Gainsightの導入事例
株式会社日立ソリューションズヘルススコアで解約リスクを特定し、顧客との関係を深化。先回りしたアクションで満足度が向上し100%契約更新率を維持
日立ソリューションズは、創業以来のシステムインテグレーション事業からサービス事業への転換を図るにあたり、カスタマーサクセスへの取り組みを本格化。その実践を全社に定着化させるべく「Gainsight」を導入し、顧客状況の把握と対応の属人化に課題を抱えていた事業で活用をスタートしました。十分な手応えを得て、「Gainsight」を自社のサービスラインアップに追加した同社は、自ら導入・運用した経験とノウハウを強みに、お客さまにおけるカスタマーサクセスの実現を支援していこうとしています。
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背景
継続利用を促すための判断材料が欠如
スマートライフソリューション事業部 ライフイノベーション本部 モダナイゼーションサービス部 グループマネージャ池田 洋
日立グループのデジタル事業をけん引する中核企業として、ITの力でさまざまな領域の課題解決に挑戦してきた日立ソリューションズは、「グローバル化・デジタル化がもたらす新しい景色を、すべての人へ。」をビジョンに掲げ、変革を生み出す協創を加速しながら、新しい価値を誰もが享受できる社会をめざしています。
同社は2020年頃より、創業以来のシステムインテグレーション事業から、サービスで収益を上げるサービス事業へのシフトを図ってきました。ちょうどカスタマーサクセス市場が国内でも盛り上がりを見せ始めており、お客さまに中長期的に寄り添い、持続可能な成長を支援していくうえで必要不可欠な概念であるとして、具体的な取り組みに着手したのもこの頃です。しかし、滑り出しから順調だったわけではありません。
「事例が乏しいこともあり、概念だけが独り歩きして、具体的に何をすればいいのか手探り状態でした。誰しも重要性は理解できるので、反対意見こそ出ないものの、今はそこに注力する段階じゃないという反応も多くありました。そんな中で、率先して手を挙げたのが、『グループタスク リマインダーサービス』を展開する事業部門でした」と宮下は振り返ります。「グループタスク リマインダーサービス」は、企業の重要な作業依頼を、全従業員が確実かつ効率的に実施することを目的とした社内依頼管理ソリューションです。
池田は手を挙げた理由について、こう説明します。
「新型コロナウイルスの感染拡大でリモートワークが増えたことを背景に、『グループタスク リマインダーサービス』の顧客基盤が急拡大し、表計算ソフトで顧客の利用状況を管理し続けることに限界を感じるようになっていました。表にするにもグラフにするにもすべて手作業ですし、データを多角的に分析するとなると、ほかのツールと組み合わせる必要があります。1回契約したら継続してくれるだろうと安易に考えられるほど現実は甘くないのですが、お客さまに継続利用していただくために、どのタイミングで何をしなければならないかが、表計算ソフトだと見えないわけです。また、個人の勘や感覚に頼った運用を続けていると、結局はその人しかできないことになっていく懸念もありました」
取り組み
カスタマーサクセスの定着化に焦点
カスタマーサクセスへの取り組みを全社に浸透させていくにふさわしいツールを検討した結果、同社は「Gainsight」の採用を決定。宮下は選定のポイントを3つ挙げています。
「1つ目は、『Gainsight』へのデータの取り込み方法において選択肢が広いこと。2つ目は、将来的に複数部門のカスタマーサクセスを一元的に管理できる仕組みがあること。3つ目は、単にツールの機能面が網羅されているだけでなく、ツールベンダー自身にカスタマーサクセスのノウハウがあり、プロジェクトをリードしてくれること。Gainsight社はカスタマーサクセスの領域で世界的に評価されているリーダー企業であり、そのノウハウが詰め込まれたツールなら間違いないだろうという判断でした」
効果
能動的アクションで契約更新率100%を維持
スマートライフソリューション事業部 ライフイノベーション本部 ビリングサービス部 技師宮下 大司
「正直なところ、ツールは1つの手段に過ぎず、まだ必要ないと思っていたのですが、考えを改めさせられました。専門領域に特化したツールである『Gainsight』でなければできないことが豊富にあり、その活用を通じて自然とカスタマーサクセスの考え方やノウハウが組織に根付いていくことを実感しています。今では『Gainsight』なしでは考えられません」と池田。
また、本稼働後も設定変更を重ねながら改良を続けており、「Gainsight」から得られる示唆はますます大きくなっているとして、「週次でヘルススコアを見ながら関係者と会話しているのですが、見たいデータが見えるようになると、お客さまへのアピールの仕方が変わります。たとえば、まだまだ『グループタスク リマインダーサービス』を効果的に活用できていないとわかれば、より手厚くサポートしようという気持ちになりますし、先回りして手を打つことで結果的にお客さまの満足度も上がります」と池田は続けます。
「このツールで何ができるのかわからない段階では抵抗感を感じるメンバーも多かったようですが、実際に解約リスクの高いお客さまが可視化されてくると、健全性の観点から意識的にデータを眺めるようになっていきました。現在はメンバー全員が『Gainsight』を見ながら会話する状況が当たり前になっています」と宮下。メンバーが能動的にアクションできる環境が整ったことで、2025年6月時点での「グループタスク リマインダーサービス」の契約更新率は100%を維持しています。
さらに注目すべきは、実際に「グループタスク リマインダーサービス」の活用により成果を上げたお客さまがその成果をコミュニティで共有することで、新たなお客さまを引き寄せ、「既存顧客からの広がり」が生まれつつあることです。まさしく、ひとつの成功体験が次の成功体験を呼び、結果として自社の成長が促されるという、理想的な連鎖を生み出しています。
展望
自らの経験・ノウハウをお客さまに還元
日立ソリューションズでは、「グループタスク リマインダーサービス」での成功事例をきっかけに、ほかの商材でも「Gainsight」を活用する動きが活発化しています。「まだまだ部門ごとにカスタマーサクセスへの取り組みにはバラつきがある状態です。カスタマーサクセスのあり方を全社的に共通化していくという大きな挑戦において、『Gainsight』が果たす役割は重要です」と語る宮下は、今後は同社が自ら「Gainsight」を販売していく計画にも言及。
「『Gainsight』は導入して終わりではなく、継続的な運用と改善が鍵を握ります。『グループタスク リマインダーサービス』を通じて数多くの議論を重ねながら蓄積してきた経験・ノウハウ、活用を定着化させた実績こそが当社の強みであり、お客さまに提供できる価値でもあります。今度はお客さまが考えるカスタマーサクセスの実現に向けて、見たいデータを可視化するための設定作業に加え、施策の改善サイクルにもしっかり伴走していきます」(宮下)
日立ソリューションズは、進化する「Gainsight」を味方にカスタマーサクセスの未来を先取りしつつ、お客さまの持続的成長をともに喜べる存在であろうとしています。
株式会社日立ソリューションズ
| 所在地 | 東京都品川区東品川四丁目12番7号 | ![]() |
|---|---|---|
| 設立 | 1970年9月21日 | |
| 従業員数 | 単独 5,049名、連結 14,548名(2025年3月31日現在) | |
| 事業内容 | ソフトウェア・サービス事業、情報処理機器販売事業 | |
| URL | https://www.hitachi-solutions.co.jp/ |
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本事例の内容は2025年9月16日公開当時のものです。
最終更新日:2025年9月16日


