南海プライウッド株式会社様 生産・販売・原価 統合パッケージ mcframeの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

生産・販売・原価 統合パッケージ mcframeの導入事例

南海プライウッド株式会社様

販売・生産・物流・購買情報の一元管理に加え、「MCFrame」とスマートデバイスを連携。リアルタイムでの全社情報の"見える化"を実現。

建築内装材の総合メーカーである南海プライウッド株式会社(以下、南海プライウッド)では、現在の消費者ニーズを踏まえた多品種・少ロット生産に対応する情報システム基盤を模索。基幹システムとしてシームレスに連携する「MCFrame」を導入するとともにスマートデバイスとの連携機能を追加し、スムーズな生産管理と全社情報の"見える化"を実現しました。

メインイメージ

この事例に関するソリューション・商品

課題
導入後
  • 約10年を経て生産管理システムに障害発生
  • 属人的な生産管理体制による在庫の増大
  • 販売計画と生産計画が連携されていない
  • 原材料から製品までの全社情報の見える化
  • 在庫日数を約30日から20日に短縮
  • iPhone生産管理により作業時間を削減
  • 受注担当者の時間外労働を低減

導入の背景と課題

変化したモノづくり環境に対応するための新システムを

大川 正仁 氏執行役員 製造部門 生産管理担当
大川 正仁 氏

南海プライウッドがシステムの再構築を検討し始めたきっかけは、立ち上げから10年が経過する中、ハード的な問題に起因する障害で、従来の生産管理システムが停止していました。1度止まると復旧に時間がかかり基幹業務に影響が出ていました。サーバー改修や仮想化環境をつくるなどして対処してきたものの、安定稼働のための抜本的な対策が必要となってきていました。
加えて消費者ニーズの変化を受け、モノづくりの形態が量産型から多品種・少ロットへと変わってきたことも大きな要因でした。これらを背景に、安定稼働を絶対条件に、受注生産・個別生産型のモノづくりに対応できる新システムが求められたのです。最も重要なミッションは、生産と販売の計画を連携させての在庫削減の実現。もちろん、在庫キャッシュフローの改善以外にも、販売・生産・物流・購買情報が連動することにより、業務の効率化を図ることも大きな狙いでした。

選定の経緯

ポイントは全社情報の"見える化"に最適なシステム

岡上 記章 氏業務監理推進グループ 情報システムチーム チーフ
岡上 記章 氏

新システムの選定は、どのようなパッケージ型システムを採用するか、という以前に、どれだけ信頼できるITベンダーを探すかというところからスタートしました。

「今回のプロジェクトでは、基幹システムをいかに安定稼働させ続けることができるかということを重要視しました。当社の情報システム部門だけでは人的リソースも限られているため、ITベンダーの拠点やトラブル時の対応の仕方なども考慮しながらパートナー選定を実施しました」(大川氏)。

5社による最初のプレゼンテーションでは、課題やニーズに対する解決策や実現の方法などを、各部門の責任者や役員など、およそ30名で評価。提案力・問題解決力・技術力といった評価項目による点数と、各人からのメッセージを集計・勘案した結果、四国日立システムズと日立ソリューションズがタッグを組んだ日立グループと、もう1社に絞り込まれました。

「最終的に日立グループをパートナー企業として選んだのは、単にパッケージの紹介にとどまらず、課題を解決するための技術や方法を幅広く提案いただいたことが最大の理由です。中でも、まだ2社のうちどちらを選ぶか悩んでいたときに『両社に改めて要求定義をさせて再度ご検討いただくという方法もある』との気付きのひと言が印象に残っています。このひと言で"本音で話ができる"と感じました」(大川氏)。

日立グループの提案を踏まえて要求定義を仕切り直した後、新システムには「MCFrame」と分析ツール(「Dr.Sum」)の採用が決まりました。決め手となったポイントは、主に以下の4つです。

  • 販売・生産・原価すべての正確なデータを一元管理することで全社情報の"見える化"が実現できること
  • リアルタイムな更新処理と一元化により、必要なデータを必要なときに確認できること
  • パッケージ適用による"業務標準化"が実現できること
  • データ分析ツールにより、蓄積したデータを有効活用して経営分析をサポートできること

このほか、国内製造業のノウハウが集約された「MCFrame」は370社以上の導入実績があること、グローバル展開をサポートしていること、カスタマイズしやすいアーキテクチャであることも決定の後押しをしました。

導入時の取り組み

業務効率の向上を狙い、スマートデバイスとの連携機能を追加

佐野 英樹 氏業務監理推進グループ 情報システムチーム チームマネジャー
佐野 英樹 氏

2010年8月頃から本格的な開発と導入作業がスタートしました。再要件定義から総合テスト、運用テストを経て、稼働開始までの期間は約1年5か月。

「従来のシステムは、営業・物流系で利用していましたが、生産系はシステム化されておらず、エクセルや手書きにより運用していました。人に依存していた生産管理は、新システムへの移行には期待が高い一方、業務の進め方が大きく変わるため、関連部門への理解と協力、調整が重要でした」(大川氏)。

