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2ページ目|第4回 セルフマネジメントへの応用 ― 意志・やる気に頼らない「続けさせる技術」|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

第4回 セルフマネジメントへの応用 ― 意志・やる気に頼らない「続けさせる技術」
第4回 セルフマネジメントへの応用 ― 意志・やる気に頼らない「続けさせる技術」

行動に着目すれば、物事は簡単に継続できる

物事を継続するための基本は、目的によって2つ必要です。1つ目は、ターゲット行動の発生をコントロールすること。2つ目は、ターゲット行動を邪魔するライバル行動の発生をコントロールすることです。「続けさせる技術」はこの2つを軸とするスキルで、この行動条件の操作を「先行コントロール」と呼んでいます。先行コントロールから結果までの過程は、以前(第2回)でお伝えした行動が発生する因果関係「ABCモデル」を活用すればいいのです。行動科学マネジメントでは、簡単にいえば、A(先行条件)のためにB(行動)した時に、C(結果)が望ましいもの、つまりメリットを得られるものであれば、人はB(行動)を繰り返し、当然C(結果)が望ましくなければ、B(行動)を繰り返すことはないでしょう。これが人間の行動の法則なのです。

行動が発生する因果関係「ABCモデル」を活用。
行動が発生する因果関係「ABCモデル」を活用。

それでは、あなたのターゲット行動を分析してみましょう。まずは行動が起きる前後の環境条件を明らかにします。すなわち「なぜ自分はそのような行動を取るのか?」と「その行動を取ると、どうなるのか?」です。タバコの例でいえば、その行動に対する先行条件は「イライラするから」「人に1本すすめられて」「時間が空いて手持ちぶさたなので」など、さまざまなA(先行条件)が見つかるはずです。C(結果)を分析すれば、「ホッとする」「時間つぶしになった」「仕事に移るための元気になった」などの多様の結果があるはずです。

ここで「続けさせる技術」を用います。つまり、ターゲット行動が「タバコを吸う」という減らしたい行動、すなわち過剰行動の場合には、なるべくA(先行条件)を排除し、行動を起こしづらくするのです。また、C(結果)の場合は、行動直後の状況をリサーチすることで、ターゲット行動の代わりとなる行動、「チェンジ行動」というのが見つかります。例えばタバコを吸って「ホッとする」結果であれば、他にホッとするもの「お茶を飲む」「飴をなめる」「深呼吸する」などの行動方法があるはずです。あるいは「行動しなかった場合のメリット」を考えます。タバコの場合は「健康になる」「人から嫌がられない」「お金の節約になる」などです。

ではいよいよ、「不足行動を増やしたい場合」「過剰行動を減らしたい場合」の2つのケースを順に考えていきましょう。前者は勉強、読書、トレーニングや各種レッスンがこれに当たりますね。例えば「ランニングをする」という行動を続けたい人は、トレーニングウェアをすぐ着られる状態にしておく。またお茶や水を用意しておくのもいいでしょう。走った後に飲むというルールを決め、それを目的に汗を流します。これらが最もわかりやすい「先行コントロール」の例です。つまり、ターゲット行動が起きる条件を意図的に揃え、それによって行動を増やそうとする作戦です。

そこで、不足行動を増やしたい場合、重要なポイントは3つです。(1)行動の補助をつける、(2)動機付け条件を作る、(3)行動のハードルを低くする、では順番にみていきましょう。

「行動の補助」とは、ターゲット行動が発生する確率を高めたり、補助的な刺激を与えたりすることです。例えば前述の「トレーニングウェアを用意すること」他には、格好がいいお気に入りのシューズを用意する、走っていて快適なランニングコース選びをする、そうした「刺激」が望む行動を増やす助けとなります。

次の「動機付け条件」とは、つまり「行動した時のメリット」です。行動の繰り返しの果てに得られる結果ではなく、行動そのものに対する「ごほうび」ですね。走った後で飲み物を飲むとしたら、本当に自分の好きな飲み物を用意すること。それを飲むことを楽しみに、ジョギングにより打ち込める、ということです。より行動の励みになるごほうびを自ら工夫しながら設定し、行動のたびに自分自身に与えるようにしてみましょう。

最後の「行動のハードルを低くする」とは、行動を起こすための障害になるものを省くことで、すみやかにターゲット行動を行いやすくすることです。寒い時期になるとジョギングがますます苦痛になります。そういう時は室内でウォーミングアップをし、身体を温めてからジョギングに出る、という工夫も必要です。

では、ターゲット行動が「減らしたい行動」の場合は、どうすればいいのでしょうか。行動する条件を取り除くこと、つまり反対のことを行えばいいのです。(1)行動の補助を取り除く(タバコを例に、タバコや灰皿を捨てる)、(2)動機付け条件を取り除く(飴や禁煙グッズなどのタバコに代わるチェンジ行動を探す)、(3)行動のハードルを高くする(喫煙道具をすべて人に預ける、または捨ててしまう)、以上の3つのポイントになります。まとめとして、あなたが意識すべき続けるコツは3つ「行動の補助の決定」「動機付け条件の調整」「ハードルの調整」であり、人間行動に着目すれば、どんな人でも、どんな行動でも、100%続けさせることができるのです。

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