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株式会社日立ソリューションズ スマートマニュファクチャリングソリューション 日立ソリューションズ
スマートマニュファクチャリングソリューション

ITを活用した安全管理で
労働災害ゼロをめざす


~AI・IoTが実用化されている今だからこそできる安全対策~

画像認識AIによる危険行動/異常監視

 AIと呼ばれている深層学習(DeepLearning)技術の発展により画像判定の適用範囲が広がっている。弊社の「画像判定ソリューション」は元々、製造業の出荷検品作業において製品にキズや汚れ・凹みが無いかを効率的にチェックし、出荷品質向上を目的に導入いただく事が多かったが、最近では作業者の不安全行動監視、安全装備の装着監視に適用できないかとお客様からご相談いただく事が増えている。従来は人手に頼っていた監視の業務を自動化する事が可能となる。

例えば設備点検の高所作業において対象設備に定点カメラを設置し、定点カメラが捉えた動画を解析する事で、安全帯フックの2丁掛けが徹底されているかなどを判定する事ができる。AI画像解析によってフックを掛けるべき安全バーとフックの位置関係を瞬時に認識し、フックと安全バーが重なっていれば掛かっていると判断する。それ以外にもヘルメットを被っているか、ハーネス型安全帯を装着しているか、などの安全装備チェックにも活用できる。作業者にセンサー装着などの負担をかける事なく危険行為を早期に発見し、労働災害を未然に防ぐ効果が期待できるのがこの方式のメリットだ。画像判定によって不安全行動と判断された場合には現場に注意喚起するためにランプを点灯させたり、管理者の携帯電話にメールでお知らせするなどのアラートをあげる仕組みと組み合わせる事でさらに効果的となる。

図3.画像判定ソリューションのイメージ図
図3.画像判定ソリューションのイメージ図

 「作業員同士が台車を投げ渡す危険行為を防止したい」と実際にお客様からご相談いただいた事もある。お客様の倉庫内にある既設の防犯カメラで録画された動画データをお預りして実験的に画像判定にかけた結果、お客様の納得のいく精度で不安全行動を検知した。通常の台車の利用方法であれば台車と作業員は同じスピードで同じ方向に動くが、台車と作業員が違う方向に一定以上のスピードで離れると台車の投げ渡し行為が行われたと判断しアラートをあげる。新たにカメラを設置するのはコストがかかるうえに作業者からの反対意見が出る可能性もあるが、このケースのように、それほど画素数の多くない既設の防犯カメラの動画がかえって好都合な場合もある。高解像度の最新カメラで撮影した動画データではデータ量が膨大になり、それを高速処理できるだけのハイスペックなサーバーを用意する必要があるからだ。

その他にも車載カメラで運転者の動きを解析し、わき見・スマホ操作・居眠りなどを検知する実証実験も行っている。「画像判定ソリューション」のご提案の進め方としては、まずお客様から画像・動画データをお預かりし、そのデータから何を検知したいのかご要望をお聞きしたうえで、判定基準に応じてアルゴリズム、学習方法を決定し事前検証を行う。検証の結果、期待していた以上の確率で検知できると判断されればプロトタイプ開発へ進んでいく流れだ。画像判定の適用範囲は幅広いので監視業務にお悩みの方は是非、弊社にご相談いただきたい。

スマートデバイスを活用した技術継承で事故を減らす

 熟練技術者の高齢化やシステムの複雑化・多様化に伴うヒューマンエラーの誘発などにより、依然フィールド業務での事故は多発している。スマートグラスやスマートフォンなどのスマートデバイスを活用し、テキストや音声だけでなく映像を使ったコミュニケーション活性化、およびリアルタイムな指示ができれば事故は減少すると考えている。スマートデバイスを活用したヒューマンエラーの防止や熟練技術者の技術継承を実現する仕組みをご紹介する。

図4.スマートグラス装着時のサンプル画像
図4.スマートグラス装着時のサンプル画像

 弊社の「フィールド業務情報共有システム」は安全面での適用シーンが大きく2つあると考えている。1つ目の適用シーンは定期点検などあらかじめ実施する手順が決められた作業だ。点検作業と言えど作業手順を飛ばしたり間違えたりすれば重大な事故に繋がりかねない。特に経験の浅い新人や外国人労働者は勘違いから手順を飛ばしたり、作業手順書に記載された専門用語が理解できなくて必要以上に時間がかかってしまう事もあるだろう。作業の手順を予めシステムに登録しておけば、作業者はスマートフォンで手順を確認しながら点検作業を実施できる。手順完了のボタンを押さないと次の手順が表示されない仕組みになっているので、誤って手順を飛ばす事はなくなる。

