住友商事株式会社様 活文 Managed Information Exchangeの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

活文 Managed Information Exchangeの導入事例

住友商事株式会社様

「活文」を軸に労働災害管理システムを構築。グループ全体の労働安全の取り組みを強化し、類似労働災害の発生を防止

総合商社の住友商事では、従業員に安全・衛生・健康面で適切な労働環境を提供するため、労働安全への取り組みを強化しています。その中で、労働災害の予防に向けて、発生した労働災害の情報を正確かつ粒度を揃えて記録し、そこから得られる教訓をグローバルに共有できる仕組みが必要でした。しかし、このニーズに対応する既存のソフトやサービスがなく、同社は「活文」を基盤とした独自の労働災害管理システム「GENSAI」を構築。2025年5月に運用を開始し、グループ全体の労災事故情報の一元管理と過去事例の活用、労災対応におけるノウハウ共有を推進しています。

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課題
効果
多様なビジネスモデルで発生する労働災害情報が複雑化し、情報の取捨選択や粒度の統一化に多大な労力がかかっていた
情報項目を定義し入力を統一したことで、労働災害情報の粒度が揃い、正確な記録と一覧性向上が実現した
労働災害の情報を扱うには専門知識や現場経験が必要で、対応できる人材が限られていた
操作性の高いGUIを多く採用したことで、労働災害に対する高度な知識を持っていない担当者でも簡単かつ効率的に操作が行えるようになった
セキュリティの観点から、労働災害データはイントラ内のフォルダに保存され、国内の特定の担当者しかアクセスできず、広く共有できなかった
セキュリティ環境下に「GENSAI」を構築し、日英対応をしたことで、国内外から安全にアクセスできるグローバルな共有プラットフォームが実現できた

*GUI:グラフィカル・ユーザー・インターフェース

労働災害管理システム「GENSAI」概要図

背景

グループの労働安全向上をめざす

横田 氏災害・安全対策推進部 労働安全チーム長
横田 雅彦 氏

住友商事グループには、鉄鋼、自動車、輸送機・建機、都市総合開発、メディア・デジタル、ライフスタイル、化学品・エレクトロニクス・農業、資源、エネルギートランスフォーメーションと9つの営業グループがあり、その中には、製造、流通、インフラ、資源、エネルギー開発など、多様なビジネスモデルと「現場」が存在しています。そのため、ひとえにグループ全体の労働安全強化に注力するといっても、実際に発生している労働災害は、通勤途上のオートバイ事故であったり、製造事業での設備メンテナンスやトラブルシューティング中の事故、インフラ事業における工事現場での事故など、報告される内容も千差万別です。

こうした状況を踏まえ、同社は「従業員の安全確保」を経営課題に位置付け、2022年に災害・安全対策推進部内に労働災害対応の専門組織を立ち上げました。63カ国・地域の125拠点から寄せられる労働災害データを統括的に管理するため、2024年5月発表の中期経営計画2026に掲げる「デジタルで磨き、デジタルで稼ぐ」の方針に沿って、DX技術を活用したデータベースを構築することを模索しました。

横田氏はDX技術を取り入れた理由について、「専門知識が必要な労働災害対応のノウハウを、システムによって標準化・可視化し、将来にわたる永続的かつ貴重な教訓&財産として残していくため」と語ります。

取り組み

労働災害管理システム「GENSAI」を構築

同社はこれらの課題を解決すべく、新たな労働災害管理システムの構築に取り掛かりました。その核として採用された製品が、日立ソリューションズの「活文 Managed Information Exchange」(以下、活文MIE)です。

横田氏は採用理由について、過去のデータベースおよびアプリケーション開発の経験から大切にしている「小さく生んで、大きく育てる」開発方針を挙げ、この方針に「活文 MIE」の機能が非常に適していたと語ります。まずは必要最小限の構成で早期に立ち上げ、ユーザーからのフィードバックを受けながら段階的に機能拡張できる点が評価されました。

さらに、「活文MIE」のパッケージソフトの習熟度の利点だけでなく、開発に携わる日立ソリューションズの関係者全員が、労働安全のシステム構築という新たなフィールドへの挑戦に高い共感を持って取り組んでくれたことも大きな決め手になったと語ります。

