東武鉄道株式会社様 デジタルマーケティングソリューション ポイント管理システム PointInfinityの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

デジタルマーケティングソリューション ポイント管理システム PointInfinityの導入事例

東武鉄道株式会社様

モバイルアプリに一本化されたポイントサービスを軸に、CRM基盤を構築してグループシナジーを最大化

東武鉄道は2020年11月、グループ共通の新ポイントサービス「TOBU POINT(トブポ)」をリリースしました。システムのベースには、多くの大規模ポイントシステムへの実績を持つ日立ソリューションズの「PointInfinity」を採用しています。また、MAツールやデータ基盤の導入により、会員の属性情報や行動履歴などのデータ利活用が可能に。東武グループ全体の事業を横断するCRM基盤として活用を始めています。

メインイメージ
課題
導入後
クレジットカード会員だけでなく、幅広い層を取り込むことができるポイントサービスを展開したいと考えていた
アプリ提示で簡単にポイントを貯めることが可能な新サービスをリリースし、若年層の取り込みに成功
グループ共通ポイントとは別で、鉄道乗車によるポイント付与を行うサービスも必要であった
乗車ポイントのサービスをリリースし、鉄道の利用促進や沿線住民の満足度向上を図った
マーケティング強化のために、会員の属性情報や行動履歴を利活用できるCRM基盤の構築をめざした
鉄道や流通など、グループ内の事業をまたいだ領域でマーケティング施策を打つことができる基盤が整った

背景

ポイントシステムのリニューアルを検討

直井 氏グループ事業本部 グループ事業統括部 課長
直井 崇嘉 氏

東武鉄道株式会社は、鉄道やバスなどの運輸事業だけでなく、流通、不動産、レジャー、観光など、幅広い事業を展開する東武グループの中核となる会社で、開業11年を迎えた東京スカイツリータウンも東武グループの事業の1つです。「つなぐ」を大切にして沿線地域の発展に努めてきた東武鉄道では、2023年7月15日に33年振りの新型特急「スペーシア X」の運行を開始したことも、大きな話題となりました。

グループ内の株式会社東武カードビジネスが発行する東武カードにおいて東武グループポイントサービスを2004年に導入し、2011年には東京スカイツリー®東武カードPASMOを発行してPASMOと連携したポイントサービスを展開していた東武鉄道ですが、いくつかの課題を解決するために2019年に新たなポイント制度にリニューアルすることを検討し始めたと直井氏は話します。

「従来のポイントサービスは東武グループ内のクレジットカード会員のみを対象としたものでした。会員の多くは百貨店の利用を中心とした顧客であることから、今後は若年層を中心としたより幅広い層にアプローチしマーケットを拡大していきたいという狙いがありました。その結果、プラスチックのポイントカードではなく、モバイルアプリで利用できるTOBU POINTを2020年11月にスタートさせました」(直井氏)

TOBU POINT公式キャラクター「トブタン」

TOBU POINT公式キャラクター「トブタン」

取り組み

多数の導入実績と拡張性の高さが決め手

柿本 氏グループ事業本部 グループ事業統括部 マネージャー
柿本 勝史 氏

ポイントシステムのベースとなるパッケージには、日立ソリューションズの「PointInfinity」を採用しました。その理由について「多くのポイントサービスでの実績があること、そして豊富なAPIや機能が用意されていて、他システムとの連携がしやすい拡張性の高さが決め手となりました」と柿本氏は話します。また、TOBU POINTと連携する別システムとして、乗車によるポイント付与の仕組み(トブポマイル)を構築。これは鉄道の利用促進やTOBU POINTの会員拡大を狙った施策であり、トブポマイルはTOBU POINTへ交換したりPASMOにチャージしたりすることが可能です。

ポイントシステム構築後は、MAツールとしてSalesforceのMarketing Cloud、データ基盤としてAmazon S3を導入し、ここでも導入支援パートナーとして日立ソリューションズを選択しています。

