RP東プラ株式会社様 生産・販売・原価 統合パッケージ mcframeの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

生産・販売・原価 統合パッケージ mcframeの導入事例

RP東プラ株式会社様

生産・販売・原価計算の統合パッケージで製造業が必要とする戦略的原価管理を実現

プラスチックのシートと多彩な成形品を製造・販売するRP東プラ株式会社は、システム基盤の全面更新を機に、生産・販売・原価計算を統合処理するためのパッケージとして「MCFrame」を採用し、戦略的な原価管理の仕組みをつくり上げました。この成果を基に、同社はさらなる業務改善、予実管理の精度向上、BIの深化にも着手しています。
*ビジネスインテリジェンス

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課題
導入後
工場ごとに管理方法が違い、受注~生産~出荷~債務支払・債権回収プロセスがバラバラだった
一貫したシステムとデータ管理の仕組みから成る、業務効率化のための基盤が完成
シートと成形品では原価管理のポイントが異なり、メインフレームでは対応できなかった
実際原価計算方式への切り替えによって、製品ごとのスループットを見える化
改善や管理の基礎となるデータに全社員が容易にアクセスできなかった
計数データを基に各部共通のベーシック帳票と部門ごとのリクエスト帳票を作成可能に

従来からの課題

システム基盤の更新に合わせて原価管理の精緻化などをめざす

南井 保利 氏常務取締役 管理本部 本部長
南井 保利 氏

「25年以上使ってきた小型メインフレームを引退させることになり、せっかくお金をかけて入れ替えるのだからと、懸案だった3つの課題に取り組むことにしました」(南井氏)

RP東プラの常務取締役の南井保利氏は、こう振り返ります。同社のビジネスのコアは、プラスチックシートと精密プラスチック成形品の製造と販売で、国内の7工場はシートと成形品のどちらか一方のみを受け持つ体制。ただ、シートと成形品では製造に使う技術とプロセスが異なるため、管理の仕方も工場ごとで別々になっていました。

そこで設定されたのが、

●業務の効率化

●戦略的原価管理

●計数データのイージーアクセス

の3つのテーマです。ものづくり企業における管理の要点となる原価管理をいっそう精緻にするとともに、受注から支払・回収までのプロセスを一気通貫して業務効率をアップさせる狙いがあります。さらに、製造と経営に関わるデータを社内で広く共有して、計数に基づく改善や管理を進めていくことも目的でした。

「ものづくり企業では、投入した原料からどれだけの価値を持つ製品を作り出せたかというスループット(付加価値)に基づく管理が重要になります。しかし、シートと成形品では、計数管理や原価管理で押さえるべきポイントが異なります。例えば、24時間連続でシートを押し出すシート事業部では歩留まりや原単位管理がメインテーマですが、成形品を扱うプロダクト事業部では成形機の稼働率や人の稼働率を高めて“遊び”の時間を減らすことが管理の狙いです。ところが、小型メインフレームの旧システムはそうした違いに対応できていませんでした」(南井氏)

導入の経緯

RFPに掲げた要求は約2,000項目。機能とコストで「MCFrame」を選定

山田 邦宏 氏管理本部 財経システム部 副部長
山田 邦宏 氏

このような考えに基づいて2015年初めに始まったのが、システム基盤の入れ替えと基幹システムの再構築を目的とするプロジェクト「RP(i)」です。このRPとはRINCS Project、iとはintroduction(導入)のこと。RINCSは、RP東プラの基幹システム「RP Topla INformation and Communication System」の略称です。

「当社でシステムを構築・運用している専任者は、管理本部の2人だけでした。そこで、プロジェクトには本社の管理部門と各工場の現業部門から約20人のメンバーを集め、私も加わって、生産・販売・原価管理パッケージの選定から導入、移行までの作業を担当しました」(南井氏)

パッケージを選定するに当たって、RP東プラは約2,000項目の要件をまとめた提案依頼書(RFP)を作成しました。2015年2月にITベンダー各社に引き合いをかけ、複数社オファーがあった中から、3社の提案に絞りました。

「要件ごとに要求を満足しているかどうかを確かめていったところ、カスタマイズなしの標準機能だけで最も多くマルが付いたのが『MCFrame』でした」(山田氏)

「定評のあるパッケージでコストパフォーマンスが高い、というのが率直な印象です。私たちユーザーは『あれもやりたい、これもしたい』となりがちですが、日立ソリューションズのSEの方から『必要とする機能に絞り込んだほうがよい』と誠意を持った“真”のあるアドバイスがあり、適切な内容でまとめることができました。約20名のプロジェクトメンバーによる提案内容の採点でも、日立ソリューションズは最高の評価でした」(南井氏)

導入時の取り組み

入念な移行テストときめ細かな利用者教育を経て予定の期日に一発で切り替え

飯塚 弘敬 氏管理本部 財経システム部 財経課 課長
飯塚 弘敬 氏

RP東プラが生産・販売・原価統合パッケージ「MCFrame」の導入を決めたのは、2015年6月のこと。その後、約1年5カ月をかけてパッケージ導入とデータ移行の作業が進められました。