また、手順内容をテキストでは理解できない場合もあるのでベテランの作業を撮影した動画コンテンツを登録しておけば、不慣れな作業者でもその動画を手本として正確な作業ができる。点検結果の入力方法も選択可能だ。現場作業員にとって手袋をしたままの状態で文字を入力するのは困難な場合もあるので、テキスト入力以外にもチェックボックス、写真撮影、音声入力など作業員が効率よく入力できる方法をあらかじめ登録できる。作業終了後には事務所に戻り、自分が点検入力した内容をパソコンで確認したうえで報告書を自動で作成する便利な機能も備わっており、お客様からもご好評いただいている。

図5.フィールド業務情報共有システム(作業手順)のイメージ図
図5.フィールド業務情報共有システム(作業手順)のイメージ図

 2つ目の適用シーンは故障などのトラブル対応だ。現場の作業員がスマートグラスをかけていれば、作業者と同じ目線の現場画像を遠隔地でもリアルタイムに共有する事ができる。事務所にいる管理者は現場の映像を確認しながらテキストで指示を出したり、スタンプや自由描写で確認すべき該当箇所を的確に伝える事ができる。現場の作業者はスマートグラスのレンズに透過性の画面が見えるので、現場と画面を重ね合わせて見る事で間違う事なく安心して作業を進められる。管理者のパソコンの画面をそのままスマートグラスに投影する事も可能なのでマニュアルを表示したり、CAD図面を表示したり利用方法は様々だ。管理者は同時に3台のスマートグラスを管理できるので、それぞれ別々の場所にいる3人の作業者に対して遠隔支援すれば、熟練者不足で悩む現場課題の解決策の一つになると考える。

旧バージョンでは作業者主導でできるコミュニケーションは音声のみだが、新バージョンでは現場の“いま” を現場データ(写真、動画、手書き、音声、テキストコメント)として“手軽に”、“素早く”、管理者側に伝える事ができるようになった。使用するデバイスはスマートグラスには限らずスマートフォンやタブレットでも対応可能だが、現場作業員は手袋をしていると操作しにくい。スマートグラスのメリットは何と言っても両手が使える事。最近ではデバイスメーカ各社が軽量・高機能な機種を発売している。ヘルメットや保護メガネを装着している状態でも違和感なく利用できる機種も発売されており、実際に作業現場で使われる事も増えてきている。

図6.フィールド業務情報共有システム(遠隔支援)のイメージ図
図6.フィールド業務情報共有システム(遠隔支援)のイメージ図

おわりに

 今回はIT活用による安全衛生対策をご紹介してきたが、現時点でITによる対策をしている企業はまだ少ないと感じる。労働災害防止対策を検討する際に大切なのは職場にある危険性の特定・リスクの見積り・優先度設定を行い、その結果に基づいて適切な対策を検討する、いわゆるリスクアセスメントが重要となる。その適切な対策検討の中にITによる対策も含めて検討していただきたい。今回ご紹介したITソリューションを適用した際に労働災害が減少する事はもちろんだが、副次的効果も期待できると考えている。例えば、作業員の位置情報をリアルタイムに検知できる仕組みを導入することで監視業務の負担軽減になり、本来の生産業務に専念し生産性を向上できる。また、安全に働ける環境がある事で作業員のモチベーション向上や優秀な人材確保も期待できる。弊社としてはITによる対策を検討しているお客様と協同で新たな製品開発にも積極的に取り組んでいる。例えば腕時計型のウェアラブルデバイスの活用もその一つだ。体温、血圧、心拍数などの健康状態を記録するだけでなく体の動きも認識できるのでその活用方法は幅広い。この記事ではご紹介できなかったが、ヒヤリハットの事例や労働災害情報の登録から検索・閲覧など安全衛生管理業務を支援する情報共有基盤も提供可能だ。企業内はもちろん、企業間でも成功事例を共有しながら全国の労働災害が減少傾向に向かう事を願う。

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