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第5回 デジタル技術のインパクト|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

第5回 デジタル技術のインパクト
第5回 デジタル技術のインパクト

ビジネスの世界を変え続けているICT。
第5回目の講座では、技術革新がビジネスの成長に大きく貢献した事例や苦境にあえぐ業界のこれからの方向性に触れていきます。ICT(情報通信技術)を自分たちのビジネスに取り込む際の視点について解説していただきます。

技術の広がりと深さ

世の中でICやICTと呼ばれる技術革新は、デジタル技術と呼んだ方が正確であると、ある人から言われたことがある。すべての情報を数字の上に乗せることがデジタル技術である。
 音声や映像から金融情報や医療情報まで、数字のデータであるデジタル情報に変えることで、世の中が変わってしまう。私たちの遺伝子情報さえゲノムというデジタル情報になってしまうのだ。
 その情報をコンピュータの上で解析し、世界中で瞬時に情報をやり取りし、そして膨大な情報を蓄積することができる。

これによってすべての分野が大きく変化しつつあることを、私たちは目の当たりにしている。この技術革新によって、金融や流通のようなビジネスが変化するだけでなく、政治が変わり、マスコミの姿も変わる。
 前回触れたように医療の世界も大きな変化を遂げつつある。情報はすべての活動の基礎にあり、その扱いの量やスピードの変化が世界を変えないわけはない。

ここでデジタル技術のインパクトについて包括的な分析をするにはスペースが足りないので、通常のビジネスの世界に限定して、いくつかの重要な事例を使いながら技術革新とビジネスモデルの関係について述べてみたいと考えている。

考えてみたら、今回の世界的金融危機の原因となった異例とも言える世界経済の過熱の背景には、技術革新があった。デジタル技術が広がることで、グローバル化が急速に進展していったのだ。1990年代から2000年代の中頃までの米国経済は、このグローバル経済の成長の原動力とも言える高い経済成長を続けていたが、その成長に大きく寄与した産業が金融と流通であると言われる。
 両者に共通しているのは、膨大な情報を活用するとともに、グローバル経済の恩恵を大きく受けるという点だ。技術革新で金融とモノの流れのグローバル化が加速化し、それが経済成長を促したのである。

デジタル技術が金融業の成長に大きく貢献したことは説明するまでもないだろう。ただ、なぜデジタル技術が流通と関係があるのか腑に落ちないと考える読者もいるかもしれない。
 しかし、この10年急速に規模を拡大していった米国のウォルマートや日本のファーストリテイリング(いわゆるユニクロ)の成長を、グローバル化と情報化抜きに語ることは難しいだろう。

年間売り上げ40兆円前後の売り上げを上げるウォルマートのビジネスを、デジタル技術との関連で見ると面白い(ちなみに日本最大の売り上げを上げる小売りグループはセブン&アイ・ホールディングスで5兆円前後である)。中国一国で年間2兆円以上の調達をし、人工衛星を利用して情報管理をしているという。
 全米に4000近くある店に届く商品はリアルタイムで情報管理しているはずである。サプライチェーン・マネジメントと呼ばれる、高度な情報管理に基づいた流通システムのオペレーションが展開されている。

技術開発は米国、フラッシュメモリーなどのデバイスは韓国や台湾、そして組み立ては中国国内のフォックスコンと、世界連合の生産システム。日本連合が世界連合に勝つには、日本のもの作りもこうしたグローバル化の現実に対応する必要がある。

重要なことは、こうしたグローバルな流通システムが整備されることで、中国のような新興国の生産力が向上することである。これがグローバル化の進展であるのだ。
 ある雑誌の見出しでウォルマートが中国の企業を鍛えているという記事があったが、ウォルマートのような世界基準に合わせた品質と価格設定を実現すべく中国で展開している世界中の企業がしのぎを削っている。
 台湾に本社を置くEMSメーカーであるフォックスコン(俗称)は、ウィキペディアの情報によると、広東省深センで55万の労働者を抱えた工場を持ち、任天堂やソニーのゲーム機、HP・デル・アップルのパソコン、iPhoneやノキアの携帯電話などを組み立てているという。

アップルのiPhoneやiPadを見れば分かるように、技術開発は米国、フラッシュメモリーなどのデバイスは韓国や台湾地域、そして組み立ては中国国内のフォックスコンと、世界連合の生産システムになっている。
 日本のもの作りが多くの製品で遅れをとっているのは、日本連合が世界連合に勝つことが難しいからだ。日本のもの作りもこうしたグローバル化の現実に対応する必要がある。

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