Chapter01 20代の「交渉力」調査
20代のビジネスパーソンたちは、どれくらい交渉に自信を持ち、どんなふうに交渉を進めているのでしょうか。アンケート調査で、20代の交渉力や交渉に対する意識を探ってみました。
まず、取引先や社内の人との交渉に「自信があるか」を聞いたところ、「はい」と答えた人は全体のわずか12.6%にとどまりました。9割近くの人が、交渉に自信がないことが分かります。
次に、ビジネス上で交渉に勝ったことがある人に聞くと、「はい」と答えた人はそれほど多くはなく、18.6%という結果に。実際に交渉を成功させた経験がある人が、ほとんどいないことが分かります。最近の20代は、意識の上でも、実際のビジネスの場でも、まだまだ交渉が「苦手」と言えるようです。
交渉が苦手な原因は何だと思うか聞いたところ、トップは「テクニック・知識の不足」(58.3%)。そのほか、「論理的に話す力がない」と能力不足を挙げた人が51.2%、「気の弱さ」が原因で相手に押されてしまう人が38.6%、「準備不足」を挙げる人が31.9%、「人間関係や情を優先してしまう」という人が25.7%いました。知識、テクニック、交渉能力そのものの不足のほか、若手ゆえの遠慮や気の弱さが、交渉が苦手な原因になっていることが読み取れます。
さらに、交渉術を身につければ、今以上に仕事ができるようになると思うか、と聞いたところ、83.5%と大多数の人が「はい」と回答。多くの20代が、交渉に苦手意識を持ちながらも、交渉術を身につける必要性を感じているようです。
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- 「一つ上の上司に言ってだめだったので、一番上の上司に伝えてトップダウンで方針を変えたことはある」(24歳/女性)
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- 「相手が、出した価格ではまったく動じず、ほかときちんと比較し、説明して、相手を納得させ、交渉成立させた」(31歳/女性)
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- 「相手の意見を受け止めつつ、自分の主張をさりげなく織り交ぜることで、余分な仕事が不要になった」(24歳/女性)
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- 「お客様のほしい商品が希望納期に納品できないとき、代わりの商品を提案して受注に至った」(28歳/女性)
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- 「交渉が上手い人のテクニックや話し方を研究」(24歳/女性)
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- 「相手の人柄や思考をできる限りリサーチ・理解している」(23歳/女性)
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- 「相手とある程度会話をしてから本題に入る」(24歳/男性)
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- 「最初からできないことははっきりできないと伝える」(25歳/男性)
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- 「強引な態度のお客様は、逆らうと余計に面倒なので、あまりこちらも強引になれず、いつも負けてしまう」(29歳/女性)
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- 「社内で、優先すべき納期の仕事があるにも関わらず、他の仕事も与えられてしまった」(27歳/女性)
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- 「不当なクレームをつけられたが、どう対応してよいかわからず、ただうろたえてしまった」(28歳/女性)
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- 「業者に製品の納期短縮を依頼してもいつもはぐらかされてしまう」(27歳/男性)