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デジタルトランスフォーメーションの基礎知識・Chapter9:DX取り組みのまとめと展望|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

最新技術で付加価値を生み未来を生き抜く デジタルトランスフォーメーションの基礎知識

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Chapter9DX取り組みのまとめと展望

DX推進のためにどのような取り組みを進め、何を実現すべきであるか。これについては、実のところ明確な答えや道筋はありません。業種業態、あるいは企業それぞれによっても最適解は異なりますし、一方でデジタル技術は今後もとどまることなく進化していくと考えられるので、現在の最適解と思われるものが数年後にも最適解であり続けるかどうかは不透明な面もあるからです。

そうした事情もありますが、とはいえ立ち止まってはいられません。はっきりしているのは、データを最大限活用するDXを今後推進していかなければならないこと、推進に向けて既存ITシステムの刷新をはじめすぐにでも動き出さなければ“2025年の崖”に落ちかねないこと……これが、日本が直面している現状でもあります。

中編では、DXの前提となるレガシー化した既存システムの刷新を進めるにあたり、日本企業が抱えている課題について説明しました。日本企業の多くはシステム開発においてベンダー企業に頼りきりの現実があるという話もしましたが、その実情を反映した数字として、興味深い調査があります。

独立行政法人情報処理推進機構の「IT人材白書2017」によれば、日本におけるIT人材は7割以上がベンダーを含めたIT企業に偏っており、それ以外の企業には3割弱しかいないことがわかります。つまり、既存システムの刷新にあたって自社で積極的に関与していこうと考えたとしても、そのノウハウを持ったIT人材が社内にいないわけです。

このままでは、システム開発をベンダーに丸投げしている現状は変えられず、DXに向けた効果的なシステム刷新も難しくなるのは目に見えています。

IT企業とそれ以外の企業に所属する情報処理・通信に携わる人材の割合 出典:IT人材白書2017

IT企業とそれ以外の企業に所属する情報処理・通信に携わる人材の割合
出典:IT人材白書2017

また、昨今はシステムの要件定義をしっかりと行い、仕様を固めたうえで設計・開発を順序立てて進めていく従来のウォータフォール型開発ではなく、次々と現れる新たな状況に対応するため柔軟な仕様変更を前提として開発を進めるアジャイル型開発が注目されています。アジャイル型開発を行うには、当然ながらすべてをベンダーに任せるのではなく、ユーザー企業は自社のエンジニアも積極関与させて取り組んでいくことが必須になります。もちろんこれについても、IT人材がベンダーに偏っている状況ではうまく対応できません。

そこで繰り返しになりますが、経営者が強力なコミットメントを打ち出すとともに、経営戦略の中核にDX推進を据え、IT人材の確保と育成に力を入れていくことがやはり重要になります。

そもそも現在はベンダー企業においてもIT人材の人手不足が顕在化し始めており、変化の速いデジタル技術の進化に対応するため、エンジニアのスキルシフトの必要性が指摘されています。また、ベンダー企業も受託開発一辺倒だった従来のビジネスモデルを転換し、ユーザー企業と協力しながらシステム開発を行っていくことが求められるようになるでしょう。

もちろん、ベンダー企業でも不足しがちな有能なIT人材を、ユーザー企業が短期間で確保・育成するのは難しい部分もあるでしょう。だからこそ人材戦略をしっかりと描きつつ、着々と進めていくことが大切です。

そして同時に、IT人材の充実をただ待つことなく、一方では一刻も早い段階で、DXに向けた取り組みを始動する必要性があるのだともいえます。

既存システムの短期間での刷新が難しいなら、ひとまずは、たとえば現在拡大の一途にあるパブリッククラウドなどのサービスを活用することで、DX取り組みのきっかけをつかんでほしいと思います。

グローバルに展開するパブリッククラウドのメガプレイヤーは競争力を日に日に高めつつあります。そうしたパブリッククラウドを上手に使えば、ユーザー企業もIT投資効率を向上させられるだけでなく、これまでの業務分野を超えた新たなビジネスモデル創出の可能性も高まることでしょう。

Chapter7で触れたように、経済産業省は2025年をひとつのマイルストーンと設定したシナリオを描き、そこに向けてガイドラインや指標の整備を進めています。手探りで進めるのは難しいテーマですから、これを活用しない手はありません。

DXの推進、及びその前提となる既存システムの刷新は、企業にとってはいうまでもなく投資であり、投資であるからこそメリットだけでなく、デメリットやリスクも想定したうえで進める必要があります。

しかしながら長い目で見れば、やはりDXを起こさないことには、企業にとって明るい未来をイメージすることができません。すでにそうした“崖”に近づいているという意識を経営者が持ち、強力なコミットメントのもと、攻めを重視しつつ守りも両立した展開を志していただければと思います。

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公開日:2019年6月17日

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