第1回「食」の安心 後編| 次の情報セキュリティのヒントがここに つくろう!安心ニッポン|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。
長村先生は、「食」のリスクコミュニケーションを行う人が消費者の近くに必要だという思いで、日本食品安全協会理事長として健康食品管理士の育成に携わっていらっしゃいます。
今、健康食品管理士の方は、何人くらいいらっしゃるんですか?
これまでにおよそ9,300人を認定しています。
どういうところで活躍なさっているんですか?
主に病院になります。といいますのは、薬剤師ですとか、臨床検査技師、管理栄養士、そして医師の方がこの健康食品管理士の資格をとるケースが多いんです。
病院では、診断内容や栄養学に基づいて、薬との相互作用なども考えながら、治療をサポート、あるいは健康を増進する「食」のアドバイスを行っています。
なるほど。心強いです。
ですが僕は、彼らがもっと皆さんの身近にいないとリスクコミュニケーターの役割は果たせないと思っています。私たちの身の回りは「食」の情報にあふれていますが、その安全性を本当に評価できる市民がどれだけいるのか、ということなんです。
テレビでも、インターネットでも、「食」をテーマにしたもの、多いですよね。
ですが僕は、彼らがもっと皆さんの身近にいないとリスクコミュニケーターの役割は果たせないと思っています。私たちの身の回りは「食」の情報にあふれていますが、その安全性を本当に評価できる市民がどれだけいるのか、ということなんです。
実は僕は高血圧で長らく薬を飲んでいたんですが、数年前に管理栄養士の教員に食事の見直しをすすめられて減塩食に変えたら、半年で薬がいらなくなりました。
へー!食の力ってすごいですね。
いま、メタボとその予備軍の人が日本に千何百万人かいます。その方たちも適正な食事をとることができれば、改善を見込めるはずです。
「医食同源」っていいますものね。
でもこれ、すごく大変なんです。メタボのお父さん用の食事を別につくる手間もそうですし、減塩食って塩を減らしただけじゃダメで、工夫が必要です。
その一例としてダシを強くきかせて食塩を減らすっていうのが基本にあり、理想的には毎日、昆布やかつおぶしを使ってダシをとって…となるんでしょうが、皆さん忙しく生活している時代には、安全な化学調味料を使った安心できる時短料理が、必要になってくるのではないでしょうか。
また、ご家族の介護をされている方も多いと思いますが、飲み込む力が落ちたおじいちゃん、おばあちゃんの食事も増粘多糖類というとろみをつける添加物があれば、手軽につくれます。
僕は添加物がもし一切使えなくなったら、持病を持っている方や高齢者の方など、およそ6千万人の日本人に適正な「食」が供給しにくくなってしまうと計算しています。
逆に言うと、よい「食」が6千万人の幸福をつくる、というわけですね。
今、健康食品管理士が、ただ安全なだけでなく、消費者一人ひとりに健康でおいしい「食」をアドバイスする役割を果しています。
そこで実は、新しいスタイルのレストランをつくれないか模索中です。
どんなレストランなんですか?
誰でもたまには家族揃って外食したいですよね。でも一般のレストランにはメタボのお父さんに合うメニューはありません。病院の指導に従えば、おかずはこれだけ、ご飯もこれだけ残しなさい、となります。
僕が今考えているレストランには、一般のメニューに加えて、高血圧の人のためのメニュー、糖尿病の人のためのメニュー、腎臓病の人のためのメニューなどが揃っています。
そこでは家族みんながおいしくて健康的な食事をとることができます。
そしてそのレストランに「食」のコミュニケーターがいるんですね。
はい。僕は、信頼できる情報を、消費者の皆さんに供給することが「食」の安心を高める最善の方法だと思います。そして皆さんが本当に質のいい食品を求めれば、業界は頑張ってつくるはずです。
世の中がそんな「食」の協奏曲を奏でることができれば、日本の食品の質はさらに向上します。
いま、日本の「食」は世界と競争をしていますが、僕は質のいいものをつくれば必ず世界に拡がっていくと思っています。
日本が、世界の「食」の質を上げるためにお役に立てれば素晴らしいですね。
今日はどうもありがとうございました。
私たちの身近に「食」の危険が潜んでいるように、日々のビジネスにも、無線LANやスマートフォンの利用など、情報漏洩の危険が潜んでいます。しかしリスクの存在を知らないユーザーは対策をスルーしてしまいがち。情報セキュリティでも「コミュニケーション」は大切だと思います。
日本の質のいい「食」は世界に必ず拡がる、という長村先生のお話。「秘文」も質のいいセキュリティで、日本のビジネスに安心をお届けします。
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