また、計画当初にはなかった「MCFrame」とスマートデバイスを連携させる機能も追加することになりました。これは、生産管理情報を日報集計後に手入力するのは事務担当者の負荷が大きく、現場の担当者が即時に入力できる仕組みをつくる必要が明らかになったからです。また、当時、スマートデバイスが急速に普及したため、業務にも応用できるのではという社会的背景もありました。「MCFrame」の本番稼働に間に合わせるべく急ピッチで作業が進められ、2か月という短期間で開発が完了しました。

「「MCFrame」のユーザー会で他社の導入事例を知る中、スマートデバイスとの連携ができないものかと考えました。製造指図の着手、良品出来高、不良品の理由といった製造や投入実績の情報が現場で入力できれば、業務効率の大幅な向上にもつながるからです。また、部材ロットの正確な管理や現場のペーパーレス化にもつながるのではと考えました」(大川氏)。

「また、開発が進む中で、本社に日立グループのスタッフに常駐していただいたことで、現場の疑問や機能の要望などをいつでも相談できる体制が整ったほか、当社人員の数的課題もクリアとなり、プロジェクト全体も大いに進捗しました」(岡上氏)。

導入後の効果

業務効率の向上に加え、製造部門改革の起爆剤として

山田 秀樹 氏生産管理グループ 生産管理チーム チームマネジャー
山田 秀樹 氏

2012年1月、新システムが本格稼働し、販売・生産・物流の各部門の情報を同じルールで比較・評価できるようになったため、販売計画立案から在庫調整までの実績がリアルタイムに収集が可能なスピード感ある体制が整いました。 導入の効果として最初に挙げられるのは、「MCFrame」を活用して生産管理計画のコントロールを始めたことによる在庫の適正化。導入前30日程度だった在庫日数がおよそ20日程度に短縮されました。
販売の観点からの効果は、「MCFrame」をカスタマイズし、商流を商社・一次店のほか、問屋・納材店を含めて4階層化した結果、分析ツールを用いればどこの店舗に対する売上の利益が大きいか、すなわち販売活動による利益貢献が明確に"見える"ようになったことです。

「さらに、業務効率が向上したため、営業の受注担当者の残業が減ったという効果も現れています。20数名の受注担当者の中には深夜まで残業する者もいましたが、今では多くても1時間程度の残業で済んでいます。働きやすい職場環境を確立するという面でも「MCFrame」の効果が出始めています」(佐野氏)。

今後の運用での活用メリットが特に期待されているのは製造部門です。原材料から製品までの在庫状況の"見える化"と一元管理ができる環境が整ったので、生産計画の確立をはじめ、生産管理に関わる成果が期待されます。

「生産計画の精度が上がれば実績・結果のブレ幅が小さくなり、大幅な生産効率の向上やリードタイム短縮につながります。まだ十分に活用していない「MCFrame」の機能を使って、理想的な需給調整の流れをつくり、ひいてはSCM(※)改革を実現することが目下のミッションとなっています」(山田氏)。

さらに南海プライウッドの製造部門の現場では、「NANKAI BLUE PLAN 2020」というスローガンを掲げ、2020年までに「儲かる工場コスト50」を達成する活動が始まっています。具体的には、作業工数の4割削減や実績原価の3割低減、品質歩留まり2割向上、製造リードタイムの3分の1短縮などによってコスト半減をめざすというもの。海外工場を含め、事業拠点が異なっていたり、組織によってミッションが違っていたりする現状を、横串の改革展開で打開しようという狙いです。こうした改革を実現するためにも、各部門の情報の連携を担う「MCFrame」への期待はますます大きいものとなっています。

※SCM:Supply Chain Management

評価・今後の展望

ITベンダーとしてだけでなく同じモノづくり企業としてもパートナーに

ITベンダーとしてだけでなく同じモノづくり企業としてもパートナーに 「今回のプロジェクトではシステムをどうするかと同時に、信頼できるITベンダーと出会うことも重要でした。稼働後の効果が徐々に出てきていますが、製造部門やSCM改革にとっては今後が正念場となります。日立グループには、安定稼働を継続するためのサポートはもちろん、そうした観点からの提案や協力もお願いしたいと考えています」(岡上氏)。

「当社はモノづくり企業です。本業に専念できるような情報システムを導入・確立するといった面では大いにご協力いただき感謝しています。今後もITのことにとどまらず、同じモノづくりの企業として新しい技術や価値を見出すためのパートナーになっていただければ嬉しいですね」(大川氏)。

南海プライウッド株式会社 様

1942年、合板製造販売を目的に香川県高松市で「香川合板工場」として創業。1955年、高度成長する経済を見据え「南海プライウッド株式会社」を設立しました。安心・安全・快適はもちろん、高いデザイン性を備えた高耐久かつ持続可能な高付加価値型製品の提供を通じて、豊かな住環境づくりに寄与するユーザ・エクスペリエンス・メーカーをめざしています。

所在地 香川県高松市松福町一丁目15番10号(本社) 南海プライウッド株式会社 様
設立 1955(昭和30)年4月
代表取締役社長 丸山 徹
従業員数(連結) 383人/連結1,412人(平成25年3月31日現在)
URL http://www.nankaiplywood.co.jp/

この事例に関するソリューション・商品

導入事例ダウンロード

本事例の内容は2013年11月26日公開当時のものです。

最終更新日:2013年11月26日