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キャッシュレスで何が変わるのか・Chapter7:新たな支払いサービス事業者(プレイヤー)の登場|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

変わり始める“お金”のスタイル キャッシュレスで何が変わるのか

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Chapter7新たな支払いサービス事業者(プレイヤー)の登場

中編ではキャッシュレス社会の実現に向けて国内で進みつつある事例を中心に見てきました。締めくくりとなる後編では、金融機関以外の業界から登場している新たなキャッシュレス決済(支払い)サービス事業者の動向や、政府の動き、今後の展望について見ていきます。

キャッシュレス化で一歩先を行く中国では、中編でも紹介したアリババグループ「Alipay(アリペイ)」、テンセント「WeChat Pay(ウィチャットペイ)」といったキャッシュレス決済サービスが席巻しています。アリババグループはもともと電子商取引のサポートをビジネスとするIT企業、テンセントはゲームやインスタントメッセンジャー「WeChat」などで知られる会社で、やはりIT企業です。

このように、銀行・クレジットカードなどを本業とする金融機関だけでなく、もとは金融と関係のなかった事業者が新たなプレイヤーとなり、キャッシュレス決済サービスを続々スタートさせているのが、キャッシュレスをめぐる現在の大きな流れだといえます。日本でも、中編で紹介した「LINE Pay」のLINEはいうまでもなくSNSを提供する企業です。
こうした新たなプレイヤーは、キャッシュレス決済サービスに何を求めて事業化しているのでしょうか。

「Alipay」は、アリババグループで金融関連サービスを提供するアントフィナンシャルによって運営されています。同社は、「Alipay」だけでなく、ローン、保険、資産運用、各種クラウドサービスを提供するプラットフォーマーであるといえます。その独自のエコシステムは「Alipay」のキャッシュレスサービスをベースに築かれています。

「生活アプリ」としてのアリペイ 出展:アントフィナンシャルジャパン「キャッシュレス検討会発表資料(第5回)」

「生活アプリ」としてのアリペイ
出展:アントフィナンシャルジャパン「キャッシュレス検討会発表資料(第5回)」

同社グループの芝麻信用では、ネットショッピングの取引情報や各種支払い情報などをもとにAIを使って算出する個人の信用スコアをさまざまなサービスに活用しています。アリババグループが単にキャッシュレス決済サービスを提供するだけでなく、決済によって収集したデータを利活用して、ほかのビジネスにつなげている姿が読み取れます。

「海外においては近年、アントフィナンシャルに代表されるように、低廉な手数料・インフラコストで決済を含む個人のデータを収集し、その利活用で収益を得るプラットフォーマー的企業が決済に参入しています」と経済産業省の海老原要氏は言います。

日本の事業者でも、楽天はすでにキャッシュレスと他のサービスを連携させ、アリババグループのような独自のエコシステムを構築しています。楽天グループはネットショッピングからフリーマーケット、旅行手配、電子書籍、競馬、さらには銀行・証券・生命保険・クレジットカードまで実に多彩なサービスを展開していますが、これらのサービスは利用者に与えられる楽天IDですべて結ばれています。個人のIDをベースに、その個人の購買データをはじめとするさまざまなデータをマーケティングなどに活用し、多様なエコシステムが築かれているのです。キャッシュレス決済の点では「楽天Edy」や「楽天ペイ」「楽天ポイントカード」などのサービスが提供されており、個人データを利活用するこのエコシステムに組み込まれています。

Origami社が提供する「Origami Pay」は、スマートフォンにクレジットカードや銀行口座を登録した上で、店舗が提示したQRコードを顧客がスマートフォンのカメラでスキャン、あるいは顧客がスマートフォンで提示したQRコードを店舗がスキャンしてキャッシュレス決済を行うタイプのサービスです。「Origami Pay」は購入を行う利用者に対して利便性や割引などを提供するほか、実店舗などに対してはデータを利活用したデジタルマーケティングサービスを提供し、利用者と実店舗などの双方向コミュニケーションという新しい価値をもたらしています。

キャッシュレスを起点として展開する今後の事業について、海老原氏は次のように見ています。

「デジタルな手段で支払いが行われ、そこで生み出されたデータを利活用することによって、各業界の生産性が向上し、消費者や事業者にとって付加価値の高い社会が実現。さらには業態を超えたデータ連携とデータ利活用が次のキャッシュレス産業を創出し、消費者の幸福、事業者の発展へとつながっていく可能性があります」

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公開日:2019年3月15日

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