「データを利活用していくためには、Marketing Cloudの導入についても日立ソリューションズがパートナーとして安心できると思いました。ポイントシステムを構築してもらったこともあり、活用するデータソース(会員・ポイントデータ)の構造を熟知しているためです。別の案件でAWSを利用する際に運用を含めて手伝ってもらったこともあり、Amazon S3の導入支援もお願いすることにしました」(直井氏)

柿本氏は日立ソリューションズの対応力の高さを評価しています。

「課題が発生したとき、日立ソリューションズが機動力を持って内部の調整などを進めてくれたので、スピーディーに解決できました。パートナーとして対等な立場でやり取りする関係性がとてもやりやすく、経験豊富なSEが同じ目標に向かって伴走してくれたのは非常に助かりました」(柿本氏)

東武線に乗ってたまる「トブポマイル」

東武線に乗ってたまる「トブポマイル」

効果

幅広い層に向けて効果的な施策を実行

クレジットカードに紐づくものであった従来のサービスとは異なり、心理的なハードルも低くアプリで簡単にポイントを貯められるTOBU POINT。リリース当初より想定を上回るペースで会員数が伸びており、2022年度には30万ダウンロードとしていましたが、年度途中で上方修正した40万を更に上回り約45万ダウンロードに達したといいます。「会員の属性は、クレジットカード会員の男女比が2:8だったのに対し、TOBU POINTでは男女比が4:6になり、幅広く老若男女を取り込めています。従来のカード会員は最多年代層が70代で、50代以上が8割でしたが、アプリ会員は40代以下が過半数を占め、50代以下が8割強となり、世代を若返らせたいという狙いも実現できています」と直井氏は説明します。

データを利活用して、たとえば東武百貨店では若い客層を取り込むために化粧品のクーポンを発行したところ非常に好評で、定期的にクーポンの発行を行っているといいます。また、東武線に乗って東京ソラマチで買い物していただいたユーザーに、東武線ご利用金額の50%をトブポマイルで還元するなどの効果的なマーケティング施策も行えるようになりました。

展望

顧客基盤を進化させてグループ全体で活用

「2年半の短期間で、TOBU POINT、トブポマイル、トブポマイルからのPASMOチャージ、二要素認証、CRM構築など、多くの取り組みをトラブルや遅延なく完遂できたのは、『PointInfinity』の拡張性の高さや、経験豊富な日立ソリューションズのSEの貢献が大きかったと考えています。今後は、この顧客基盤を東武グループ全体に横展開して、TOBU POINTのIDを軸にグループ横断で施策が打てるようにしていきます。AIを活用してお客さまの行動を予測して施策を打つことにもチャレンジしていきたいですね」と柿本氏は話します。

直井氏も「グループ各社の収益最大化がポイントサービスをリニューアルした目的なので、そこに資するようなクロスセルやアップセルなどの施策を積極的に展開していきたいです」と語ります。

顧客基盤のさらなる進化をめざし、沿線地域の発展に貢献していく東武グループを、日立ソリューションズはデジタルの力でこれからも支援していきます。

グループ全体の事業を支えるCRM基盤

  • 行動履歴や属性情報を活用して、幅広い層にアプローチできるポイントシステム
  • データ利活用を進めるために、MAツールとデータ基盤でCRM基盤を拡充
  • 効果的な施策を打てるように、将来的にはグループ全体に横展開

東武鉄道株式会社

所在地 東京都墨田区押上二丁目18番12号 東武鉄道株式会社
設立 1897年11月1日
従業員数 3,346名(2023年3月31日現在)
事業内容 鉄道、軌道および索道による一般運輸事業など
URL https://www.tobu.co.jp/

東武グループの共通ポイントTOBU POINT(トブポ)の公式サイトはこちらです。
https://www.tobupoint.jp/

導入事例ダウンロード

本事例の内容は2024年1月10日公開当時のものです。

最終更新日:2024年1月10日