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キャッシュレスで何が変わるのか・Chapter8:キャッシュレスを推進する政府の取り組み|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

変わり始める“お金”のスタイル キャッシュレスで何が変わるのか

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Chapter8キャッシュレスを推進する政府の取り組み

ここまでは民間企業のキャッシュレス化をめざした動きにターゲットを当ててきましたが、日本政府もキャッシュレス推進に向けた取り組みをスタートしています。

経済産業省は2018年4月に「キャッシュレス・ビジョン」を公表しました。ここには前編・中編を通して見てきたキャッシュレス推進に関するさまざまな課題と、それを解決する方向性、民間企業で始まっている取り組みなどが掲載されています。

まずは、この「キャッシュレス・ビジョン」に示された、キャッシュレス化に向けて促進効果があると考えられる動きを紹介しましょう。

すでに見てきたように、日本の小売業や飲食業は少子高齢化による人手不足とそれに伴う労働コスト上昇に直面しています。また、最近しばしば耳にするようになった「フードロス」という言葉に表されるように、サプライチェーン全体で見ると食品を含む商品の廃棄や返品といった課題も見られ、企業の生産性だけでなく地球環境保護の観点からも問題を指摘されています。

そこで経済産業省はコンビニ各社と協力し、コンビニ取扱商品に電子タグを付けることによる「物流」のスマート化に取り組んでいます。さらにはChapter2で触れたように、電子レシートなどの導入により「商流」をスマート化する取り組みも進んでいます。ここにキャッシュレス決済による「金流」のスマート化を組み合わせることで、人手不足を解消できるだけでなく、サプライチェーンの効率化や新産業創出につなげることも可能になるとしています。

商流・物流・金流のスマート化 出展:経済産業省「キャッシュレス・ビジョン」(2018年4月)

商流・物流・金流のスマート化
出展:経済産業省「キャッシュレス・ビジョン」(2018年4月)

また、キャッシュレスにより会計が電子化されれば実店舗などにおける財務管理の手間が削減されるだけでなく、行政側からすると事業者などが納めるべき税金を正確に把握できることから、納税の公平性を求める社会の要請にも応えられます。こうして得られた財源を投資することで、上のスマート化と同様、経済の活性化と新産業創出に効果をもたらすとしています。

「2017年6月発表の『未来投資戦略2017』では、2027年6月までにキャッシュレス決済比率を現在のほぼ倍の40%まで上げることをめざしていました。『キャッシュレス・ビジョン』ではこれを前倒しし、先ごろ開催が決定した2025年の大阪万博までに40%を実現すること、さらには将来的にキャッシュレス決済比率を世界最高水準の80%まで上げるため環境整備を進めていくことを宣言しています」と海老原氏は語ります。

日本のキャッシュレス化をオールジャパン体制で進めていくため、2018年7月、業界横断の連携組織である一般社団法人「キャッシュレス推進協議会」が設立されました。6月発表の「未来投資戦略2018」にも協議会の設立が明記されています。9月時点で法人会員(民間企業)212、団体会員(業界団体など)29、自治体会員10、個人会員1人が参加しています。

キャッシュレス推進協議会の目的は、産官学・国内外を通じた多様な組織や個人が連携を図ることで、本格的なキャッシュレス社会を早期に実現することです。活動としては、QRコードによる支払いの普及に向けた取り組み、消費者・事業者向けのキャッシュレスに関する啓発などが挙げられています。

「実店舗などにおけるQRコードの規格は、現在統一されていません。今後多くのキャッシュレス決済事業者がそれぞれの規格を採用する事態になると、消費者や事業者が混乱し、キャッシュレスの普及を阻害してしまう可能性があります。そこで協議会ではQRコードのうち店舗提示型の一次元バーコードについて、2019年3月までに論議を集約し、ガイドラインを取りまとめることとしています」と海老原氏は言います。

初年度である2018年度はこの「QRコード決済の標準化」に加え、「自動サービス機におけるキャッシュレス普及促進」「キャッシュレス支払時におけるペーパーレス」「キャッシュレス関連統計の整備」など7つのプロジェクトが活動する予定になっています。

キャッシュレス推進協議会は2018年8月に初会合を開き、130の企業・団体の担当者が集まりました。2025年までにキャッシュレス決済比率を40%にする目標を達成するため、これからも活動が続けられます。

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公開日:2019年3月15日

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