「新しいシステムを使うユーザーも人ですが、これを構築するのも同じく人なので、同じ考え方、情熱をもったONE TEAMを組成できないと、いくらお金と時間をかけても良いシステムは創れません」と横田氏は振り返ります。

新たな労働災害管理システムは「GENSAI」と名付けられました。「GENSAI」の利用ユーザーが日本人だけでなく、グループ内の外国人の方も対象となっているため、外国の方にも覚えやすく発音しやすい英語の名称を採用していますが、その意味は「労働災害を減らし、たとえ災害が起きても蓄積したノウハウを活用して被災者の傷病の程度を軽減する(重大労働災害に至らせない)」という“減災”への強い願いが込められています。

2024年7月に開発プロジェクトがキックオフし、労災事故情報の入力・共有などの機能を備えた1stフェーズが2025年5月に稼働。続けて同年9月に、労災レベル判定をカスタマイズ開発した2ndフェーズをリリースしました。

「労災事故情報をプルダウンで入力できるようにしたことで、情報の粒度をそろえられました。労災レベル判定機能は、私が積み上げてきた経験とロジックに基づき、システマチックに判定できるように実装しました」(横田氏)

効果

労働安全向上と業務効率化を両立

「GENSAI」は横田氏が所属する労働安全チームに加え、各営業グループやグループ会社の担当者が事故情報のデータ入力に活用しており、早くも効果が表れています。

「標準化によって粒度のそろった労災事故情報を管理し、グループで円滑に共有できるシステムを整備できました。類似事故を削減できる手応えを得ています。安全工学では、労働災害が発生した場合、被災者の傷病対応にかかるコスト(医療費など)を1とすると、会社側の対応コストは約4倍にのぼると言われています。事故情報を共有し類似事故を予防できれば、このような間接コストの削減にもつながると考えています」(横田氏)

さらに、労働災害で発生した傷病に対する指標である重篤度(労災レベル)は、ISO45001(労働安全衛生マネージメントシステム)や、各国の労働関連法に、現時点で明確な定義が存在しません。そこで、住友商事グループで独自基準として労災レベル判定を導入し、それをこの「GENSAI」によって社内統一基準としてグローバルに展開しました。

横田氏は「この社内統一基準は必ずしも各国の労働関連法の定義と完全に一致するわけではありませんが、住友商事グループとしての明確な基準を示し、システムによる自動判定を導入したことで、どの国の担当者が見てもわかりやすい仕組みになりました。これは大きな意義があります」と語ります。

また、「活文MIE」が備える、情報をあらかじめ設定した分類に仕分け、操作性の高いGUIでスムーズにデータベース登録できる仕組みに加え、労災発生をメールで通知する相手を細かく設定できる機能などによって、入力負荷や連絡調整の手間が軽減されました。

これらの取り組みにより、労働安全業務が特定の担当者に依存する状態から大きく改善し、安全管理の未経験者でも「GENSAI」のサポートがあれば、必要な業務を確実に実行できるようになり、同時に、事故対応にかかる工数削減、生産性向上へとつながっています。

導入支援した日立ソリューションズを横田氏は「いつも迅速かつ的確に対応してくれて助かりました。『GENSAI』は、運用後も一度もシステムトラブルが発生しておらず、安定稼働も含めて大変満足しています」と評価します。

展望

AIで事故の原因分析を支援

住友商事は今後も「GENSAI」の活用を進めると同時に、機能強化をめざします。「引き続き日立ソリューションズをパートナーに、『GENSAI』の機能向上に取り組みます。例えば、蓄積した過去の労災事故情報から原因を分析するなど、AIを効果的に生かして労働安全向上を加速します」と横田氏は構想を明かします。

世界各国でさまざまな業務に従事する従業員を抱える同社の労働安全を、日立ソリューションズはこれからもITの力で支えてまいります。

住友商事株式会社

所在地 東京都千代田区大手町二丁目3番2号 大手町プレイス イーストタワー 住友商事株式会社
設立 1919年12月24日
従業員数 5,105名(連結ベース8万3,430名)
事業内容 多様な商品・サービスの販売、輸出入および三国間取引、事業投資など、総合力を生かした多角的な事業活動を展開
URL https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/

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本事例の内容は2026年3月13日公開当時のものです。

最終更新日:2026年3月13日