生産・販売・原価 統合パッケージ mcframeの導入事例
フジコピアン株式会社様基幹システムを「mcframe」で再構築。原価情報などを一気通貫で取得できる情報基盤を整備
プリンターなどに用いられるサーマルトランスファーメディア(熱転写印字記録媒体)や、世界の文具市場でトップクラスのシェアを誇る修正テープをはじめ、蓄積した固有技術を強みとするフジコピアン。日立ソリューションズの支援のもと、「mcframe」を基軸として、老朽化した基幹系システムを再構築したことで、原価情報などの必要なデータを一気通貫で取得できる情報基盤の整備を実現しました。併せてシステムを圧縮、運用管理を容易化することに成功しました。
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背景
老朽化したシステムの課題から情報基盤の確立へ
上席執行役員 生産統括部長安藤 憲彦 氏
フジコピアン株式会社の基幹システムは約20年前にフルスクラッチで構築したもので、老朽化に伴いさまざまな課題に直面していました。
「メンテナンスにおける問題がいよいよ限界に近づいていました。担当者の高齢化などによってシステムの保守を行える人材の確保が年々難しくなっていたのです。そのうえ、システムの肥大化や拡張性の低さも課題となっていました」(坂東氏)
システム一元化への要求も高まっていました。販売管理、購買管理、生産管理のシステムを個別に構築してあり、データ連携して使用していたため、実務上不都合はなかったものの、「将来的にはシステムから取得したデータを生かし、原価見直しなどによって収益性の向上を狙いたい。そのため、データを一気通貫でスムーズに得られる情報基盤を必要としていました」と安藤氏は振り返ります。
取り組み
「mcframe」で基幹システムを再構築
基幹系システム 再構築プロジェクト 室長岡本 久広 氏
同社はこれらの課題解決のため、2021年3月、基幹システムの再構築に取り組みました。大きな方針として、主に業務標準化の観点から、パッケージでの導入を決めました。
パッケージ導入に先立ち、要件定義をより円滑に行えるよう、「将来の業務の標準化やスリム化も見据えつつ、帳票の洗い出しなど、業務の現状整理を行いました」と坂東氏は言います。
パッケージは複数製品を比較検討した末、「mcframe」を採用しました。「生産管理システムとしての実績の豊富さと原価に強いことが選定のポイントになりました。当社の業務にどれぐらいフィットするのかも検証しました」と梶氏は語ります。さらに、「生産ラインの各段階で入力されたデータが最終的に一元的に取得できたり、在庫管理に引き継げたりするところが当社に適していると感じました。工程が途中で違うラインに切り替わるなど、当社特有の事情に対応できる点も安心できました」と安藤氏は評価します。
「mcframe」導入を支援するパートナーには、日立ソリューションズを選びました。
「RFPを提示してベンダー各社から提案を募った際、カスタマイズの要件などに一番深く踏み込んで提案してくれたのが日立ソリューションズだったのです」(坂東氏)
「mcframe」の導入実績が豊富であることも選定のポイントでした。
「当社の要望と『mcframe』の機能との間にギャップがあっても、的確な解決策を提案してもらえる心強さもありました」(梶氏)
システム構築は、2021年6月から要件定義と基本設計を行い、2022年3月から開発をスタートしました。その中でカスタマイズをいくつか行っています。
「生産実績の入力には現場帳票電子化ソリューションを別途導入し、『mcframe』と連携しました。ほかにも『mcframe』を核として、必要に応じて別システムを導入・連携しました」(岡本氏)
貿易関係の帳票などの機能は当初、専用パッケージの別途導入を検討しましたが、操作性の統一などの観点から、「mcframe」のカスタマイズで対応することに決めました。データの整合性などに注意を払い、調整した結果、「mcframe」だけで完結できました。
効果
改善に必要なデータが一気通貫で取得可能
SIプロジェクト 室長坂東 忠行 氏
開発終了後、業務の現場への教育を軸とする本番稼働支援を2023年1月から実施したのち、同年5月に本番稼働を迎えました。
「『mcframe』は豊富な基本機能と、他システム連携などの拡張性があり、業務の標準化やスリム化につなげられる見込みです。決算業務の安定化にも寄与するだろうと期待しています」(岡本氏)
導入後すぐの成果としては、本社や工場での出力紙が減ったことが挙げられます。
「システムが一元化され、データが一気通貫で得られるようになりました。今後は製造実績などの数値をより精緻に入力できれば、原価などが工場側でも正確に把握でき、さまざまな改善が可能になります」(安藤氏)
ほかにもシステムの肥大化解消や拡張性向上も達成できる見通しです。これらの効果をもたらす「mcframe」導入を支援した日立ソリューションズを同社は次のように評価します。
「SEがパッケージを熟知しており、ノウハウが非常に豊富でした。私たちがやりたいことを伝えると、『mcframe』の標準機能で対応できるか否かなどを的確に回答してもらえて助かりましたね」(岡本氏)
まずはスモールスタートで導入という第一目標を、ほぼスケジュール通りに達成したと同社は評価します。
展望
現場社員が主体性をもって取り組んだことでプロジェクト完遂
SIプロジェクト室 SIプロジェクト チームリーダー梶 哲夫 氏
今回の「mcframe」導入を成し遂げた一番の功労者は、フジコピアンの現場担当者だと梶氏は強調します。
「日常業務を抱える中、今回の導入は当社の今後の発展に不可欠であると理解し、貴重な時間と労力を割いて、データ切り替えのテストなどに積極的に関わってくれました」(梶氏)
新しいパッケージの導入には、実際に使用する担当者が操作方法を習得するまでに時間がかかるものです。
「新システムが稼働できた背景には、現場担当者が業務で多忙ななか、延べ4カ月から5カ月にわたる教育をしっかりと受けてもらえたことがあります。現場に混乱を招かないように、教育期間を十分に取った経営層の英断にも感謝しています」(岡本氏)
大阪本社、東京支店、岡山工場でそれぞれ、システムに詳しいキーパーソンを配置し、3拠点横串で現場との調整を行ったことも重要な施策でした。
「キーパーソン達が現場の要望や意見を取りまとめ、業務フローをパッケージに当て込む個所、カスタマイズすべき個所でバランスを取りながら要件に落とし込んだことが、新システムを無事に稼働できた要因の1つとなりました」(梶氏)
同社は今後、「mcframe」の機能をより使いこなして導入効果を高めていくとともに、データ活用を進めていく予定です。
「当初の狙いの1つであった原価などの見直しによる収益向上に、『mcframe』のデータを生かしていきます。次のステップとして、経営層向けのダッシュボードなどを作成、経営の可視化および経営判断の支援を行うなどのデータ活用を進め、ゆくゆくはDXへと発展させていきたいですね」(坂東氏)
独自技術を生かし、世界市場で活躍する同社を、日立ソリューションズはこれからもITの力で支えてまいります。
フジコピアン株式会社
| 所在地 | 大阪市西淀川区御幣島五丁目4番14号 | ![]() |
|---|---|---|
| 設立 | 1950年3月2日 | |
| 従業員数 | 272名(2023年12月末現在) | |
| 事業内容 | 各種情報記録用消耗品等の製造・販売 | |
| URL | https://www.fujicopian.com/ |
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本事例の内容は2025年3月6日公開当時のものです。
最終更新日:2025年3月6日