「最も苦労したのは、マスターとトランザクションデータの移行です。データを変換するためのプログラムは日立ソリューションズの支援を受けながら社内で開発し、切り替えテストを繰り返してチェックしました」(山田氏)

また、操作方法が旧・基幹システムから大幅に変わってしまうことに配慮して、各工場・各部門の利用者向けのトレーニングも事前に実施しました。

「日立ソリューションズの方に各事業所に常駐していただき、約1カ月かけてシステムの操作方法を現場のユーザーに学んでもらいました」(斎藤氏)

システムの切り替えは、多少のリスクはあるものの、現場の習熟度が高いと判断し、並行稼働の手間がかからない“一発切り替え”方式を敢行。予定通りの2016年11月に「MCFrame」ベースの新基幹システムが本稼働を始めました。

さらに、5カ月後の2017年4月には、「MCFrame」の原価計算機能を利用して、同社の原価計算方式を標準原価計算から実際原価計算へと切り替えました。これまでのように固定の原価を全製品に一律に適用するのではなく、製品個々の実際の原価を個別に把握できるようになりました。

導入の効果

一貫した基幹システムが完成し戦略的な原価管理を実現

斎藤 俊貴 氏管理本部 財経システム部 システム課
斎藤 俊貴 氏

業務効率化のための基盤が整っただけでなく、戦略的な原価管理の仕組みも出来上がった―。生産、販売、原価計算の各領域をカバーする基幹システムに「MCFrame」を導入したことによる効果を、RP東プラはこのようにみています。

「標準原価計算から実際原価計算に変えることによって、製品1個当たりの採算性や利益率がはっきりと見えるようになりました。つまり、スループットの見える化によって、戦略的な原価管理が可能になったわけです。また、一貫したシステムが出来上がりましたので、データを一元的に、かつ、リアルタイムに管理することによって業務の効率化も可能。計数データの可視化については、各部共通のベーシックなデータと部門ごとのリクエストに応えたオンデマンドデータの2種類がそろい、全社から簡単にアクセスできるようになっています」(南井氏)

「作り込みやカスタマイズをすることなく、工場ごとに方式が違っていた原価計算を一つのパッケージで実現できました。仕組みも柔軟ですから、結果の数字を見ながら、原価管理のレベルを徐々に高めていくこともできます」(飯塚氏)

また、システムの運用管理を担当する専任スタッフは、「MCFrame」の使い勝手の良さを高く評価しています。

「原価計算の方式を変更したり、さらに吸収合併した会社の2工場を追加したり、といったシステム変更も短期間に実施することができました」(山田氏)

「システム内のデータをExcelシートに出力する機能があるので、現場からの資料作成依頼に対応するための工数がほぼゼロになりました」(斎藤氏)

今後の展望

次の3年でMCFrameをフル活用し投資効果を最大限に引き出す

導入することを目的としたプロジェクト「RP(i)」から、utilization(活用)によって実を刈り取る「RP(u)」へ―。導入によるひとまずの成果を確認したRP東プラは、「MCFrame」のポテンシャルをさらに引き出すための活動をこれからも続けていく予定です。

「2018年4月に国内のもう1社の子会社を追加すればイントロダクションの期間は終了する、というのが私の考えです。次の3年で『MCFrame』が本来持っている力量をフルに引き出し、投資に対する“実”を刈り取るところまでやり切らなければなりません」(南井氏)

そのための具体的な目標として管理本部が想定しているのが、3つの目標です。

●さらなる業務改善による効率と生産性の向上

●原価管理との連動による予実管理の精度向上

●BI(ビジネスインテリジェンス)のレベルアップ

業務改善を進めるに当たっては、事業部や工場ごとに異なる課題や考え方をうまく取り込むとともに、現場レベルで進められている生産性改善活動との連動も求められています。

「RP(i)で設定した『計数データのイージーアクセス』という課題は、そうした生産性改善活動の成果を誰もが見られるようにする目的もありました。RP(u)でBIをレベルアップすれば、生産性改善の状況は工場の現場に置かれているPCでいつでも確認できるようになるはずです」(南井氏)

「MCFrame」は、ものづくり企業が必要としている生産管理、販売管理、原価管理をトータルに実現できるソフトウェアパッケージです。500社以上の稼働実績から生まれたノウハウが基本機能に組み込まれているほか、グローバル展開にも対応。多数の「MCFrame」認定コンサルタントと専任エンジニアを擁する日立ソリューションズは、日本のものづくりの強みを引き出し、世界に誇れる製造業へと発展させていくための支援に力を入れています。

RP東プラ株式会社

1953年の創業以来、積み上げた独自の成形技術で多彩なプラスチック製品を供給してきたRP東プラ。素材研究から加工技術開発、製品設計までをトータルに手掛け、変わりゆく時代や環境、顧客ニーズに的確に応えられる製品づくりを進めている。

本社所在地 大阪府吹田市江坂町一丁目20番22号 RP東プラ株式会社
設立 1955年5月(創業1953年5月)
従業員数 687人(連結、2016年12月現在)
事業内容 シート押出技術、真空成形技術、射出成形技術に基づくプラスチックシートおよび精密プラスチック製品の製造・販売
URL http://www.rptopla.co.jp/

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本事例の内容は2018年4月3日公開当時のものです。

最終更新日:2018年4月3日