Chapter04効率良く勉強 忙しい、時間がないをやめる「時間捻出」
多忙なビジネスパーソンが勉強を続けるためには、勉強時間の確保が大きな課題になってきます。ここでは、時間に支配されるのではなく、時間を支配して有効活用する方法を教えてもらいます。
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なぜかいつも予定が遅れる。仕方がないので睡眠時間を削って帳尻を合わせているが、体がつらい……。
何かの時間を削る前に「所要時間」をチェック!
正確に把握することで時間が有効活用できる

時間を捻出するためにやることは、睡眠時間など健康維持のために必要な時間を削ることでしょうか? これでは、仕事や勉強の効率も落ちてしまい、うまいやり方とは言えません。
必要な時間を削る前に、まずチェックしてもらいたいのは、自分がその行為をするのにどれだけの時間がかかるのかという「所要時間」が正確に把握できているかということ。実は、予定通りにやるべきことが終わらない人は、「所要時間」を正確に把握していないケースが多いのです。
例えば、よく数分単位の遅刻を繰り返す人がいますが、彼らは朝のお風呂の時間は考えていても、髪を乾かす時間のことは計算に入れていなかったりして、そういった細かいズレの積み重ねで遅刻に至ります。これは、勉強が予定通り進まないという人にも同じことが言えます。
時間を有効に使うためには、まずテキストを10ページ読むのに何分かかるか、英会話教室の予習・復習にかかる時間はどのくらいか、といった具合に勉強を分割して考え、「所要時間」を正確に把握したうえで計画を立てましょう。
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スキマ時間を有効活用したいと思ってはいるが、結局中途半端なことしかできていない気がする。
単位時間ごとにできる勉強を把握すれば
スキマ時間ができた時にすぐに勉強に取り掛かれる

「5分あったら英単語を1つ覚えられる」「15分があれば問題集が1問解ける」「1時間あれば講義のテープが聞ける」など、単位時間ごとにどんな勉強ができるのかあらかじめ把握しておき、スキマ時間ができた時にすぐに勉強に取り掛かれるようにしておきましょう。
ちなみに、私は「10分あったら前日の復習」「15分あったら問題集を解く」「30分あったら新たに興味のある分野を調べる【調べ学習】」に使うよう勧めています。新しい書籍から情報をインプットするには、10分は短いですが、過去に読んだ本ならサラサラ読めますし、何より復習することで脳への定着率も高まります。また、日本人は読書などのインプットは積極的に行いなますが、アウトプットトレーニングは行わない傾向にあるため15分あれば1問でも問題集を解くよう意識して欲しいです。それから、iPhoneやiPodなどを使い、電子書籍やニュースサイトで情報を収集している人も多いですが、30分あればぜひiPhoneやiPodで「調べ学習」をしてみてください。本などで取り込んだ知識は復習しないとすぐに忘れてしまいますが、自分で調べて身に付けたことは定着率が高いからです。
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試験までに時間はないけれど、どれも大事なことだからやるべきことの優先順位なんて決められない。
優先順位が決められないなら 「やらないことを決める」べし

限りある時間の中で最大限の結果を出すために、やるべきことの優先順位を決めなければなりません。しかし、何でも真面目にこなそうとする日本人は優先順位を決めることが苦手です。
例えば、試験日が迫っている以上、残り時間に応じて勉強する科目を絞ったり、疲れが溜まって効率が落ちているなら休養の優先順位を上げる必要も出てくるかもしれません。優先順位を決めるには、その場その場で臨機応変な判断が必要です。
しかし、それができないというのであれば、「やらないことを決める」ようにしてみましょう。数日後に試験を控えていて、すべての科目を並べてみて優先順位が決められないと言うのなら、高得点が狙えそうな分野に集中する、逆に苦手な分野を諦めるなど、あらかじめどうするかを決めておくのです。やらないことを決めると、やるべきことに集中できて、自ずと勉強の効率が上がります。

「時間の家計簿」とは、時間に関して投資効率がいいのか悪いのか評価するために、自分の時間の使い方を分析するツールです。左の表を見てください。24時間×7日分のマス目に、勉強に限らず、寝ていた時間、食事をしていた時間、読書をしていた時間、通勤電車に乗っていた時間など、自分の行った行動を拾い上げて記録していってください。
表が完成したら、だらだらしていた時間や、面白くもないのにテレビを見ていた時間など、無駄と思える時間をチェックしていき、そこをどうしたら有効な時間に代えられるか考えていきます。だらだらとテレビを見ている時間が1週間に10時間あったら、その10時間のうちいくらかを勉強に充てようとか、スポーツクラブに通おうとか、自分の目標に合わせて他のことに回せないかと考えていくのです。資格取得など目標が明確に決まっている人は、勉強時間に充てられる時間がどれだけあるかチェックする単純な作業になるでしょう。