価値を高めるビジネスモデル開発など、ビジネスに役立つヒントや事例を織り交ぜ、ビジネス環境の変化を探っていきます。

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