スマートマニファクチャリングソリューション

SCMの高度化を担うDX人財の育成・強化

SCMの人財のあるべき姿とスキル育成について

西津:SCM人財不足という日本企業が抱える課題解決のために取り組まれている事は理解しました。では今後どのような人財が求められているのでしょうか。

「T型サプライチェーンマネージャー」SCM人材要件と当社提供プログラム
「T型サプライチェーンマネージャー」SCM人材要件と当社提供プログラム

丹治:SCMでは、専門知識にくわえて問題を正しく理解し分析する力、競争力を高めていくための戦略的な構想力、変化を主導するリーダーシップ、複数部門の状況を理解し調整を進めることのできる人的能力など、知識に留まらない能力がたぶんに求められます。従来、業界ごと・企業ごとに培ってこられた知見の向上を補完するため、私たちは、APICSなどの座学で知識面を、TFCなどの経験学習でソフトスキル(ヒューマンスキル)面を、それぞれ高めていただけるような体系的なトレーニングの提供に取り組んでおります。

SCM教育サービスとその効果は?

西津:SCMの教育サービスは、具体的にはどういう内容になりますか?また人財育成にどう役立ち、効果をはっきするものですか?

丹治:当社では、世界標準をベースにした実績のある教育コンテンツを提供しています。さまざまな教育コンテンツがある中で、当社では、世界的に歴史と定評のあるAPICSの教育プログラム、そして蘭Inchange社がクラウドサービスとして提供している「The Fresh Connection((以降TFCと略)」というビジネスシミュレーション・ゲームを通じた研修プログラムの提供に取り組んでおります。

APICSについては、特に汎用性が高いと考えられるCPIM Part 1およびCSCPのレビューコースを、日本語補助資料も用いながら提供しています。前者は製造業の拠点マネジメントで、後者は製造業や3PL企業の顧客からサプライヤーを含むサプライチェーンのマネジメントで、それぞれ求められるグローバルな視点での標準的知識を学習します。
TFCについては、関連解説、振り返りを交えたビジネスシミュレーション研修を提供しています。受講者は、SCM,営業,調達,製造の各担当役員のポジションの役割を担う4から5名一組の経営チームを編成します。部門横断的な合意形成・意思決定を行うゲームを通じ、投資利益率(ROI)の最大化を競い、知識に留まらない経験学習の場を提供します。事業環境・経営状況の理解・分析、戦略・施策の立案・実行,部門間およびパートナー間の調整を体験的に鍛錬・学習できる点にメリットのあるプログラムです。

サプライチェーンマネジメント(SCM)教育サービスの概要
サプライチェーンマネジメント(SCM)教育サービスの概要

西津:日立ソリューションズグループでは、SCM人材育成を目的として、The Fresh Connection((TFC)を活用し、SCM競技会を、毎年開催しており、私もその第1回に参加をさせていただきました。その体験からのコメントをさせていただくと、ほかのチームと競い合いながら、限られた時間の中で各種のデータの分析を行い、施策を考えて実行する事は、現実世界の実態にとても近い、優れた教育コンテンツであると感じました。また調達から製造、販売まで一気通貫した意思決定の重要性を体験的に学べて、縦割組織を打破していくための全体最適の視点を学べました。また若手の社員も参加をしていましたが、業務を疑似体験する事で大きな成長につながったように感じていました。

西津:SCM教育サービスに関して、このほかにも期待できる効果はありますか

丹治:TFC、APICS、そしてその組み合わせそれぞれで、下記のような効果を期待できるものと思います。

<TFC>
・全体最適の意識・文化の醸成:経験のない他部門の役割をロールプレイする経験を通じ、他部門の業務や課題意識を理解できます。それによって、部門横断的な全体最適を意識した合意形成と実行の意識醸成につながっていると感じます。
・コミュニケーションの改善とチームビルディング:グループワークを通じ、企業内のコミュニケーションの活性化、チームビルディングにつながっているように感じます。
・SCMのソフトスキル:データから現状を正しく理解・分析し、変化を推し進めるリーダーシップやチェンジマネジメントを鍛錬する場として効果を発揮していると感じます。

<APICS>
・業務の質と効率:標準的な知識を、体系的に網羅的に学ぶことで、業務の質と効率が高まることが期待できます。
・グローバル対応:専門の標準的な英語用語・表現を押さえることで、海外の拠点、顧客、サプライヤーと連携した業務推進に力を発揮していると感じます。
・人事:流動性の高い人材環境の下でも、APICS資格を人財要件に加えることで、組織活動の継続性確保に貢献するものと感じます。

<TFC+APICS>
・定着度の飛躍的な向上:知識習得+経験学習の組み合わせによって、知識を経験も踏まえた使える技術に昇華できることが期待されます。製造や流通、物流関係業務に留まらず、そしてそれを支えるITやコンサルティング関連業務についても高い効果が期待されます。

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