Chapter03贈り方マナー ~季節のごあいさつ編~
お世話になった人に、日ごろの感謝の気持ちを定期的に贈るのが、お中元、お歳暮などの季節のごあいさつです。20代のビジネスパーソンには、個人的にお中元・お歳暮を贈る人は少ないようですが、一通りのマナーを覚えておくと安心です。
贈る時期
- お中元:
- 関東は、7月1日~7月15日、関西は、7月中旬~8月15日の間に到着するように贈る。
- お歳暮:
- 12月初旬~25日ごろまでに到着するように贈る。
値段の目安
3,000円~5,000円程度。
おすすめの品
企業同士ですと、食品が一般的ですが、個人同士の場合は、洗剤、タオルなどの日用品や、しょうゆなどの調味料、商品券などを贈ることも多いようです。 「相手の好みや生活スタイルを考えて、喜んでもらえるものを贈りましょう。お肉や野菜など、その土地の特産物も喜ばれますよ」(岩下先生)
体裁マナー
赤白のちょう結びの水引に、のしを付けて。表書きは「御中元」、「御歳暮」が一般的。
贈り方マナー
お客様へのお中元・お歳暮は、会社から贈ることが多いので、その場合は金額や内容は上司と相談しながら決めましょう。また、会社によっては、お中元・お歳暮のやり取りを禁止している場合があります。お世話になっている上司や仲の良いお客様に個人的に贈りたい場合は、会社の規定を確認してからにしましょう。お家に伺って感謝の言葉を述べて渡すものですが、それができないのであれば宅配便などで贈ります。その際には必ず贈り状かカードを付け、感謝の気持ちを書きます。
伺う時期
仕事始めから7日ごろまで。
値段の目安
500円程度。
おすすめの品
タオル、手ぬぐいなどが一般的。会社のカレンダーやスケジュール帳、干支の置物などがあればそれでも可。
体裁マナー
赤白のちょう結びの水引に、のしを付けて。表書きは「御年賀」。
贈り方・渡し方マナー
「お客様によって、毎年もらえるカレンダーを楽しみにしている人もいれば、逆にカレンダーはほかでももらうから要らないという人もいます。何が喜ばれるのかリサーチして、しっかり把握しておくことが大切です」(岩下先生)

ここで、「手土産の渡し方」をシミュレーションしてみることに。タカハシがいつもお客様に渡しているやり方で渡して、先生に細かい部分までチェックしていただきました。

タカハシのいつもの渡し方
- お客様が応接室に入って来たら、まず「いつもお世話になっております」とお辞儀をしてあいさつ。
- 着席する前に、紙袋から品物の箱を取り出し、表書きがちゃんと見えるよう、相手に品物の正面を向けて渡す。
- 「よかったらこれもお使いください」と言って、品物が入っていた袋も渡す。
- 「OKです。問題ありません」
- 「タカハシさんのやり方でも失礼ではありませんが、品物は、まず自分に向けて持ち、一回転させて相手の正面に向けてから渡すのが正式な方法です」
- 「マナー的には、品物だけ渡して、紙袋は持ち帰ってもいいのですが、訪問先が大きな会社の場合、相手はこの後、品物を持ったまま廊下やエレベーターを移動することになります。持ち運びもしにくいですし、ビジネスパーソンが食べ物を見える状態で持ち歩くのは、あまり印象がよくないもの。紙袋を渡してあげる気遣いはいいですね。この場合、紙袋は、帰り際に『処分していただけますか?』と言って手渡すと、より感じがよくスマート」
お中元・お歳暮を一度だけ贈るのはアリ?
お中元、お歳暮は、「これから先ずっと親しくお付き合いしたい」と思う方に、毎年贈り続けるもの。一度だけ贈るのは失礼です。ただし、今年は特にお世話になったという人に一度だけでもお中元・お歳暮を贈りたい場合は、表書きを「御礼」として贈るようにしましょう。 上司に日ごろの感謝の気持ちを伝えるなら、お中元・お歳暮の代わりに誕生日プレゼントとして、お花やカード、シャンパンなどを贈るのもおすすめ。「誕生日プレゼントなら、部署が変わった際に贈るのを止めても不自然ではありません」(岩下先生)