スマートマニファクチャリングソリューション

SCMの高度化を担うDX人財の育成・強化

SCM人財に求められるグローバルスタンダード

西津:国、言語、文化を越えたコミュニケーションの円滑化を効果として挙げられていましたが、グローバル展開をされているお客さまも多いかと思います。
グローバルという観点で、教育プログラムやSCM人財について教えていただけますか。

丹治:経験学習の高い学習効果が評価され,TFCの受講者はFortune 500の製造業上位100社の約4割,3PL世界トップ10社の4割以上などを含む合計600社以上から数万名以上,MITやシンガポール国立大,中国の清華大学などの国際的な著名大学からも1万名以上がすでに参加した実績を持ち,トヨタやホンダなど,日本の著名企業の海外拠点でも活用されているようです。

SCMや生産管理分野の世界的な標準化推進団体であるAPICSが認定するCPIM/CSCPなどの国際的なSCM専門資格は,取得すると就職や昇進、給与に有利に働くなどのメリットがあります。例えば、2021年の調査では、APICSの資格保有者の給与は、資格非保有者の給与と比べて27%高いという結果が示されました。
この傾向は米国に留まりません。例えば,サムスングループなどの財閥企業がSCMの人財を求める韓国では,APICSの資格保有者が数千名に上ります。しかし,日本の資格保有者はおそらく200人ほどで,国際標準の切り口でのSCMの人財育成では海外と圧倒的な差がついてしまったのが実態です。

今後の展望

西津:本コラムの締めくくりとして、今後の展望を踏まえてコメントをいただけますか。

丹治:2020年10月、政府は、2050年までにカーボンニュートラルをめざすことを宣言しました。環境・社会の両面から考えて持続可能な、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現に向けた取り組みが国際的に進む中、持続可能性の観点で、現在新たな取り組みに着手しています。具体的には、Inchainge社が提供を開始しているビジネスシミュレーションプログラム「The Blue Connection」に関わる取り組みです。The Fresh Connectionが原材料を購入して、製造して、販売する従来型のサプライチェーン(リニア・サプライチェーン)を対象にしたビジネスシミュレーションであるのに対して、The Blue Connectionは、原材料を購入し、製造し、販売した後、メンテナンスプログラムを通じてメンテナンスを実施したり、回収価格の設定やリース販売を通じて製品を回収したり、再生して再販したり、リサイクル業者に引き渡したりと、サーキュラーなサプライチェーンを対象にしたビジネスシミュレーションです。現在数社の方に、ご活用へ向けたご意見を伺い、良好なフィードバックを頂戴しております。来年度については、もう少し踏み込んだ調査と準備に取り組み、近い将来サーキュラー・サプライチェーン教育プログラムとして、SCM教育サービスの新たな教育プログラムとしてご提供できればと考えております。それによって、日本の製造業・流通業・物流業・サービス業の皆様の、循環型社会の形成へのお取り組みの構想と実行に貢献していければと考えています。

益々重要性が高まるサプライチェーンの競争力やレジリエンスの向上へ向けて、そしてサステナビリティの確立へ向けて、サプライチェーン人財育成を通じお役に立つべく、鋭意サービスの提供・改善・拡充に取り組んで参りたいと思います。

西津:本日はインタビューへのご協力をいただき、誠にありがとうございました。

丹治:ありがとうございました。

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