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2ページ目|第5回 社外編 豊かな人脈を築く力|齋藤孝の人間関係力養成講座|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

齋藤孝の人間関係力養成講座
第5回 社外編  -豊かな人脈を築く力-

初対面の人とは、“一本の線”を見つけよ

 とはいえ、自分から何もしなくていいというわけではありません。

 いつのころからか、いわゆる「異業種交流会」「名刺交換会」のようなものが盛んに開かれるようになりました。あるいは業界のパーティ等もよくあります。こういうものに積極的に出席して人脈を広げるのも、有効な手段でしょう。

 ただ、概してうまく行かない人が多いようです。こういう場では知人を介して新たな人を紹介してもらったり、自分が仲介して知人どうしを引き合わせるのが暗黙のルールです。しかし知人が一人もいない場合には、とにかく自分できっかけをつくるしかありません。

 これもなかなか困難ですが、さらに問題はそこから先。名刺を交換し、会社や仕事の内容を当たり障りなく話し合えたとしても、そこで言葉は途切れます。だいたい、初対面の相手に何をどこまで話していいのかは迷うところでしょう。おかげで、たいへん気まずい思いをするわけです。

 しかもこういう場合、翌日になって振り返ってみると、顔も名前も話題もまったく思い出せないことが少なくありません。これでは、いくら名刺が増えても「人脈」とはいえません。単なる時間と労力の浪費です。

初対面の人とは、“一本の線”を見つけよ
初対面の時は、相手の身につけているものに話を振って、会話のきっかけに。

 こういう事態を避けるポイントは、 双方をつなぐ“一本の線”を見つけること。何か共通の話題があれば、とりあえず場は持ちます。そこで、 例えば名刺の裏に自分の趣味や出身地、資格など簡単なプロフィールを書いておくのも手です。相手がそれを見て、何か関心を持ってくれればラッキー、というわけです。

 もちろん逆もあり得ます。初対面で相手のプロフィールまではわかりませんが、例えば時計やネクタイ、メガネ、名刺入れなどに着目して、ちょっと特徴的だったり高級品風だったりしたら、そこに話を振ってみる。軽いジャブ程度の会話になるでしょうが、相手も悪い気はしないはずです。

新聞・テレビネタで興味を探る

 ビジネスパーソンどうしの会話であれば、話題を相手の業界に持ってゆくのは常套手段でしょう。そのためには、ふだんから幅広く情報を仕入れておくことが欠かせません。

 しかしビジネスの世界は広いので、常に相手の業界に関するタイムリーな情報を持てるとはかぎりません。また事情によっては話しにくい場合もあるでしょう。そこで次に使えるのが、スポーツ新聞に載っているようなスポーツ・芸能情報です。これなら誰でもよく知っているし、気楽に話せます。

新聞・テレビネタで興味を探る
新聞やテレビネタで相手の興味・関心を探り、お互いの接点を探ろう。

 ただし、世間話に終始していては深みが出ません。 いくつかの話題を出し合いながら、お互いの趣味・嗜好の接点を探っていくといいでしょう。スポーツなら野球かサッカーか、それより映画や音楽か、あるいは政治・経済ネタや事件ネタか、といった具合です。幅広い情報を扱うスポーツ新聞だけに、頭の中でザッと紙面をめくっていけば、“一本の線”に行き着く可能性は高いと思います。

 同様に使えるのが「テレビ」です。私は初対面の人に、「最近おもしろかった番組はありますか」と問いかけることがあります。そこで挙げる番組によって、その人の興味・関心を知ろうというわけです。しかもテレビは良くも悪くもマニアックに走りすぎていないので、共通の話題を見つけやすい。自分も観ていれば「ああ、あの番組は~」と話を展開できるし、観ていなくても内容を聞けばだいたい雰囲気はわかります。

 いずれにしても、ここで重要なのは テーマを少しずつ絞っていくこと。ビジネスに関連する話でも、あるいは時計でもサッカーでもテレビタレントでもいいのですが、お互いに深く話せるものを探っていくわけです。それが見つかれば、お互いに印象に残るはず。その場かぎりの関係にはなりにくいと思います。

Aさん(30代女性)の偏愛マップ
Aさん(30代女性)の偏愛マップ

 なお、私はかねてより、こういうコミュニケーションの場で 「偏愛マップ」なるものの活用を推奨し、また実践してきました。つくり方は簡単、一枚に紙に、とにかく 自分の興味・関心のあるものを書いてまとめておくのです。フォーマットはまったく自由ですが、他人が見ることを前提に、 できるだけわかりやすく具体的に挙げるのが条件です。

 これをお互いに持ち寄って交換すれば、相手の“人となり”も自分との接点もすぐにわかる。つまり、あっという間に濃密なコミュニケーションが可能になるわけです。

 ただし、自分1人だけが用意しても効果は半減します。自己PRにはなりますが、他の人のことがわかりません。詳しくは拙著『偏愛マップ』(新潮文庫)を参照いただきたいのですが、もし会の主催者に近い立場にいるのなら、参加条件の一つとして提案するのもおもしろいと思います。

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