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デジタルトランスフォーメーションの基礎知識・Chapter1:デジタルトランスフォーメーション(DX)とは|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

最新技術で付加価値を生み未来を生き抜く デジタルトランスフォーメーションの基礎知識

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監修者プロフィール

柴田 和也 氏/小倉 政貴 氏/川口 聡史 氏

監修者の3人が所属する経済産業省 商務情報政策局は、ITシステムの課題について整理を行って対応策を検討し、「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」という報告書の取りまとめを担当した部署。3人とも、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進していく立場にある。

経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課(ITイノベーション課) 課長補佐(戦略担当)
柴田 和也 氏(左)

経済産業省 商務情報政策局 情報経済課 総括係長
小倉 政貴 氏(中央)

経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課(ITイノベーション課) 総括係
川口 聡史 氏(右)

Chapter1デジタルトランスフォーメーション(DX)とは

今ビジネスの世界で注目されている言葉の一つに「デジタルトランスフォーメーション(DX)」があります。この言葉を文字通りに読めば、「デジタルによる変革」といった意味になります。

「デジタルによる変革」と聞いても、何を意味しているのかわかりにくいかもしれません。たとえば私たちの日常を振り返っても、スマートフォンというデジタルギアによって生活スタイルがガラリと変わるなど、大きな変革が次々と起きています。こうした日常生活の劇的な変化も「DX」と呼ばれるものなのでしょうか。

実のところ、DXにこれといって確立した定義があるわけではありません。さまざまな組織がさまざまな考え方を提示しているのが現状です。

そもそもDXの定義とは?

ちなみにDXという概念自体は、2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した「ICTの浸透が人々の生活をあらゆる面でよりよい方向に変化させる」(総務省「平成30年版情報通信白書」より)ものだという考え方が基になっているといわれています。

こうした前提を理解したうえで、「DXとは何なのか」という疑問に答えるため、IT専門調査会社のIDC Japanによる定義を紹介しましょう。以下に要約して掲載します。

「DXとは、クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術を利用し、新しい製品・サービス・ビジネスモデルを通して価値を創出し、競争上の優位性を確立すること」

広い意味での「デジタルによる変革」が私たちの日常生活全般にもすでに起きていることは間違いありませんが、この定義ではより踏み込んで、DXとはビジネス価値を提供する主体、つまり企業(行政などの団体も含む)が起こすべき変革のことを表していると読み取ることができます。

経済産業省のDX取り組み例 出展:経済産業省「行政デジタル化に関する政府全体の動向と経産省の取組」

経済産業省のDX取り組み例
出展:経済産業省「行政デジタル化に関する政府全体の動向と経産省の取組」

その変革を、クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャルといったデジタル技術を用いて起こしましょうというのが、DXの一般的な考え方だといえます。後に触れますが、経済産業省も2018年9月に発表したレポートの中で、IDC Japanのこの定義を採用しています。

DXは単にデジタルツールを使いこなすことではない

ところで、このように書くと「うちの会社でも業務でいろいろなデジタルツールを使っているよ」という声が聞こえてきそうです。たしかに今やどの会社にもPCはありますし、ExcelやPowerPointを日常的に使い、スマートフォンやタブレット端末も利用していることでしょう。そうしたデジタルツールを活用するスタイルと、DXとの違いは、一体どこにあるのでしょうか。

現在、多くの企業において行われているデジタルツールの活用、言い換えれば「業務のIT化」は、従来は紙などのアナログ手段で行っていた業務をITに置き換えただけだといえます。それに対してDXは、デジタル技術を用いて“付加価値”を高めるというところに主眼があります。IDC Japanの定義に即していえば、新しい価値を創出し、競争に勝っていくことが目的となるわけです。

この“付加価値”は、さまざまです。企業によってはまさに新しい製品やサービスを開発して大変革を起こすことが付加価値になるでしょうし、Chapter3で紹介するようなプラットフォームビジネスの創出を付加価値ととらえるかもしれません。また別の企業にとっては、成長力強化やサステナビリティ(持続性)の担保を付加価値と考える場合もあるでしょう。

いずれにせよ、まさに「競争上の優位性を確立する」ために、単なるIT化のレベルを超えてデジタル技術を活用し、付加価値を生み出すこと、これこそがDXのめざすところだといえます。

いまDXが注目される理由

では、なぜこのタイミングでDXという考え方が注目されるようになったのでしょうか。

先ほども触れましたが、経済産業省は2018年5月から4回にわたって開催した「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」の議論をまとめた報告書として、9月に「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」を発表しました。同レポートでは、DXを実行することが、これからの時代に企業が生き残っていくための鍵になるとしています。

IT化は今やどの企業でも進み、ビジネス活動の大前提となっています。一方では、最新のデジタル技術を使って新しいビジネスを展開する事業者がさまざまな産業で台頭し、産業界はグローバルの視点で大きな、そして急激な大変革期を迎えています。このタイミングで日本企業もDXを実行していかなければ、時代に取り残され、ビジネスの継続が難しくなるだろうという危機感が背景にあります。

ビジネスのサステナビリティを担保し、今後の時代において競争力と優位性を確立するためにも、企業はDXを前提とした経営戦略を策定し、従来のITシステムを最新のデジタル技術で刷新するなどの取り組みを進めていくことが求められているのです。

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公開日:2019年5月29日

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